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更新日:2019.11.01 / 掲載日:2019.11.01
抱っこ紐をしたままでの運転は違反になるのか

グーネット編集チーム
子供とクルマでお出かけする際に、行き先が比較的近い場合や子供が泣き止まない場合などには、抱っこ紐をしたままで運転したくなることがあるのではないでしょうか?
この記事では抱っこ紐を付けたままの運転は違反になるのかについて紹介します。
抱っこ紐で子供を抱えたままの運転は違反になるのか
抱っこ紐で子供を抱えたままの運転は、道路交通法の違反になります。
道路交通法第71条の3-3において、以下のように定められています。
「自動車の運転者は、幼児用補助装置(幼児を乗車させる際座席ベルトに代わる機能を果たさせるため座席に固定して用いる補助装置であって、道路運送車両法第三章及びこれに基づく命令の規定に適合し、かつ、幼児の発育の程度に応じた形状を有するものをいう。以下この項において同じ。)を使用しない幼児を乗車させて自動車を運転してはならない。ただし、疾病のため幼児用補助装置を使用させることが療養上適当でない幼児を乗車させるとき、その他政令で定めるやむを得ない理由があるときは、この限りでない。」
これは、「チャイルドシートを使用せず、幼児を乗せてクルマを運転してはならない。ただし、病気やケガの場合、その他やむを得ない場合にはその限りではない」の意味となります。
チャイルドシートを使用せずに子供を乗せて運転すれば道交法違反ですから、抱っこ紐で子供を抱えて運転するのも違反となります。
チャイルドシートを使用しなければならないのは、子供が6歳未満の場合です。
違反をすると点数1点で、反則金はありません。
抱っこ紐で運転をすることの危険性
抱っこ紐でも、子供をしっかり抱えることができます。したがって、万が一事故が起こった際にも問題がなさそうな気がすることもあるでしょう。
しかし、時速40キロでクルマが衝突事故を起こした場合、そのときの衝撃はクルマを高さ6メートル(ビルの2階相当)の地点から落下させた場合と同等の衝撃になると言われています。
また、時速60キロでクルマが衝突事故を起こした場合には、高さ14メートル(ビルの5階相当)からクルマを落下させた場合と同等の衝撃になると言われており、時速40キロ2倍以上の衝撃になります。
その衝撃を軽減するためにクルマにはエアバッグが搭載されており、エアバッグはきちんとシートに着席してある状態を想定して設計されています。抱っこ紐を付けたまま運転するということは、本来の衝撃軽減機能が発揮できないため、運転手・子供ともに危険な状態であると言えます。
抱っこ紐を使わずに安全にクルマを運転する方法

グーネット編集チーム
抱っこ紐を使わずに安全に子供を乗車させるためには、子供の年齢に合わせて国土交通省が定めた技術基準に適合するチャイルドシートを使用しなければなりません。
国土交通省が定めた技術基準に適合するチャイルドシート
市販されているチャイルドシートでは、国土交通省が定めた技術基準に適合しているものと、適合していないものがあります。法律上では、国土交通省が定めた技術基準に適合するものを使用しなくてはなりません。
なお、国土交通省の技術基準を満たしたチャイルドシートには型式指定を受けたことを示すマークが付けられていますので、チャイルドシートの購入の際には、そのマークが貼り付けられているものを購入しましょう。
年齢に合ったチャイルドシート
チャイルドシートは、ベビーシート、チャイルドシートおよびジュニアシートの3種類があります。子供の成長に合わせ、年齢に合ったチャイルドシートを使用することで子供を安全にクルマに乗せることができます。
1. ベビーシート(乳幼児用ベッド)
まだ首がすわっていない新生児を後ろ向きに寝かせて使用します。
年齢は生後10ヶ月くらいまで、体重は10kg未満、身長は70cm以下が目安です。
2. チャイルドシート(幼児用シート)前向きで使用するものと、前向き・後ろ向き兼用のものとがあります。
年齢は、1歳~4歳くらいまで、体重は9kg~18kg、身長100cm以下が目安です。
3. ジュニアシート(学童用シート)お尻の下に敷き、座高を上げることによって3点シートベルトをそのまま使用できるようにするものです。
年齢は、4歳~10歳くらいまで、体重は15kg以下、身長135cm以下が目安です。
チャイルドシートの使用義務が免除されるのはどのような場合があるのか
チャイルドシートは、以下の場合に使用の義務が免除されます。
1. シートの構造の問題でチャイルドシートが固定できないとき
2. クルマに乗る人数が多いため、子供全員にチャイルドシートを使用すると全員が乗車できなくなるとき
3. 子供のケガや病気などにより、チャイルドシートをつけられないとき
4. 著しい肥満などの理由でチャイルドシートを使用できないとき
5. 授乳やおむつの交換など、日常的な子供の世話ができないとき
6. バスやタクシーなどの一般旅客運送車両に乗るとき
7. ケガをした子供を病院へ連れて行くときや、迷子の子供を保護して警察署まで送るとき
8. 運転手が規定による許可を受けて、該当する目的のために乗車させる際
知人のクルマに乗せてもらう際にもチャイルドシートは必要です。
運転手が誰であっても、交通事故が起きたとき子供が危険にさらされることは変わりがないからです。
抱っこ紐で子供を抱えたままクルマを運転することは、以上で解説してきたように、道路交通法違反となります。子供を危険にさらす行為ですので、技術基準に適合したチャイルドシートを年齢に合わせて使用しましょう。
知人のクルマに乗る際などチャイルドシートを調達しにくい場合には、「ちょっとくらいならいいか」と思ってしまうこともあるかもしれません。
しかし、それで事故が起こってしまえば、後々後悔することにもなりかねません。
クルマを運転する際は安全のためにも抱っこ紐を付けたままにせず、チャイルドシートを準備しましょう。