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更新日:2022.09.26 / 掲載日:2019.12.20
アイドリングストップ車のバッテリー寿命はなぜ短い?原因と対策

「アイドリングストップをするとバッテリーの寿命が縮む」なんて噂を耳にしたことがある方は多いのではないでしょうか?しかし、アイドリングストップは燃費の向上が期待できる機能なので、できればバッテリー寿命を縮めずに上手に活用したいものです。
そこで本記事では、アイドリングストップとバッテリー寿命の関係性について解説。アイドリングストップ車でのバッテリー寿命の伸ばし方についても併せてご紹介致します。アイドリングストップ車を利用している方は是非チェックしてみてください。
アイドリングストップはバッテリーに負荷がかかる?

バッテリーの寿命が縮むということは、バッテリーに必要以上の負荷がかかっているということになります。つまり、アイドリングストップをするとバッテリー寿命が縮むという噂が本当であれば、アイドリングストップはバッテリーに負荷をかける機能だということになります。
結論からいうと、確かにアイドリングストップはバッテリーに負荷がかかります。アイドリングストップとは、停車時にエンジンを自動的に切ることでエンジンを動かす時間を最小限にし、無駄な燃費を抑えたり、排気ガスの放出を抑えたりする効果を得られるものです。つまり、エンジンの停止と再始動を繰り返しおこなう機能といえます。
エンジンは、始動時にバッテリー容量の10~20%程度の電力を必要とします。バッテリーの容量が激しく増減するとバッテリーに負荷がかかるので、エンジン始動を何度も繰り返しおこなうアイドリングストップは、バッテリーに負荷を与えてしまう機能でもあるのです。さらにアイドリングストップをおこなってエンジンを再始動する際には、瞬時に車を動かすためにセルモーターを動かします。こちらも同じくバッテリーへ大きな負荷がかかります。
また、近年販売されている車には「充電制御システム」が搭載されていることが多くあります。これは、バッテリーの容量が一定値以下にならないと充電をおこなわないシステムのことで、オルタネーター(発電機)を常に動かさないことで、エンジンへの負荷を減少させるものです。
この充電制御システムとアイドリングストップを併用していると、バッテリーへの充電時間は極端に短くなります。つまり、必要なときに必要な電力を供給するためには、急速充電をしなければならないのです。上述したように、バッテリーの容量が激しく増減するとバッテリーへの負荷がかかるので、アイドリングストップを利用することでバッテリーの寿命は短くなってしまうのは事実といえるでしょう。
アイドリングストップ車のバッテリー寿命は?
アイドリングストップを利用するとバッテリーの寿命が縮まる理由がわかったところで、アイドリングストップ車のバッテリー寿命は、どれほどなのか気になる方も多いのではないでしょうか?
実は、アイドリングストップ搭載車と搭載していない車でのバッテリー寿命は、2倍ほどとかなり大きいものになります。具体的には、アイドリングストップを搭載していない車において、バッテリー寿命は「3年または5万km」といわれています。対して、アイドリングストップ車のバッテリー寿命は「18ヶ月または3万km」とされています。
ただし、上記のバッテリー寿命はメーカーが保証している期間であって、この期間を超えたからといって使えなくなるわけではありません。使用状況や頻度によってバッテリー寿命は異なるので、定期的な点検を欠かさないようにしましょう。
アイドリングストップ車のバッテリー寿命の伸ばし方
バッテリー寿命が縮んでしまうのなら、アイドリングストップ機能のない車にしようと考える方もいるかもしれません。しかし、使い方によってはバッテリー寿命を伸ばすことができます。
アイドリングストップ車のバッテリー寿命を伸ばす代表的な方法は、以下の5つになります。どれもバッテリーへの負荷を小さくするための工夫なので、是非実践してみてください。
・渋滞時にはアイドリングストップ機能をオフにする
・夏場にエアコンを使用する時はアイドリングストップ機能をオフにする
・冬場にヒーターを使用する時はアイドリングストップ機能をオフにする
・停車時間が5秒以内のときにはアイドリングストップ機能を使用しない
・定期的に長距離走行をして、バッテリーを十分に充電する
まとめ
アイドリングストップは燃費向上や環境配慮に関しては優れていますが、バッテリーへの負荷がかかる機能でもあります。そのためバッテリー寿命は縮んでしまい、アイドリングストップ未搭載車と比較するとその差は2倍ほどにもなります。今回ご紹介したバッテリー寿命を伸ばす方法を参考にして、上手にアイドリングストップ機能を活用しましょう。