ドライブ
更新日:2020.06.09 / 掲載日:2020.06.09
ながら運転の厳罰化!カーナビ操作は違法?スマホのナビアプリはどうなる?

グーネット編集チーム
2019年12月1日道路交通法改正にともなって「ながら運転」2タイプ罰則が厳罰化されました。ただ、ながら運転をしないようにしようと言っても、走行中のテレビ視聴やスマホなどの注視は明らかにながら運転だとわかりますが、車で利用されることの多いカーナビの操作についてはどうなのでしょうか。
例えば「現在地や目的地を調べるためのカーナビ操作も違法なの?」と疑問に思う方も多いのではないでしょうか。
そこで今回は、カーナビやスマートフォンでのナビの操作は、ながら運転の対象となるのかについて解説します。
ながら運転とは?カーナビ操作は違法なの?
ながら運転とは、スマートフォンで通話したり、テレビ視聴をしたりなど、何かを“しながら”運転することを意味しています。具体的にはどのような行為がながら運転にあたるのでしょうか。
ながら運転の定義
ながら運転は「道路交通法第七十一条 五の五」において定義されています。要約すると、走行中に通信機器を持って通話をすることや、カーナビまたは通信機器の画面を注視することが違反となる内容です。
仮に、車の走行中において、2秒間でどのくらいの距離が進むのかを見てみると、時速40kmの場合でおよそ22.2m、時速60kmではおよそ33.3mの距離を走行することになります。2秒間の注視であっても、走行中はとっさの判断や運転が不可能な状況になることも考えられるため、たとえ数秒であっても、注視が危険な行為であることがわかります。
ながら運転の対象行為
ながら運転の対象行為となるのは、具体的には次のとおりで、取り締まりの対象となります。
・運転中に緊急時を除いて携帯電話またはスマートフォンで通話する
・運転中にカーナビを注視する(テレビ視聴を含める)
・運転中に通信機器、またはスマートフォンを注視しながら操作する
道路交通法においては注視が違反の対象で、操作自体は含まれていません。しかし、操作することで注視しているとみなされ、取り締まりの対象となる可能性があります。
カーナビ操作は「注視」しないことがポイント
カーナビの操作についてですが、ながら運転においてはカーナビの操作自体は違反行為ではないため、厳密には、ながら運転にはあたらないといえます。また、道路交通法にも操作についての具体的には明記されていませんので、カーナビ操作を理由に取り締まることはできません。
しかし実際には、カーナビ操作のために画面を注視することが必要な場合が多いでしょう。安全に考慮して、停車可能な場所に停止してカーナビ操作をするのが無難といえます。
そもそも、注視とは具体的にどのくらいの時間のことを指すのか気になるところですが、道路交通法にも注視と判断される具体的な時間は定義されていません。そのため、何秒間以上の注視が道路交通法上の注視にあたるのか、明確な時間がないのが実情です。
しかし、国家公安委員会が事業者に向けた告示の中で、注視の説明として、おおむね2秒を超えて画面を見続けることを明記していることから、2秒以上が注視とされる可能性が高いのではないかと推察されることがあります。なお、「2秒以上が注視である」と道路交通法では定義されていないため、2秒以下の注視であれば、ながら運転にはならない、ということではないので注意しましょう。
スマホアプリのナビ操作は違法になるの?

グーネット編集チーム
スマートフォンのナビアプリの操作をすることが、ながら運転に該当するのかどうかも気になるところとですが、結論としては、スマートフォンのナビアプリの操作自体は違法にはなりません。道路交通法に操作は明記されていないため、前述のカーナビと同様、スマートフォンのナビも操作自体は問題ないのです。
しかし、画面を注視することは違反です。スマートフォンの画面を注視してナビアプリを操作した場合は、取り締まりの対象となってしまいます。最近では音声で操作できるナビアプリも登場していますので、音声操作を活用するのも良いでしょう。
改正前と改正後で違反点数が3倍!?ながら運転の罰則とは
冒頭でも触れたように、道路交通法は2019年12月1日に改定され、ながら運転に関しても厳罰化されました。ながら運転に関する罰則は、大きく分けて、ながら運転に違反した場合の「保持」と、ながら運転の違反によって事故を起こした場合の罰則である「交通の危険」の2つが存在します。改正前と改正後で、これらの罰則内容がどう変わったのについて見ていきましょう。

グーネット編集チーム
まとめ
ながら運転とみなされる具体的な行為や、厳罰化の内容をご紹介しました。以下ではあらためて、今回の内容をまとめました。
・カーナビもスマートフォンのナビも、操作すること自体は違反ではない
・カーナビもスマートフォンのナビも、画面・画像を注視することが違反となる
・注視の時間については定義されていないため、数秒間の注視で違反となる可能性もある
・道路交通法改正により、ながら運転に対する罰則が強化された
走行中に「少しくらい大丈夫だろう……」と目を離しただけでも、車は驚くほど進んでしまいます。たった数秒間であっても、ながら運転には大きな危険がともないます。安全運転のためにも、カーナビやスマートフォンのナビなどを利用する際には、車を停車させて行うようにしましょう。