アウトドア・キャンプ・車中泊
更新日:2021.04.23 / 掲載日:2021.04.23
【自転車×クルマ】いまこそ夢の6輪生活を始めよう!【九島辰也のクルマのある時間 第3回】

文●九島辰也 写真●BMW、スバル、日産、ユニット・コンパス、THULE
“密”を避けるためにいろいろなモノやコトが見直されています。例えば自転車。日常的に使っている方も多いと思いますが、趣味やスポーツとしてあらためて見てみるのもいいかもですね。
EV・PHEVを使った最強ワークスペース構築術【九島辰也のクルマのある時間 第1回】
【車中泊×クルマ】キャンピングカー選びの条件【九島辰也のクルマのある時間 第2回】
人気があるのはロードバイクでのヒルクライム

スバルは日本自転車競技連盟に協賛し、サイクルロードレースを含めたすべての自転車競技を応援している
というのも、そもそも自転車はロードバイクもマウンテンバイクも都心から離れたところで楽しむモノです。ロードバイクは峠道や川沿いのコース、マウンテンバイクは文字通り山のなかってところでしょうか。もちろん、それ以外のマニアックな使い方をされている方もいらっしゃると思います。まぁ、いずれにしても密は避けられそうです。
そこで海外の自転車事情にも詳しい友人に最近の流行りを問うたところ、オーソドックスなのはロードバイクでのヒルクライムでは、という返事がありました。都心から近いところだと、秩父や高尾、相模湖や箱根あたりに行くそうです。シークレットもあったりして。
そんな話を聞いていると、2019年まで行われていたメディア向け海外試乗会を思い出しました。試乗会が行われるのはヨーロッパ全域で、コースは主に峠道が選ばれます。要するに日本で言う箱根みたいなところ。スケールはもっと大きくなりますがね。
で、イタリア、フランス、スペインあたりのそんな峠を走っているとロードバイクでヒルクライムをする人たちによく遭遇しました。スタート前のガイダンスでも、「この峠は自転車が多いので気をつけてください」とアナウンスされます。大きな競技大会の前は平日でもそうですし、土日はかなり多くのサイクリストが集まるようです。
ただ、その時はフツーにそんな人たちと接していました。追い越す時は減速し、後ろから自転車を驚かさないように気をつけます。それに手で合図も送ります。ヨーロッパのドライバーがそうしていたので、自然にそうしました。あちらはツール・ド・フランスに代表されるように自転車を使ったスポーツがしっかり認知されています。なので、スポーツとして自転車に乗っている人たちには市民権があるばかりかリスペクトされている感じがしました。
「箱積み」か「外積み」か。クルマによって選択肢が別れる

オーテックが販売しているキャンピングカー仕様のNV350キャラバン マルチベッドやNV200バネット マルチベッドワゴン、セレナ マルチベッドは、自転車趣味の相棒にもぴったり
それじゃ自転車を愛する皆さんはヒルクライムする峠道までどうやって行くのか。そこで、クルマの出番。やはり自転車を楽しむのもクルマは必需品です。
運び方は2つの方法がメジャーです。ハイエースのようなバンに中積みするか、乗用車の屋根にキャリアを付けて運ぶかです。中積みする場合は固定するキットが必要ですし、ルーフキャリも専用のアタッチメントを装着しなくてはなりません。聞けばスーリー(THULE)のキャリアが人気のようです。ルーフバーをそのままに、冬はスキー用のアタッチメントに替えればOKっすね。
キャンピングカーの荷室(ベッド下)に折り畳み自転車を搭載した例
ワンボックス車のハッチゲートに搭載するタイプのキャリア。分解いらずで高く持ち上げる必要もない
ルーフキャリアの人気ブランド「THULE(スーリー)」のルーフキャリア。メジャーブランドだけあって、さまざまなニーズに対応するアイテムを用意する
ルーフに積むなら地上高の低いワゴンタイプが便利

スバル車は、有名ホイールメーカー「MAVIC(マヴィック)」のサポートカーとして、1996年から採用されている
では、キャリアを付けるのにはどんなクルマが適しているのか。これも自転車好きの友人にヒアリングしたところ、積んでくるクルマはさまざまだと。
最近赤いポロにロードバイクを載せてくる女性を見かけたそうです。とてもオシャレに見えたとか。たしかにハッチバックは実用的です。ついでに調べると、サイクルウェアにはイタリアのカステリやスイスのアソスなどファッション性が高いモノが多くありました。その辺からハマるのもアリですかね。
さまざまなクルマの中でもスバルレヴォーグは比較的多く見られます。同じカーゴスペースがあってもSUVでは背が高すぎて自転車の積み下ろしがひと苦労。そこで、ステーションワゴンタイプが重宝されているようです。しかもヨンクならさらに心強い。冬のスキーシーズンまで鑑みれば賢い選択かもしれません。
となると、輸入車ユーザーではアウディのアバント系、BMWのツーリング、ボルボのステーションワゴンあたりが多いかもですね。ヨーロッパのサイクリストみたいです。もしかしたら、メルセデス・ベンツEクラスにあるオールテレインはそんなターゲットに向けて商品開発されたのでしょうか。ステーションワゴンを少しリフトアップしたそのスタイリングから自転車を積んだりスキー板を載せたりする姿が想像できます。実際、日本での販売開始以前からヨーロッパではよく見かけていました。
いずれにせよ、自転車を趣味やスポーツとしてとらえるのはニューノーマルなライフスタイルかと思われます。カッコいいクルマに乗ってオシャレなサイクルウェアを着て、峠のサイクリングを楽しんじゃってくださいませ。普段とは違った目線のクルマ選びができそうです。
ステーションワゴンよりも最低地上高が高く、SUVよりも低いEクラス オールテイレイン
欧州ブランドのBMWやアウディは、サイクリストから厚い信頼を寄せられていて、自転車を搭載することも考えたクルマ作りを行っている
執筆者プロフィール:九島辰也(くしま たつや)

自動車ジャーナリストの九島辰也氏
外資系広告会社から転身、自動車雑誌業界へ。「Car EX(世界文化社 刊)」副編集長、「アメリカンSUV(エイ出版社 刊)」編集長などを経験しフリーランスへ。その後メンズ誌「LEON(主婦と生活社 刊)」副編集長なども経験する。現在はモータージャーナリスト活動を中心に、ファッション、旅、サーフィンといった分野のコラムなどを執筆。また、クリエイティブプロデューサーとしても様々な商品にも関わっている。趣味はサーフィンとゴルフの”サーフ&ターフ”。 東京・自由が丘出身。