車とお金
更新日:2023.10.08 / 掲載日:2023.10.07
EVやPHEVがガソリン車より高いのはなぜ?【電気自動車の基礎知識】

一般的に、電気自動車(EV)やプラグインハイブリッド(PHEV)はガソリン車よりも高価格。同じ車格の場合、およそ1.5倍くらい高額となっているケースが多いです。装備内容に大きな差はないのに、一体なぜ……?とおもうひとも多いでしょう。今回は、EVの価格について説明しましょう。
バッテリーが高価なのが最大の理由
EVやPHEVが高価な理由はシンプルで、バッテリーの生産コストが高いからです。ここ最近、バッテリーはリチウムイオン式が主流となっていますが、この材料はその名の通りリチウムという金属が使われています。リチウムはレアメタル(希少金属)で、生産国はオーストラリアやチリ、中国などに偏っており、日本では輸入に頼らざる得ない状況となっています。ほかにもリチウムイオン電池にはコバルトなどの高価なレアメタルが使われており、バッテリー生産コストの増大に繋がっているのです。
今後、EVやPHEVがもっと普及すれば安くなる?
EVやPHEVの価格変動には、2つの大きな要因が考えられます。まずは生産技術の向上によるもの。現在は内燃機関車がまだまだ主流ですが、EV/PHEVの生産規模が徐々に大きくなるにつれ、1台当たりの生産コストは下がります。少ない台数を作るより、大量生産するほうが安くなるのは当然といえるでしょう。
もうひとつはレアメタルの埋蔵量が要因となります。リチウムやコバルトの埋蔵量は有限であるため、EVやPHEVによる需要がさらに増大すればコストは上がっていく可能性が高いです。現段階では需要が供給を上回っているため、当面は原材料のコストは依然高い時期が続くでしょう。また輸入に頼らざる得ないため、国際情勢の影響を受けやすいという欠点があります。リチウムやコバルトの安定供給が、リチウムイオンバッテリー、つまりEVやPHEV生産コストのカギとなるのです。
しかしここ最近は、レアメタルフリーのナトリウムイオン電池など、新しい技術の研究も行われています。ナトリウムは、リチウムと似た性質を持つアルカリ金属ですが、埋蔵に偏りがなく豊富に存在するため、実用化すれば将来的なコストダウンが見込めます。しかし現状はエネルギー密度の問題など、自動車への搭載には多くの課題が残されています。

補助金制度を活用してお得に買おう
価格が高いEV/PHEVですが、CEV補助金制度を利用することで新車購入時の負担を減らすことが可能です。補助金は車種や地方自治体によって異なりますが、例えば日産リーフ(e+ G/60kWh車両)の場合は国から85万円、地方自治体(例:東京都)から45万円が受けられます。また、グリーン化特例やエコカー減税により、自動車税や重量税も免除・軽減されることがあるので、これらの制度を積極的に利用しましょう。
なお、国へのCEV補助金申請書は、次世代自動車振興センターのサイト(下記参照)より入手可能です。
まとめ
EV/PHEVはガソリン車よりも高価ですが、それはリチウムイオンバッテリーのコストが高いことに起因します。大量生産をしてもコスト減には限度があるため、EV/PHEVが新車販売の主流になったら自動車そのものがより高価なものになる可能性が高いです。補助金制度を積極的に利用し、少しでも安く購入したいですね。
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