車とお金
更新日:2019.12.27 / 掲載日:2019.10.31
【第1回】カーリースとローンの違いとは?どっちがお得なの?
現金以外のクルマの買い方にはなにがある?
はじめに
クルマの購入は、多くの人にとっては人生のなかでも大きな買い物。支払う金額も多いので、できるだけお得でメリットのある購入方法を選びたいですよね。
クルマ購入費用のもっともシンプルな支払方法は「現金一括」で、トータルで考えると支払額も一番少なく済みます。しかし、ある程度高額となる新車購入費用を、まとめて一括で支払うのは簡単なことではありません。
そこで、分割で支払うことによって負担を軽くする方法がいくつか用意されています。今回は、そういった“現金一括以外”の支払方法として、カーリースやローンについてご紹介します。それぞれの違いやどちらがお得なのか解説しますので参考にしてください。
その1:ローンの場合
現金一括意外でもっとも身近な支払方法といえば「ローン」。基本的には最初にある程度の頭金を支払い(頭金を支払わずにローン計画を立てられることもあります)、残りの金額を3年(36回)や5年(60回)などで分割して払っていきます。
毎月同じ額を払うことを「均等払い」と言いますが、ほかには“ボーナス払い”といって年に2回のボーナスの時期に支払額を多めに払う方法もあります。その場合は、ボーナス時以外の支払額を安く設定できるのがメリット。いずれにせよお金を借りることによって「利子」が発生するので、現金一括払い時よりも支払総額は増えます。
ローン終了後は、クルマは自分の所有物になります。

その2:残価設定ローンの場合
「残価設定ローン」は、ローンの派生型といえる支払方法。あらかじめ車両価格の一部(30~50%程度)を“残価(ざんか)”と呼ばれる「最終回支払い分」として据え置き、それ以外をローンとして毎月返済。支払い期間は3年から5年が一般的で、最後の支払いに「残価」分を支払ってローンが終わります。
毎月の支払金額を減らせるので、月々の負担を減らしたい人や支払額に対して高額なクルマに乗りたい人に向いているといえるでしょう。
3年後にあらかじめ「残価」としていたまとまった金額を支払うことになりますが、実はクルマを返却したり次のクルマに買い替えることで残価の支払いの代わりとなるのが普通のローンとの最大の違い。ただしその場合は、ローンの終了とともにクルマは手放すこととなります。
もしもクルマを手放したくない場合は、残価を支払ってクルマを手元に残すこともできます。

その3:リースの場合
毎月一定の金額を支払ってクルマを利用するという意味では、「リース」はローンに似た存在です。しかしカーリースには、毎月の支払金額に税金や定期的なメンテナンス(契約によっては車検まで含める)などの維持費用も含まれます。ローンや残価設定ローンではそれらが必要な際は毎月のローン支払いとは別に負担しなければなりません。しかしカーリースなら、購入だけでなくクルマを維持するための費用が含まれるので支払いを一定に収められるというわけです。開始時の頭金も必要ありません。
ただし、毎月の支払額はその分が上乗せされるので多めとなります。クルマを所有するというよりは、“毎月の利用料を払って使う”と考えればわかりやすいでしょう。
リース契約が終了すれば、基本的にクルマは自分の手から離れてしまいますが、契約年数が7年間や9年間など長い場合はそのまま自己所有にできる場合もあります。
カーリースは全額を経費扱いにできるので、法人にとってはメリットが大きいと言われています。

その4:サブスクリプションの場合
トヨタ自動車が本格スタートしたことで最近話題になっているのが「サブスクリプション」と呼ばれるサービス。サブスクリプションは「製品を利用した期間に応じて料金を支払う定額制サービス」のことです。毎月の一定の料金を支払いながら、クルマを使うというわけです。
カーリースとサブスクリプションとの違いについてですが、実はサブスクリプションはリースという括りのなかにあるサービスのひとつです。そのため「サブスクリプション」を謳っていても実際にはカーリースと違いがないこともありますし、それは「呼び方の違い」と解釈できます。
いっぽうで、サブスクリプションのなかには「毎月一定の金額を支払えば、違うクルマに乗り換えられる」プランもあります。服などのサブスクリプションと同じシステムですね。日本では高級ブランドの「レクサス」が展開していますが、利用料はそれなりに高いのであまり一般的とは言えないかもしれません。
ちなみに、「KINTO SELECT(キントセレクト)」と呼ぶ、3年間で6台のクルマに乗り換えることができるレクサスのプランは、任意保険料まで含めて月々19万8000円からです。

まとめ
カーリースやローンなど、どのプランがベストかは、クルマを持ち続ける予定の期間や買い替え頻度、予算などによって変わってきます。同じようにクルマを所有しても、システムによって総支払金額も異なります。なので、購入時はしっかり比較することが大切です。
次回からはそれぞれをさらに深く掘り下げて考えていきましょう。
【第4回】トヨタ「KINTO(キント)」とはどんなサービス?