車とお金
更新日:2019.12.27 / 掲載日:2019.11.11
【第5回】トヨタ「KINTO SELECT(キントセレクト)」について
話題のサブスクリプションを深掘り【その2】
3年間でレクサス6台に乗れる新方式トヨタの「KINTO SELECT(キントセレクト)」
前回に続いて、トヨタのサブスクリプションサービスである「KINTO(キント)」について見ていきましょう。
「KINTO」には大きく分けて2つの種類があることは前述しましたが、ここで振り返ってみましょう。
ひとつはトヨタ車で展開している「KINTO ONE」。こちらは3年間の契約となり、月々定額の支払いの中には車両代金、税金関連、登録手続き費用などの手数料、メンテナンス関連費用、自賠責保険に加え、任意保険料まで含まれています。ただし、契約期間で乗れる車種は1種類です。
そしてもう一つの「KINTO」がこれから紹介する「KINTO SELECT」です。こちらは、いまもっとも新しいクルマの使い方と言っていいかもしれません。 月々定額の支払いの中に含まれるものなどは「KINTO ONE」と基本的に同じですが、 注目ポイントは、このところとくに人気が高い高級なレクサス車が対象になっていること。さらに、半年ごとにクルマを乗り換え、3年間の契約で6台の“新車”に乗れることが一番大きな違いとなっています。これまでなかった斬新なクルマ利用の方法といえます。
KINTO SELECT(キントセレクト)の仕組みについて
KINTO SELECTの考え方は、服やバッグなどのサブスクリプションと同じと考えれば理解しやすいかもしれません。サブスクリプションとは、定額料金を支払うことでサービスの利用権を一定期間得られるサービスです。利用者はモノを買って自己所有するのではなくモノを借りて使うのですが、手元にある対象物(KINTO SELECTでは車両)を返却して新しいものを借りるのを繰り返すことになります。
かかる費用は車両代だけでなく、税金や基本メンテナンス、そして任意保険まですべて“込み”。だから毎月定額でクルマを利用できるのも特徴ですね。
残価設定ローンやリースと同じく、返却時に過走行やクルマのダメージなどクルマの価値を著しく下げる状態にあれば別途費用が必要となる場合もありますが、走行距離はひと月あたり1500kmまでOK。1台に6か月間なので、1500km×6か月=9000kmまでなら超過となりません。
参考までに、KINTOによるクルマ利用で毎月の定額のほかにかかる費用は、燃料代、駐車場代、有料道路代、事故修理費用、利用者の過失によるトラブル処理費用などです。

「KINTO SELECT(キントセレクト)」で乗れるのは6車種!
前回紹介したトヨタの「KINTO ONE」は“1台の車両を3年間利用する”というタイプでした。いっぽうでレクサスの「KINTO SELECT」は、6ヵ月ごとに車両を乗り換えられるのが大きな違い。まさに「サブスクリプション」という、残価設定ローンや通常のリースとは異なる、新しいクルマの使い方です。
用意されている車種は、現在6モデル。
RC300h“F SPORT”
IS300h“F SPORT”
RX450h“version L”
UX250h“F SPORT”
NX300h“F SPORT”
ES300h“version L”
すべてハイブリッドの2WDです。
車種ごとにグレードは決まっていますが、ボディカラーは指定された3色~4色から選択が可能で、なかにはホイールやインテリアの仕上げ(オーナメントパネル)を選べるモデルもあります。
憧れの高級車を定期的に乗り比べたい。そんな夢を実現できるプランが「KINTO SELECT」といえます。クルマは6ヵ月ごとの入れ替えとなりますが、再び同じ車種を選ぶことも可能です。
RC300h“F SPORT”
IS300h“F SPORT”
RX450h“version L”
UX250h“F SPORT”
NX300h“F SPORT”
ES300h“version L”
※上記6車種の写真は、KINTO SELECTで選べるグレードやボディカラーなどと異なる場合があります。
「KINTO SELECT(キントセレクト)」なら社用車にできる
また、法人での申し込みができない「KINTO ONE」とは異なり、「KINTO SELECT」は法人での申し込みも可能となっているのもポイント。社用車として使うこともできるわけです。
気になる価格は、税込みで19万8000円。個人ではなかなか手が出しにくい価格設定なのは事実ですし、このサービスを使わずに残価設定ローンや一般的なリースとして1台に乗り続けたほうが出費は抑えられます。
しかし、半年ごとに新車の乗り換え可能で、車種も変更できるのは「安さだけではない価値」であり大きな魅力。今後は他のブランドや中古車に広がるかもしれません。
海外メーカーのサブスクリプション事情
今のところ自動車メーカーとして日本国内で車両乗り換えを前提としたサブスクリプションをおこなっているのはレクサスだけですが、自動車メーカー以外にも展開している事業者があります。
海外に目を向けると、アメリカではクルマのサブスクリプションをより多くの自動車メーカーが提供しています。BMW、メルセデス・ベンツ、フォード、ボルボ、そしてポルシェなどがおこなっています。
そのうちポルシェ、メルセデス・ベンツ、そしてBMWは新車を対象として「KINTO SELECT」のように乗り換え可能なサービスとなっています。