車とお金
更新日:2020.06.09 / 掲載日:2020.06.09
軽自動車の環境性能割とは?仕組みや割引額の計算方法

グーネット編集チーム
2019年10月に新たな消費税率が導入されたことに付随して、自動車に関わる税金の見直しもおこなわれました。その見直しによって導入された「環境性能割」という税制度をご存じでしょうか?
今回は、軽自動車の環境性能割について解説します。これから車の購入を考えている方は、ぜひ参考にしてください。
自動車取得税との入れ替え!新導入「環境性能割」とは
環境性能割は、これまで自動車を購入する際に支払っていた「自動車取得税」という税金と入れ替わる形で、2019年10月1日から新たに導入されました。
この制度の対象は、自動車取得税と変わらず普通車と軽自動車のみとなり、納付方法や納付期限に関しても、基本的に自動車取得税と変わりません。環境性能割は、あくまで自動車を取得した際の税金のため、毎年継続して支払う自動車税とは異なるものとなります。
2019年10月で廃止「自動車取得税」の仕組み
2019年10月までは「自動車取得税」という税金が課せられており、車の購入時に普通車の場合には取得価額の3%、軽自動車の場合には取得価額の2%を支払う必要がありました。
また、環境性能を満たす車を取得した場合には、この自動車取得税を減税する制度がありました。自動車取得税の廃止とともに一部廃止となりましたが、環境に優しいエコカーを普及させるために定められた制度です。この制度が環境性能割のもとになっていると、とらえることもできます。
2019年10月に導入「環境性能割」の仕組み
今回導入された「環境性能割」は、自動車の環境性能に応じて課税額が決まる仕組みです。国が定めている、省エネ法に基づく燃費基準をクリアした車が環境性能割の対象ですが、燃費の良い車を買うほど、税額が安くなります。なお、最も環境性能が良いとされる電気自動車は、自動車取得税のときと変わらず非課税です。
軽自動車環境性能割の導入でなにが変わる?
軽自動車に関する環境性能割が導入されることで、具体的には何が変わるのでしょうか?
環境性能割は自動車税とは別にかかる税金ですが、具体的にはエコカーで減税される範囲が広がります。軽自動車の場合、環境性能割は環境性能基準に応じて税率が3段階設けられており、取得価額に対して非課税、1%、2%となっています。
自動車取得税よりも軽減できるケースがある
2020年度燃費基準を達成した車であれば、環境性能割の導入後、エコカー減税適用後の自動車取得税よりも取得時の課税額が下がります。
また、取得時の税金が非課税になる自動車の範囲も増えました。普通車は2020年度燃費基準+20%以上の達成車であれば非課税、軽自動車は2020年度燃費基準+10%以上の達成車であれば非課税となります。
「環境性能割の臨時的軽減」でさらに負担が軽くなる
環境性能割は2019年10月から導入されましたが、導入から一定期間内はさらに1%減税される臨時的軽減制度が設けられています。この軽減措置は2021年3月31まで続きます。
例えば、もともと環境性能割が1%課税される自動車であっても、2021年3月31日までに取得すれば、取得時の税金が非課税となるのです。ですから、軽自動車の場合は2020年度燃費基準達成車であれば、2021年3月31日までの取得に関しては非課税になります。
中古車はどうなる?軽自動車税環境性能割の計算方法

グーネット編集チーム
ここまで、環境性能割は自動車を新規取得する際にかかる税金であることを解説してきました。環境性能割は、新車だけでなく中古車を取得する際にも課せられます。
軽自動車税環境性能割の課税額は、新車購入時と中古車購入時でどのように算出するのかを見ていきましょう。
「新車」と「中古」で異なる計算式
新車と中古車では、課税額の算出方法が異なります。中古車では経年劣化などを考慮するため、使用された経過年数によって取得価額が変わるからです。
中古車の経過年数によって算出された数値を残価率と呼び、中古車の取得価額を算出する際に用いられます。残価率は新車時を1.0として、年数が経過するにつれて下がっていきます。
中古車購入した場合の計算例
では、中古の軽自動車を購入した際の環境性能割の算出方法を見ていきましょう。
計算式は、次のようになります。
・課税標準基準額×残価率=取得価額 ※1,000円未満は切り捨て
・取得価額×軽自動車税環境性能割の税率(非課税~2%)=軽自動車税環境性能割の課税額
※中古自動車の取得価額が50万円以下の場合は免税となるため、2つ目の計算をおこなう必要はありません
上記の算出方法で、軽自動車税環境性能割の課税額が求められます。環境標準基準額は、税務署などで使用される一覧表に型式やグレードごとに定められていますが、新車販売時の価格のおよそ90%となるのが一般的です。
要するに、基準となる価格に年数に応じた割合をかけることで、取得価額を求めることができるのです。
なお、中古車の環境性能割の税率区分も新車と同様の基準で決まっているため、電気自動車などは非課税となります。
新車購入した場合の計算例
新車の軽自動車を購入した際の税金額の算出方法は、以下のとおりです。
・課税標準基準額+オプションなど付加物の価額=取得価額 ※1,000円未満切り捨て
・取得価額×軽自動車税環境性能割の税率(非課税~2%)=軽自動車税環境性能割の税額
軽自動車の購入価格に対して環境性能割の税率をかけたものが、最終的に軽自動車税環境性能割の課税額となります。課税標準基準額は車検証に記載のグレードや型式もとに算出され、販売価格から値引き額を差し引いた金額です。おおよその目安として新車価格の90%程度とされています。
また、取得価額にはカーナビなどのオプション品の金額も含まれるため、取得価額を下げたい場合は、後付けで搭載可能なオプションのみあとから搭載するといった方法も考えられます。
まとめ
環境性能割の導入により、新車や中古車の購入時にかかる税金のあり方が変わっています。
エコカーなどは、以前よりもさらに税金が減額されていますし、2021年3月31日までは臨時的な軽減措置があるため、非課税となる車種も大きく増えています。
車の買い替えを検討している方は、この機会にエコカー購入を考えてみてはいかがでしょうか?