自動車保険
更新日:2023.07.13 / 掲載日:2020.06.09
輸入車の故障に保険は適用できる?故障運搬時車両損害特約って何?

グーネット編集チーム
輸入車は特性上、車が故障した際には修理費用などが高くなりやすい傾向にあります。そのため、車が故障した場合の対策として、車の故障を補償してくれる保険に加入したいという方も多いと思います。
しかし、輸入車といっても様々な種類があり、また故障と言っても様々な場合があるため、自分が乗っているもしくは、これから乗る車が故障した場合に保険は適用されるのかどうかも気になるところです。
ここでは、輸入車の故障に保険は適用できるのかどうかをはじめ、車の補償サービスとして注目されている、故障運搬時車両損害特約について解説します。
輸入車の故障をカバーできる保険ってあるの?
車の保険には様々な種類がありますが、その中には車両保険というものがあります。車両保険という名称から、一見すると車両保険によって車の故障に対しても補償されるとイメージする方もいらっしゃるかと思いますが、車両保険は事故などによって受けた損害を補償するものであり、車の故障は補償対象に入っていなっていないのが一般的です。
しかし、2019年に車の故障も補償される「故障運搬時車両損害特約」という特約を損保ジャパン日本興亜株式会社(以下、損保ジャパン)が新設したことにより、輸入車を含め、車の故障に対して補償される保険が誕生しました。
この特約の誕生により、車の故障に関しても補償対となる保険が誕生しましたが、自動車保険を提供する会社は多く存在するものの、このような車の故障が補償対象となる保険を提供する会社は限られているため、保険の選択肢は少ないといえるでしょう。
2019年に新設!「故障運搬時車両損害特約」とは?
損保ジャパンが2019年に新設した「故障運搬時車両損害特約」では、輸入車が故障して走行不能となった場合もカバーすることができます。
故障運搬時車両損害特約の利用条件
この特約を利用するにあたって、以下の加入条件をすべて満たしていなければいけません。
・車両保険を適用した自家用乗用車(普通・小型・軽自動車)の契約(レンタカー・教習自動車・校内専用車・改造車・並行輸入車・外務省登録車は除く)
・被保険者が個人になっていること
・ノンフリート契約であること
・契約期間の初日の月が、初度登録年月(または初度検査年月)の翌月から60ヵ月以上経過の車
このなかで特に輸入車にとって重要なのは「並行輸入車は加入不可」という点です。また、初度登録年月60ヵ月未満は、メーカーやディーラーの補償対象期間となるため加入できません。
故障運搬時車両損害特約の補償範囲
故障運搬時車両損害特約が適用される条件や範囲は以下のとおりです。
・加入自動車が故障により走行不能となりレッカーけん引された場合、協定保険価額または100万円のいずれか低い金額
・レッカーけん引された場合、レッカー・代車・宿泊・移動費用、故障車両の修理費の補償(限度額あり)
・車両保険の自己負担額(免責金)の差し引きなし
故障運搬時車両損害特約の補償を受けられないケース
故障運搬時車両損害特約に加入していても、特約が適用されない場合もあります。ここでは、補償を受けられない一般的なケースを解説します。
・レッカーけん引してもらう際、事前に損保ジャパンへ連絡をしなかった場合
・車検切れの車や法令点検未実施が原因の故障の場合
・補償内容が重複している場合(ディーラーの延長補償)
また、ノンフリート等級契約となるこの保険特約を使用した場合には、1等級ダウン事故扱いになる点を覚えておきましょう。
【注意】並行輸入車は故障保険に加入できないケースが多い
グーネット編集チーム
並行輸入車とは、正規以外の海外業者などから直接買い付けた車両のことを指します。これに対して正規輸入車とは、自動車メーカーから認定された正規販売店によって販売されている車両です。
先ほども触れたように、並行輸入車は、故障運搬時車両損害特約への加入はできません。また、この特約に限らず、通常の自動車保険も加入が難しい、もしくは保険料が高くなるケースが多いです。
したがって、故障運搬時車両損害特約や、その他の自動車保険に加入したい場合は、正規輸入車がおすすめです。
まとめ
今までの車両保険では、輸入車をはじめ、車の故障に対しては補償がされないのが一般的でした。しかし、車の故障もカバーできる「故障運搬時車両損害特約」が誕生したことにより、車の故障に対する補償もカバーできる保険が選択できるようになりました。
故障運搬時車両損害特約は、車が走行不能になったときのレッカー代や代車・宿泊費用や修理費も一部補償してくれます。ただし、加入するには条件があり、保証範囲や適用条件も決められていますので、内容をきちんと把握しておくことが重要です。
並行輸入車の場合は、故障運搬時車両損害特約だけでなく、他の自動車保険の加入が難しくなる場合もあります。「輸入車が好きだけど故障が心配……」という方は、正規輸入車を選び、故障運搬時車両損害特約の加入を検討してみてはいかがでしょうか?
