自動車にかかる税金
更新日:2020.01.08 / 掲載日:2019.10.25
車の税金が分割払いできるケースとその方法

グーネット編集チーム
納税通知書が手元に届いてから支払いに行かなければいけない自動車税。
コンビニの窓口や金融機関でも受け付けていますが、ボーナス前だったり、思ったより高額だったりと、すぐに支払えないケースもあります。
自動車税の分割払いは可能なのでしょうか?
自動車税は分割払いができる
自動車税の納税通知書はだいたい5月頃に手元に届きます。
長年自動車に乗っている人ならば、この時期に納税通知書が届くことを知っていると思いますが、経済的な理由から支払い困難に陥る人もいるでしょう。
実際にここ数年の自動車税滞納者は増加傾向にあるという数値も出ています。
一年分を一括で支払うという特性上、自動車税は高額な金額を支払わなければなりませんが、支払うことが困難な場合は分割で納付することも可能です。
自動車税の納税通知書が手元に届いたら、最寄の県税事務所へ連絡し、どのような支払い方法ならば納税できるか担当者に伝えて分割納付の手続きをしてもらいます。
後日郵送にて分割納付の振り込み用紙が届きますので、その期限通りに支払いましょう。
自動車税の分割払いができないケース
自動車税を分割で支払う明確な理由がない
県税事務所へ分割払いの相談をする際には、明確な理由を示さなければなりません。
失業や求職中による無収入の状態、あるいは育児出産、病気療養中で出費を抑えてやり繰りしたい状況など、自動車税の分割払い申請時には理由を伝えましょう。そして、分割でなら納付できるという旨を説明します。
しかし、納税期限が迫っていたり、一括納付できない理由をはっきりと説明できなかったりする場合、分割での支払いを断られるケースもあるので注意が必要です。
軽自動車税の支払いの場合
自動車税は車種によって金額が異なりますが、一般的に乗られている車種で数万円の金額になっているため、自動車税は分割払いに対応しています。
軽自動車税の場合はいずれの車種でも金額が1万円以下で、一括支払いができるという金額として判断されるため、基本的には分割払いには対応していません。また、軽自動車税に関しては市区町村が対応しているということも、分割払いが難しい要因となっています。
クレジットカードで自動車税を分割払いする方法
いくつかの自治体ではクレジットカードで自動車税を納付する方法を始めています。
例えば東京都、大阪府、三重県では各自治体のウェブサイト上で支払い手続きをすることにより
クレジットカード決済で直接納付することが可能です。青森県、宮城県、山形県、新潟県、岐阜県、奈良県、和歌山県、鳥取県、香川県、福岡県、佐賀県、宮崎県、鹿児島県、沖縄県などでも実施を始めています。
これは「引き落とし」とは違い、あくまでも直接クレジットカードで支払えるというだけものです。クレジットカード決済ができるのは自宅パソコン、スマートフォン、携帯電話からで、自治体の税事務所、金融機関、コンビニ窓口などではクレジット決済はできません。
手軽で便利な一面もある分、自動車税納税証明書の発行が2週間以上かかってしまうことがあるので、車検の時期と合わせてご注意下さい。また、自治体によってはまだ実施に至らないところもあるので、最寄の自治体がクレジットカード決済を実施しているか確認しましょう。
自動車税を分割で支払う場合の注意点
自動車税を完納しないと車検が通すことができない
分割納付する場合、完納して「自動車税納税証明書」を取得しないと車検が受けられないので
分納の時期などに注意して下さい。
自動車税を分割で支払うと原則的に延滞金が発生する
自動車税を納付期限までに納付できなかった場合、延滞金が発生することになります。
分割払いに場合には納付期限をまたいで支払いをするため、分割払いにも基本的に延滞金が発生します。
延滞金の利率は、延滞日数が1ヶ月目(6月1日~30日の30日間)までは2.6%、1ヶ月を超えると8.9%となっています。しかし、1,000円未満の延滞金に関しては切り捨て扱いになるため、支払いの義務を負いません。
そのため、自動車税の分割払いのケースでも数ヶ月の範囲内であれば、延滞金1,000円未満となり免除されることも多いです。
延滞金については、自治体によって対応の異なる場合もあるので、分割払い申請時に延滞金が発生するのかどうかも確認しておきましょう。
自動車税の延滞金の計算方法と計算例

グーネット編集チーム
延滞金の計算は利率が2種類あって複雑に見えますが、コツを覚えれば容易く計算できます。あらかじめ自分で計算できると資金計画が立てやすいでしょう。
以下に自動車税の延滞金の計算方法と具体的な例をご紹介します。
自動車税の延滞金の計算式
2019年度(令和元年度)の自動車税の延滞金の年率は、1ヶ月目(6月1日~30日の30日間)までは2.6%、それ以降は8.9%です。自動車税の納付期限が5月31日ですので、翌6月1日から6月30日までは年利2.6%が加算され、それ以降は8.9%が加算されることになります。
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なお、延滞金率は年率ですので1年(365日)で割ることで実際の遅延金がわかります。
計算式は以下となります。
・自動車税の延滞金の基本計算式
延滞金=自動車税額×延滞日数×延滞金率÷365日
・6月30日までの自動車税の延滞金の計算式
延滞金=自動車税額×延滞日数×2.6%÷365日
・7月1日以降の自動車税の延滞金の計算式
延滞金=自動車税額×延滞日数×8.9%÷365日
自動車税の延滞金の計算例
1800ccクラスの乗用車を例にして、自動車税の延滞金の計算例をご紹介します。
1800ccクラスの乗用車の場合、自動車税は39,500円ですが、自動車税の延滞金では1,000円未満は切り捨てとなりますので、39,000円で計算することになります。
39,500円の自動車税に対して、1ヶ月目(6月1日~30日の30日間)の延滞金の計算式は、
39,000×30×2.6%÷365=83(小数点以下切り捨て)
83円となるので事実上延滞金は発生しないことになります。
次の式は2ヶ月目(7月1日~31日の31日間)についての延滞金の計算です。
39,000×31×8.9%÷365=294(小数点以下切り捨て)
294円となります。
なお、この金額は7月1日から31日までの延滞金ですので、6月1日から30日までの延滞金83円をプラスした金額が実際の延滞金となります。
294+83=377
2ヶ月目(7月31日)時点での延滞金は377円となります。
しかし、1,000円未満は切り捨てとなりますので、まだ支払いの義務は発生しません。
では、5ヶ月目について計算してみましょう。
5ヶ月目は10月31日ですので、納期限の5月31日から数えると153日目、延滞率8.9%になってから123日目ということになります。
39,000×123×8.9%÷365=1,169(小数点以下切り捨て)
これに最初の1ヶ月目(6月1日~30日の30日間)の延滞金83円をプラスします。
1,169+83=1,252
合計金額は1,252円となります。1,000円を超えてしまうので延滞金を支払わなければなりません。ただし、100円以下は切り捨てとなり、支払う延滞金は1,200円です。
1800ccクラスの乗用車の自動車税は、5ヶ月を超える分割払いでは延滞金が発生してしまいます。このような計算式からひも解くと、どのくらいの回数で支払えばよいかわかってきます。
まとめ
自動車税は、やむを得ない理由があれば分割での納付が可能です。さらに、一部自治体においてはクレジットカードでの分割払いも受け付けています。
便利な反面、窓口が限られていたり、納税証明書の交付が遅れたりして車検に間に合わないなどのデメリットもあります。また、分割払いも長くなると、延滞金を支払わなければなりません。
さまざまな面を考慮すると、自動車税の納付は一括ですみやかに行った方がよいでしょう。
どうしても難しそうな状況なら、早い段階で県税事務所に相談することをおすすめします。