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更新日:2022.10.03 / 掲載日:2022.08.15

新型ホンダシビック タイプR 2022年デビュー前解説!

正式デビューが待ち望まれていた新型シビックタイプRが、
ついにワールドプレミア。
詳細スペックが未公表なのは残念だが、
内外装の意匠や装備を見る限り、
相当な人気を集めるのは間違いない。
ここでは現時点で判明している情報をまとめてみるぞ。

●文:川島茂夫 ●写真:奥隅圭之

待望のワールドプレミア! HONDA新型シビックTYPE R

2ℓターボ+最先端空力ボディをひっさげて2022年9月に国内デビュー!

最新タイプRは
硬派一辺倒にあらず

 タイプRのコンセプトの基礎は「サーキットマシン」だと言っていい。ラップタイムの短縮こそ最大の目標であり、ファントゥドライブの演出などタイム短縮に邪魔な要素を徹底的に排除。普段使いするための装備は採用するものの、あくまでもその本質はロードゴーイング・レーシングカーなのが本来の立ち位置なのだ。
 タイプRの系譜としては12代目、シビックタイプRとしては7代目となる新型も、速さに対する考え方は変わっていない。ただし、ラップ短縮だけにこだわるのではなく、別方向の高性能の魅力を付加していることが特徴だ。
 ホンダは先代シビックタイプRを「タイプR第2世代」と位置付けている。第1世代との違いは公道走行における快適性への配慮。具体的には電子制御ダンパーを採用し、減衰力制御はノーマル/スポーツ/+Rの3モードを用意。これは当然、新型にも採用されている。加速や回頭、サスストローク速度のセンサーから車体(バネ上)挙動を検出し、最適な挙動と接地バランスになるように各輪の減衰力を個別に細密制御を行うことで、限界コントロール性と乗り心地のよさをバランスさせる。
 新型がどのような特性になるかは試乗しなければ分からないが、先代のコンセプトを踏襲するならば、「ノーマル」が一昔前にホンダが展開していたユーロR相当のスーパーツアラーモード、「スポーツ」がタイプR気分を楽しむ公道モード、「+R」はサーキットのタイムアタックモードとという感じになるはずだ。なお新型の開発者に話を聞いたところ、ベタッと路面に貼り付くような接地と緩みないコントロール性こそタイプRの本質であり、「+R」における操縦性とグリップ特性は相当こだわっているという。
徹底的に煮詰めた
空力性能に期待大

 新型のスタイリングは、より一体感を強く意識したという。先代は基準となるボディにオーバーフェンダーなどの追加パーツを装着することで、空力性能向上やワイドトレッドに対応していた。カスタマイズ感というべきか、いかにもチューニングカーらしい佇まいだったが、今回公開された新型は、フェンダーやリヤドアなどは外板プレスから変更。フロントマスクも先代より大人しめで、ボンネットやフェンダーのエアアウトレットといった、実効空力重視のデザインで、先代よりも控え目に映る。
 ただし、フロント周りの空力向上は相当高いレベルに仕上げているそうで、リヤウイングも厚翼型断面で見るからに大きなダウンフォースを生みだす仕様。翼端に強い下反角を付けているのは、最新の旅客機が採用するウイングレットと同様の効果を狙ったものという。ちなみにウイングのマウントステーはアルミダイキャスト製だ。
 本気の空力といった感じのリヤディフューザーの中央部のテールパイプは先代同様に3本出し。ただし、先代は左右が大径だが、新型は中央が大径。その詳細は非公表だが、先代同様に効率と排気音の演出が主目的と予想できる。
 インテリアはシート中央部に赤を配し、形も色味も一目でタイプRと分かる仕立て。スタイリングが控え目になったせいか、インテリアの派手さがより鮮烈な印象だ。走行モード対応の専用メーター表示も採用するが中央ディスプレイの主なレイアウトは標準車と共通。つまり、街乗りにも使いやすい仕様だ。
 パワートレーン関連の構造や詳細、スペックは未発表だが、ターボの効率アップやフライホイールの軽量化などの改良が加えられ、空吹かしレスポンスやレブマッチングシステムの改良が図られる。また、先代比でパワーウェイトレシオが若干低下していることから、パワースペックは先代同等と予想される。
 なお、先代は英国生産だったが、英国工場閉鎖により新型は日本生産となる。販売や装備選択の自由度が高まる可能性もある。もしそうなればスーパーツアラーとして検討しているユーザーにとっては、有利に作用しそうだ。

フロア奥からスリットが刻まれるリヤディフューザーは、空力最優先の思想から生まれたパーツ。中央部には3本出しのエンドパイプが配置される。
アルミホイールはマットブラック塗装の19インチ。タイヤはフロント/リヤともミシュラン・パイロットスポーツ4Sの265/30ZR19を装着。
リヤウイングは、翼端部にダウンフォース向上を狙った独自構造を加えるなど、最新の空力設計が注がれるリアルチューンドパーツ。
エンジンルームに納まる2ℓ直4ターボエンジンの詳細スペックは公開されていないが、先代タイプRと同等レベル(320PS/40.8㎏・m)の性能は期待できるだろう。
多彩なインターフェース表現が可能なフルカラー液晶メーターを採用。写真は限界走行を狙う+Rモード時のメーターグラフィックになる。
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内外出版/月刊自家用車

ライタープロフィール

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オーナードライバーに密着したクルマとクルマ社会の話題を満載した自動車専門誌として1959年1月に創刊。創刊当時の編集方針である、ユーザー密着型の自動車バイヤーズガイドという立ち位置を変えず現在も刊行を続けている。毎月デビューする数多くの新車を豊富なページ数で紹介し、充実した値引き情報とともに購入指南を行うのも月刊自家用車ならではだ。

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