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更新日:2022.10.04 / 掲載日:2022.09.15

【スバル新型クロストレック】スバルXVがフルモデルチェンジ。名称は世界統一に

文●大音安弘 写真●ユニット・コンパス
 スバルの新型SUV「クロストレック」が世界発公開された。ただ新型車ではあるが、実はフルモデルチェンジモデルでもあるのだ。スバルファンだけでなく、多くの人が良く知るスバルの顔、スバルXVの最新世代なのだ。実は、スバルXVの海外名が「クロストレック」であり、新型モデルより名称が世界で統一されることになったのである。もちろん、中身は全面刷新を受けているので、大いに期待して良いだろう。それでは、早速、新型車の詳細を見ていきたい。

クーペSUV的なルックスとなった

スバル クロストレック

 エクステリアは、歴代モデル同様に、5ドアハッチバックをベースに、最低地上高を拡大し、車両周囲にプロテクションモールを配置したクロスオーバー仕立て。足元のタイヤは、17インチか18インチが装備される。デザインの特徴を見ていくと、フロントマスクは、大型のヘキサゴングリルを挟み込むように、コンパクト化されたフルLEDヘッドライトを配置。顔つきがより立体的な造形となり、力強さを増している。バンパーを飾るプロテクションモールにも、コの字デザインが持ち入れられ、ワイドなスタンスを強調。さらにフォグランプも、大径化された丸目ランプとなり、SUVらしい雰囲気を高めている。サイドビューは、機敏な走りを想起させる前傾姿勢に仕上げ、ルーフラインとガラスエリアが、クーペライクに後方になだらかな傾斜を描いている。歴代モデルでも、最もスポーティなシルエットと言って良いだろう。もちろん、積載性を高めるアイテムとなるルーフレールは、直線を維持するべく、サイドの高さを調整されているので、機能性には影響はない。リヤスタイルは、最新スバル同様に、薄型のコの字デザインのテールランプを採用。シャープなデザインは、レヴォーグとも印象が似ている。リヤバンパーのプロテクションモールは、現行型と異なり、全部がブラックされたことで、ラギッドな印象を強め、スポーティかつアクティブな雰囲気を与えている。ボディサイズを現行型と比較すると、全長が-5mm、全幅が同様、全高が-15mm(ルーフレール装着車)と、実は少しだけ小ぶりとなっているが、ホイールベースは同等なので、運転感覚は同等といって良いだろう。

使い勝手と居心地の良さを重視したインテリア

スバル クロストレック

 インテリアは、使い勝手の良さと居心地の良さを重視してデザインされており、先進機能も強化。最新スバル車に採用される縦型大画面の11.6インチタッチスクリーンのインフォメーションシステムを採用。このため、レヴォーグともダッシュボードの雰囲気は似ているが、センターコンソール周りのデザインはボディサイズに合わせて専用化されている。視認性に優れるメーターパネルは、アナログ2眼式の中央にカラー液晶のインフォテインメントモニターが装備されたもの。シンプルイズベストで使いやすそうだ。シートは、仙骨を押さえて骨盤を支えるシート構造を採用することで疲れにくく快適で、運転のし易いシート構造になっているという。グレードにより表皮が異なり、上級仕様ではファブリック。標準車にはトリコットが使われる。もちろん、従来型同様に、レザーシート仕様も用意される。SUVとしての使い勝手も重視しており、ステップがわりとなるサイドシルプレートとリヤゲート開口部に保護樹脂を装備。その樹脂パーツの表面には、アウトドアシーンを想起させるイラストがプリントされ、アクティブなクロストレックのキャラクターを反映している。

メカニズムはスバルの最先端レベルにアップデート

スバル クロストレック

 メカニズムについては、プラットフォームを現行型のSGPの進化系である「SGP×フルインナーフレーム構造」へのアップデートや構造用接着剤の適用拡大、サスペンション取付部の剛性向上などが図られているというから、その走りにも期待が膨らむ。パワートレインは、2.0L水平対向4気筒エンジンと電気モーターを組み合わせた「e-BOXER(イーボクサー)」に一本化。トランスミッションには、リニアトロニックを組み合わせる。快適面では、従来型と比べ、振動や騒音を低減させる改良が施されているという。但し、現時点では、詳細のスペックは非公表だ。もちろん、SUVとしての走りも磨かれており、従来型同等の最低地上高200mmと悪路走破をサポートする「X-mode」も継承される。大きな変化として、X-mode切替は、タッチスクリーン上で操作となったことが判明している。またインフォメーションシステムでは、スマートフォンとの連携機能も備わるので、地図アプリや音楽配信アプリもお気に入りのものを車内で利用することができる。

アイサイトは認識範囲を大幅に拡大した最新タイプを採用

スバル クロストレック

 もちろん、アイサイトに代表されるスバルの先進安全運転支援機能も大きく進化。ドライバーと共に前方を注視するアイサイトのセンシング機能では、新型ステレオカメラと単眼カメラを組み合わせた新たな画像センシングシステムを搭載。新ステレオカメラは、なんと画角を従来型の約2倍まで拡大。画像認識と制御ソフトの改良も加わり、より広い範囲まで認識が可能とした。またこれまでステレオカメラと異なり、密閉構造となるガラス取付型に変更することで、清掃時などのレンズへの接触などを予防できるようになっている。注目は、新設された単眼カメラだ。その役割は、低速走行時に、新型ステレオカメラよりも広角をカバーすることで、二輪や歩行者の検知を強化することにある。ヒヤリハットの多い日常走行のサポート力を高めることを含め、アイサイト最高の性能を実現しているという。

まとめ

スバル クロストレック

 スバルXVからクロストレックに名称を変更しても、コンパクトハッチバックの取り回しの良さとSUVの機能性は、しっかりと受け継ぐ。何にもよりワイルド&スポーティなスタイルは、クロスオーバーモデルとしての魅力を高める良きアクセントとなっている。もちろん、車両剛性や運動性の向上も期待できるので、歴代モデル同様に、街中でも扱いやすいSUVとして大いに活躍してくれるはず。新たな遊びの相棒としても期待できる。後は、詳細な仕様と価格の公表が待ち遠しいばかりだ。

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大音安弘(おおと やすひろ)

ライタープロフィール

大音安弘(おおと やすひろ)

1980年生まれ。埼玉県出身。クルマ好きが高じて、エンジニアから自動車雑誌編集者に転身。現在はフリーランスの自動車ライターとして、自動車雑誌やWEBを中心に執筆を行う。歴代の愛車は全てMT車という大のMT好き。

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1980年生まれ。埼玉県出身。クルマ好きが高じて、エンジニアから自動車雑誌編集者に転身。現在はフリーランスの自動車ライターとして、自動車雑誌やWEBを中心に執筆を行う。歴代の愛車は全てMT車という大のMT好き。

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