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更新日:2022.12.04 / 掲載日:2022.12.04

新型プリウス登場 キャビン&ラゲッジに見るトヨタ車の進化の現在地

「プリウスの使命は終わった」なんて声もあったが、
そんな言葉はまったくの杞憂。
ワールドプレミアで披露された新型プリウスを紐解いていくと、
燃費プラスαの魅力が詰まっていることがすぐに分かる。
ハイブリッドの伝道師はまだまだ必要であることを実感できるのだ。

●文:川島 茂夫 ●写真:奥隅 圭之

新型プリウス キャビン&ラゲッジ

見た目以上に
解放的なキャビン
 プリウスのキャビンを実用的と評するのは、あくまでも低空気抵抗を考慮したモデルであることが前提。同じサイズの2BOXやワゴンと比較すれば居住性と積載性は劣っている。さらに新型は全高が40㎜も低くなっているだけに、期待するのは酷と思っていた。
 だが実車に乗り込んでみると予想外に広く感じられる。少なくとも従来型と同等レベルにはある。
 後席居住性で重視されるヘッドルームまわりのゆとりは、低まった座面高のおかげもあって、大柄な男性でも不足はない。天井の圧迫感こそやや強めだが、側方視界は十分に確保されているので閉鎖感は少ない。座面高を下げているので、脚は多少前に投げ出すような着座姿勢になるが、レッグスペースや爪先スペースの不足もなく、寛げる姿勢も採れる。大人の4名乗車でのロングドライブでも不足はないだろう。
 前席も居心地は悪くない。個性的な側面形状を採用しているが、視界は意外と馴染みやすい。7インチディスプレイのメーターや12.3インチ/8インチディスプレイのディスプレイオーディオを置くように配置するが、インパネに緩やかな傾斜を付けたことで圧迫感は少ない。アイランドアーキテクチャーと称するものだが、シンプルで機能的なデザインが近未来的に思える。
 安心とドライバーの快適に影響が大きい安全&運転支援は単眼カメラ/ミリ波レーダー併用型の最新のトヨタセーフティセンスを全車に標準装着。トヨタチームメイトの目玉機能にもなっているスマホによるリモコン機能も備えたアドバンストパークも設定される。
 また、すでに他のハイブリッド車で採用されているが、AC100V/1500Wの給電システムも設定。センターコンソール後部と荷室左側の2箇所にアクセサリーコンセントが備わる。給電モードはバッテリーの蓄電電力のみのEV給電モードと蓄電量が規定値以下になると自動的にエンジン発電するHEV給電モードの選択が可能。ドアと窓を締めたまま外部給電可能なアタッチメントも用意。PHEV車はヴィークルパワーコネクターも設定されている。
 全体をみるとプリウス独自という先進的という機能は少ないが、そう感じるのはキャビン周りの機能性や使い勝手がトヨタ車全体で進化していることが大きい。備わる機能の大半は他モデルから水平展開されており、最新モデルにふさわしい内容は押さえている。特段、上質さを感じるわけではないが、実用車として十分すぎる内容が注がれているといえよう。

インパネ中央に大型ディスプレイを配置する、最近のトヨタ車に共通するレイアウトだが、ステアリング奥のメインメーターもカラーモニターとするなど、新機軸の試みがなされている。
単眼カメラ+ミリ波レーダーを用いた最新のトヨタセーフティセンスが搭載される模様。現行ノア&ヴォクシーで導入されたプロアクティブドライビングアシストなどにも対応しているはずだ。
最近のトヨタ上級モデルに採用が進む、12.3インチモニターのディスプレイオーディオを採用。ナビマップを全画面に表示可能だ。
シフトレバーは最新のエレクトロシフトマチックを採用。その近くにドライブモードセレクターやパーキングスイッチが配置される。
ステアリングは本革巻きタイプも用意。左側にディスプレイオーディオの操作スイッチ、右側に運転支援機能の操作スイッチが配置される。
限界まで開口部を広げることで圧倒的な解放感を実現した新設計のパノラマムーンルーフは、乗員快適性を高める装備のひとつ。
リヤドアの後端に隠される開閉機構は、ボタンを押すとロックが外れる電子スイッチ式を採用。
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内外出版/月刊自家用車

ライタープロフィール

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オーナードライバーに密着したクルマとクルマ社会の話題を満載した自動車専門誌として1959年1月に創刊。創刊当時の編集方針である、ユーザー密着型の自動車バイヤーズガイドという立ち位置を変えず現在も刊行を続けている。毎月デビューする数多くの新車を豊富なページ数で紹介し、充実した値引き情報とともに購入指南を行うのも月刊自家用車ならではだ。

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