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更新日:2023.07.07 / 掲載日:2023.07.07

新型レクサスGX 日本導入なるか!? プラド級プレミアムオフローダー爆誕!

もうすぐ出る注目NEW先取りチェック

プレミアムSUVは、今、世界でもっとも盛り上がっているジャンル。主に北米市場で好評を得てきたレクサスGXは、3代目となる新型で日本市場への導入も噂されている。命がけの冒険旅行も辞さない、本物の走破性が武器の高級車だ。

●文:横田晃

【新型は国内導入の可能性大!】最上の道具を目指したプレミアムオフローダー

LEXUS GX

本物のツールを求めるセレブの期待に応える
 レクサスブランドに本格オフローダーのLXが登場したのは、1996年のこと。当時のランドクルーザー80系をベースとしたそれは、トヨタブランド時代から抜きんでた信頼性や走破性で大いに注目を集め、中東の王族らに愛用されて、たちまち砂漠の高級車としての地位を手に入れた。

 今回発表されたGXは、LXに続く本格オフローダーとして初代が2002年に登場したモデル。今回発表された新型は2009年以来、14年ぶりのフルモデルチェンジを遂げた3代目になる。

 LXとの違いをざっくりと言えば、ランドクルーザーがベースとなるLXに対して、GXはランドクルーザープラドがベース。もっとかみ砕くと、道を選ばない高級車の頂点に君臨するLXに対して、走破性という機能性能を極めた高級車がGXということになる。

 そもそも高級オフローダーというカテゴリーが市場で確立されたのは、さほど昔のことではない。バブル時代の日本ではメルセデスベンツGクラスがそのように見られていたが、当時のGクラスはメルセデスブランドのもうひとつの顔であるトラックやバスに近い、実直な実用4WD車だった。

 歴史的に見れば、1970年に初代が誕生し、ロイヤルワラント、つまり王室御用達のお墨付きを得ていた英国のレンジローバーが、高級オフローダーの先駆者と言えるのかもしれない。

 LBXの項で述べたように、保守的な海外の自動車メーカーでは、セダンやクーペ、トラックやバスといった定番の車型を外れた商品企画は意外となかった。4WDの走破性を命とするオフローダーも、戦場や土木工事などの、それが切実に求められる現場のために存在するのであり、タフな4WD車でありながらセレブの眼鏡に叶う高級車という商品企画は、異端だったのだ。

 そこへレクサスが、横置きエンジンのFF乗用車ベースでフレームを持たない、オンロードSUVのRXで革命を起こし、高級クロスオーバーSUVはたちまち市場のメインストリームになった。

 その一方で、本物を求めるセレブ層に支持されて、レクサスのもうひとつのシンボルになったのがLX。ただし、2022年秋に4代目が発表されたLXは、世界に誇る比類なき走破性を備えてはいるものの、キャラクターとしてはもはや大貫禄のVIPカーだ。

 そこで、よりオフローダーらしくコテンパンに使いたいユーザー、たとえばパリダカのような冒険旅行に挑むための相棒として企画されたのが、GXということになる。

都会が似合うフラッグシップのLXに対して、泥まみれで使い倒すキャラクターを前面に出しているのがGX。貴族の遊びに起源を持つ、キャメルトロフィーやパリダカなどの冒険ラリーレイドにもふさわしそうなモデルだ。

GX "OVERTRAIL"(プロトタイプ)

GX(プロトタイプ)

●主要諸元(新型 GX プロトタイプ) 全長:4950㎜ 全幅:1980㎜ 全高:1870㎜ ホイールベース:2850㎜ パワートレーン:3.5ℓ V6ツインターボ[フルタイム4WD] 2.4ℓ 直4ターボハイブリッドシステム[フルタイム4WD] ホイールサイズ:18/20/22インチ
デザインキーワードはハイエンドプロフェッショナル。立てたピラーや高いエンジンフードなど、機能に根差したフォルムが、あらゆる環境を耐え抜く本物であることを主張する。ボディカラーは全7色を用意している。
車幅一杯の一文字リヤコンビネーションランプは、レクサスの新たなアイコン。高い位置に配置されているのは、林間や見通しの悪い場所での隊列走行中に、周囲に自車の存在を知らせるためだ。
アンジュレーションの激しいオフロード走行に備えながら、大きな開口部を持つムーンルーフを設定。フレームとその上に載るボディがいかに高い剛性を実現しているかを物語る装備でもある。

底知れぬ実力を秘めた荒野のスーパーカー
 当然ながら、本格オフローダーのレクサスGXは、オフロードでもびくともしない頑丈なラダーフレームの上にボディを載せた、伝統的なタフギアの構造を持つ。

 フレームは先代では専用だったが、新型はLXと同じ新GA-Fプラットフォーム。ホイールベースもLXと同じ2850㎜となる。前がダブルウイッシュボーン、後が4リンクリジッドのサスペンションもLXと同形式だ。

 縦置きエンジンのFRをベースとしたフルタイム4WDシステムもLXと共通。3.5ℓのV6+10速ATのパワートレーンもLX譲りだが、GXにはレクサスのフレーム付きオフローダー初となる、直4の2.4ℓ+モーターのハイブリッド車も設定される。

 スタビライザーを路面状況に応じて電子制御し、追従性を高めるE-KDSSをレクサス初採用するなど、圧倒的なオフロード性能を備えながら、新採用の電動パワステの制御で、オンロードでもレクサスドライビングシグネチャーを実感できる心地よい走りも追求しているのが最新モデルらしさ。

 素人には到底引き出すことのできない底知れぬ実力は、ロマンチックな冒険旅行を夢見させてくれるという感性の性能でもある。

本格オフローダーにふさわしいディメンションを追求して、フロントオーバーハングは先代比20㎜削減。アプローチアングルが5度増加するなど、過酷な路面を走破するために十分な3アングルを実現。

機能に裏打ちされた生き残るためのデザイン
 新型で走行メカニズム面ではLXとほとんど同じ内容となったGXだが、内外装のデザインのそこここに、キャラクターの違いはしっかりと表現されている。

 筋肉質の豊かな張りのある面で構成されたLXより直線基調で角ばった、従ってボディ四隅の見切りのいいエクステリアは、車幅一杯の狭い極悪路を注意深くクリアするための必須要件。VIPを乗せたLXなら、「ここは危ないから引き返しましょう」となるような場所でも、突き進むことができるのがGXなのだ。

 もちろんインテリアのデザインも、そうしたシーンで必要となる機能に裏打ちされている。

 インパネがメーターカウル上面までまっ平な水平基調なのは、傾斜地の走行中に車両の傾きをドライバーが正確に知るため。センターコンソールのカップホルダーにシャッターが備わるのさえ、中に置いた小物を車内にぶちまけないために必要な機能だ。

 レクサス初の14インチ大型センターディスプレイを備えながら、LXのようにインパネ上面に突き出さないようデザインしているのも、ミリ単位の車両コントロールを求められる極限状況でドライバーの視界を妨げない工夫だ。

 多くの機能をディスプレイ内のタッチ操作で操れる一方で、使用頻度の高い空調やオーディオなどは独立した物理的なスイッチとしているのも、手に汗握る状況での直感的な操作性を考えた結果だ。

 レクサスGXのオーナーは、たとえ街中しか走らなくても、同乗者にそうした極限のオフロード走行に備えた装備品の機能やデザインの意味を語ることができる。GXが身にまとうそうしたストーリーは、高級車の世界観を構成する大切なパーツでもある。

 もちろん、レクサスというブランドに共通する特徴である圧倒的なクオリティは、究極の実用車であるGXにも貫かれている。

 センターディスプレイはメーターからつながる造形で合成皮革で縁取られる。インパネに広がり感を添える金属調加飾やシートの造り込み、荒れた路面で暴れる車内で自然に身体を支えられるニーパッドまで、精緻な造りと機能を両立させて、オーナーの持つ喜びをくすぐってくれるだろう。

 その一方で、ランドクルーザープラド譲りの実用性の高さもGXには受け継がれる。シート配置は2列と3列を設定した上に、3列シート車の2列目はベンチシートとキャプテンシートが選べる。3列目は左右独立した電動床下格納付き。広大な荷室もまた、語るべきストーリーのひとつに違いない。

前方視界を遮らないようにデザインされたセンターモニターは、14インチの大型。ほとんどの機能をタッチ操作できるが、使用頻度の高い空調とオーディオは物理的なスイッチを設定。
センターコンソールには、ドライバー側に走行系や駆動系のスイッチを機能別に配置。カップホルダーはスライドリッド付きで、激しいオフロード走行への備えと使い勝手を両立。
メーターパネルには、傾斜などの車両姿勢や速度などのほか、レーダークルーズコントロールやレーンディパーチャーアラートなどの運転支援システムの作動状況なども表示する。
バックドアはガラスハッチのみの開閉も可能。狭い場所でも開閉できるし、衣類などの小物を気軽に出し入れするにも便利。このクルマが優れた実用車でもあることを物語るディテールだ。
最先端の予防安全技術、レクサスセーフティシステムプラスを搭載。車線内走行をアシストするレーントレーシングアシストには、ドライバーが意識を失うと、安全に車線内に停車する機能もある。
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内外出版/月刊自家用車

ライタープロフィール

内外出版/月刊自家用車

オーナードライバーに密着したクルマとクルマ社会の話題を満載した自動車専門誌として1959年1月に創刊。創刊当時の編集方針である、ユーザー密着型の自動車バイヤーズガイドという立ち位置を変えず現在も刊行を続けている。毎月デビューする数多くの新車を豊富なページ数で紹介し、充実した値引き情報とともに購入指南を行うのも月刊自家用車ならではだ。

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