車種別・最新情報
更新日:2023.12.06 / 掲載日:2023.10.31

プリウスから水素燃料時代の先取りまで《国産EV&PHEV大図鑑》トヨタ編

《ブランド別》国産EV&PHEV大図鑑全紹介

充電してモーターで走ることを基本とするプラグインハイブリッド車(PHEV)や電気自動車(EV)は、今や軽自動車のサクラ/eKクロスEVから新型センチュリーまで多様なモデルが揃う。注目ジャンルの国産PHEVとEV(商用車を除く)を一挙に紹介しよう!

●文:川島茂夫

★走行距離はWLTCモードの値。充電規格/V2Hへの適合にはオプションの充電ケーブル等の使用を含む。

TOYOTA

 BEVも今後車種を増やすと発表されたが、現在はリース販売のbZ4Xのみ。また、水素燃料時代にも対応してFCEVのミライを展開するなど全方位型の次世代エネルギー車開発を行っているものの、トヨタの電動戦略の主軸はHEVと電動領域の拡大を図ったPHEV。特にPHEVのラインナップの充実は実用性と電動化の現実を的確に捉えている。

プリウス Z

●発表年月(最新改良):’23年3月(未実施)
●価格:460万円

【PHEV】等価EVレンジ:87㎞
【充電規格】普通(~200V)
【V2H】×

世界トップレベルの実力派HEVをバッテリー強化等でプラグイン化
 プリウスはトヨタHEV戦略のリーダーカー。3代目からPHEVをラインナップし、HEVとの2本立ては現行型まで続いている。現行型のシステム構成は2ℓのHEVモデルをベースに駆動モーターの強化とバッテリー容量の増加により純電動走行の距離及び動力性能を向上。搭載エンジンのパワースペックはHEV仕様と異なるが、端数レベルの差である。PHEVにはE-Four仕様は設定されず、FFのみの設定。また、現状の充電インフラを考慮して急速充電には非対応とされている。HEV走行モードでの燃費性能がPHEV最高レベルなのも見どころだ。

電池の搭載量を増やし、駆動はFFに限定。充電/給電口はボディ右側後方に配置する。
トヨタはV2H機器を使わない非常時給電システムを展開。トヨタホームが住宅側設備を用意。

RAV4 Z

●発表年月(最新改良):’20年6月(’22年10月)
●価格:563万3000円
※外観写真は2021年モデル

【PHEV】等価EVレンジ:95㎞
【充電規格】普通(~200V)
【V2H】×

RAV4本来のSUVとしての実力をそのままに電動強化
 現行型が登場した2年後の2020年にPHEV仕様(RAV4 PHV)を追加。トヨタとしてはプリウスPHVに次いでのラインナップとなった。PHEV化はプリウスと同じ手法を用いているが、注目は電動後輪駆動を用いたE-Fourの採用だ。後輪駆動ユニットはHEVのE-Fourと共通スペックだが、SUVベースのPHEVではなく、PHEV採用のSUVとしたところがRAV4らしく、悪路走行向け駆動制御モードも採用される。満充電時EV航続距離は95㎞だが、急速充電には非対応である。

最新の改良で前後方録画機能付きのデジタルルームミラーが標準装備となった。

ハリアー Z(PHEV)

●発表年月(最新改良):’22年9月(未実施)
●価格:620万円

【PHEV】等価EVレンジ:93㎞
【充電規格】普通(~200V)
【V2H】×

基本コンポーネントはRAV4と共通、こちらは都会派ワゴンの趣きだ
 外観の印象は大きく異なるが、基本走行ハードウェアをRAV4と共用。特に現行型は最低地上高などスペック面においてもその差が減少している。PHEVシステムは細かなスペックも含めてRAV4と共通している。4WD制御に悪路走行モードが設定されず、満充電時EV走行航続距離がごくわずかに低下しているが、性能も同等と考えていい。上級ワゴン的な趣きを好むオンロード派のためのSUVというのがハリアーのキャラだが、そういったRAV4との棲み分けはPHEVでも変わっていない。

PHEVはコネクティッドナビ対応の12.3インチ・ディスプレイオーディオを標準装備。

センチュリー (SUVタイプ)

●発表年月(最新改良):’23年9月(未実施)
●価格:2500万円

【PHEV】等価EVレンジ:69㎞
【充電規格】普通(~200V)
【V2H】×

新コンセプトで登場したショーファーカー。セダンとの2本立てに
 トヨタPHEVの最上位にしてフラッグシップとなるモデル。センチュリーの名を冠しているがハードウェア面では同セダンとは別系統で上級クラス向けFFプラットフォームから開発されている。スプリット式ハイブリッドとE-Fourを組み合わせ、強力なモーターと大容量駆動用バッテリーによるEV走行の性能向上はトヨタPHEVのセオリーに沿ったもの。満充電EV走行航続距離は69㎞だが、2.5tを超える車重を考慮するなら非常に高く評価できる。なお、車外充電は普通充電のみ対応である。

後席のくつろぎは国産車の最高峰と言っていい。乗降時の屈んだ姿勢がやわらぐのも美点。

【サブスク専用】bZ4X

●発売年月(最新改良):’22年5月(’23年4月)
●KINTO(サブスクリクション)のみ
※情報は元記事執筆時点(2023年9月)

【EV】一充電走行距離:487〜559㎞
【充電規格】普通(~200V)/急速(チャデモ)
【V2H】○

スバルと共同開発で生まれた、遠出まで見据えたEV専用車
 車体寸法やフォルムを見ればRAV4ベースのBEVと思えるが、プラットフォームは床下に大容量バッテリーを格納するBEVに特化した専用設計となっている。前後駆動系ともにPCUまで一体化したe-Axleを採用するなど電動系もトヨタでは最新仕様となる。また、駆動方式にはFFと4WDを設定。駆動方式により航続距離及び動力性能が異なり、FF仕様に対して4WDは航続距離が3%強低下。FFは高出力型モーターを採用するが、システム出力は4WD仕様が上回る。

【FCEV】ミライ

●発表年月(最新改良):’20年12月(’22年12月)
●価格:710万6000〜860万円

【FCEV】一充填走行距離:750〜850㎞
【水素充填時間】約3分
【V2H】○

水素と空気で発電して水を排出。インフラが整えば有力な選択肢だ
 燃料電池を発電機として用いたEVがFCEV。駆動系はBEV同様に純電動になる。廃棄エネルギーの最小化と駆動アシスト用にHEV同様に駆動用バッテリーを備えている。水素を燃料とした同車の最大発電能力は128kW。駆動用モーター最高出力は134kWにもなり、高性能BEVと遜色ない動力性能を得ている。水素インフラが未整備なのがウイークポイントだが、計算値では750㎞を超える長い航続距離が特徴。パワーフィールと静粛性などの純電動の魅力と航続距離の両立も大いに魅力だ。

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内外出版/月刊自家用車

ライタープロフィール

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オーナードライバーに密着したクルマとクルマ社会の話題を満載した自動車専門誌として1959年1月に創刊。創刊当時の編集方針である、ユーザー密着型の自動車バイヤーズガイドという立ち位置を変えず現在も刊行を続けている。毎月デビューする数多くの新車を豊富なページ数で紹介し、充実した値引き情報とともに購入指南を行うのも月刊自家用車ならではだ。

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オーナードライバーに密着したクルマとクルマ社会の話題を満載した自動車専門誌として1959年1月に創刊。創刊当時の編集方針である、ユーザー密着型の自動車バイヤーズガイドという立ち位置を変えず現在も刊行を続けている。毎月デビューする数多くの新車を豊富なページ数で紹介し、充実した値引き情報とともに購入指南を行うのも月刊自家用車ならではだ。

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