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更新日:2024.01.27 / 掲載日:2024.01.27

新型スイフト詳報! 実用性と走りの進化度チェック!

実用性と便利な装備機能をさらに強化! 王道コンパクト、待望のフルモデルチェンジ!

ジャパンモビリティショー2023でも話題を集めていた新型スイフトが正式に発表された。歴代モデルが誇ってきた“実用車”としての実力は、さらにどこまで高まったのか? じっくりとご覧あれ!

●文:川島茂夫 ●写真:佐藤正巳

●主要諸元(HYBRID MZ 2WD) ●全長×全幅×全高(mm):3860×1695×1500 ●ホイールベース(mm):2450 ●車両重量(kg):950 ●パワーユニット:1197cc直3DOHC(82PS/11.0kg・m)+モーター(2.3kW/60Nm) ●トランスミッション:CVT ●WLTCモード総合燃費:24.5km/ℓ ●ブレーキ:ベンチレーテッドディスク(F)/ディスク(R) ●サスペンション:マクファーソンストラット式(F)トーションビーム式(R) ●タイヤ:185/55R16

SUZUKI 新型スイフト詳報

伝統2BOXボディに
優れた実用性能を凝縮
 スモール&コンパクトクラスは5ドアの2BOX型が中心になるが、同じようなボディタイプでも、モデルごとに目指す方向性は異なっている。1サイズ上のモデルも想定ライバルとするコンパクト寄りのモデルは、ショートワゴンと呼んでも差し支えのない大きめのボディを採用するが、スイフトは初代から実用性に重きを置いたスモール寄りのモデル。ボディタイプも全高に比べて全長とリヤオーバーハングが短い、伝統的な2BOXスタイルを採用している。荷室も含めたキャビンサイズも、少し小ぶりになっている。
 このタイプの2BOX車は、前席を優先に設計されたパーソナル用途を強めに意識したモデルも多いが、スイフトは異なる。歴代どのモデルも小さなボディながら、実用性や汎用性を高める工夫を盛り込んでいることが特徴。もちろん、新型もそんなコダワリに忠実なモデルに仕上げられている。
 新型の全長は3.8m強でホイールベースは2450mm、全幅は1695mmと、ひと昔前の言い方だと5ナンバーサイズに収めている。従来型のサイズ感を踏襲しており、登録車としては最小サイズのモデルになる。
 キャビンに乗り込んだ印象も、パッドPC型のディスプレイオーディオをインパネ上面に配するなど、インパネ周りのデザインは大きく変化したものの、キャビンの感覚や車窓からの見晴らしは、従来型とほぼ同じだ。
 スモール&コンパクトクラスSUVと比べると、居住性も荷室容量も余裕はないが、運転席からの車両感覚や乗員4名が不自由なく過ごせる居住性、小旅行程度ならば余裕を持って対応できる荷室など、限られたスペースを無駄なく使っているような、まとまりの良いパッケージングも引き継がれている。

エンジンの3気筒化で
燃費性能を貪欲に追求

 そんな軽量小型への合理的な考え方は、もとよりスイフトが得意としていた経済性と走行性能にも有利に働く。新型のエンジンは、排気量こそ従来型と同じ1.2ℓを採用しているが、気筒数を4気筒から3気筒に変更。この新設計のエンジンは、ボアストローク比を超ロングにするなど、省燃費志向を意識した最新エンジンらしい設計が施されている。さらに中級グレードのハイブリッドMXとハイブリッドMZにはスズキ車に標準化が進んでいるISGを用いたマイルドハイブリッドを搭載。そして少し興味深いのはミッション設定。新開発されたCVTが標準設定だが、中級グレードのハイブリッドMXのFF仕様には5速MTも用意。マイルドハイブリッド+MTはスズキ初となる組み合わせになる。
 さらに燃費のさらなる改善もポイントのひとつ。マイルドハイブリッド・FF仕様のWLTC総合モード燃費は24.5km/ℓを達成しているが、パワートレーンの省燃費設計に加えて、FF仕様の最重量車でも950kgという軽量ボディの恩恵もあるだろう。ちなみに1.2ℓエンジン仕様のXGのWLTC燃費は23.4km/ℓ。同モードでのヤリスの1.5ℓガソリン車の燃費は最良で21.6km/ℓと、純内燃機モデルも相当頑張っていることが分かる。
 なお、軽量化のデメリットとして車体挙動の抑えが悪くなることがあるが、そのふわつき具合を抑制するためにサスまわりも新設計。現時点では試乗前になるが、新型は走りの車格感向上に加えて、乗り心地の改善も期待できそうだ。
 安全&運転支援装備の強化も新型の見どころのひとつ。先に登場した新型スペーシアと同様に単眼カメラとミリ波レーダーを併用するデュアルセンサーブレーキシステムを採用。渋滞時にありがたいACCの停車保持機能は、EPBを装着する最上級グレードのハイブリッドMZに限定されているのは少し残念だが、衝突回避も運転支援も最新仕様らしい内容にアップデートされている。

高速燃焼化と高圧縮比化によりエンジンの燃焼効率を高めた、新開発の1.2ℓ3気筒エンジンを搭載。マイルドハイブリッド車には小型モーターのISGが組み合わされる。
ボディカラーは「フロンティアブルーパールメタリック」と「クールイエローメタリック(撮影車)」を含む合計13パターンを用意。ルーフをブラックもしくはガンメタリック(撮影車)とする2トーンカラーも選べる。
ハイブリッドMZとハイブリッドMXには、16インチのアルミホイールを装着。ハイブリッドMZのホイールは、切削加工&ブラック塗装で上級感もアップ。
後席は少しアップライト気味になるが、足元も頭上も十分な余裕を確保。歴代モデルの美点もしっかりと受け継いでいる。
タッチ操作が可能な9インチの全方位モニター付メモリーナビゲーション(写真)、もしくはディスプレイオーディオをメーカーOPで装着可能。
ハイブリッドMZには、スイッチ操作で作動/解除できる電動パーキングブレーキを搭載。
スピードメーターは、中央にマルチインフォメーションディスプレイを配置する左右2眼タイプ。
全グレードにミリ波レーダーと単眼カメラを組み合わせたデュアルセンサーブレーキサポートⅡを採用。安全性能が大きく進化した。
軽量かつ高強度の超高張力鋼板の適用範囲を拡大することで、軽量化と高剛性を両立。サスまわりもスタビライザーを変更することで、コーナリング時の車体の傾きを抑制し操縦安定性を向上させた。
デュアルセンサーブレーキサポートⅡは、従来型システムよりも画角が広がり、検知対象も自転車や自動二輪車が追加。より実践的なシステムに進化している。

新型スイフト【主要諸元&装備比較】

新型スイフト【結論】

小さなボディに良性能を詰め込んだ万能スモールカー
 ソリオもあればクロスビーもあり、多彩なキャラが揃っていることがスズキのスモールクラス戦略の特徴。当然、新型スイフトもその一翼を担う。ただ、スイフト以外は軽自動車から発展した印象も強い。これに対してスイフトは登録車系のスモールクラスであり、二代目以後は長距離ツーリングも視野に入れた設計を特徴としている。新型も走りの汎用性の高さは継承されているのは間違いない。そして見逃せないのが経済性へのこだわり。車両価格もそうだが、高価なパワーユニットに頼らずとも優れた燃費性能を実現しているのはお見事。経済的な負担を少なく、上々のキャビンや走りが楽しめる希少な一台だ。

新型スイフト【オススメグレード】

HYBRID MX 2WD
加飾と装備まで含めると最上級グレードのMZも悪くないが、スイフトの優れた経済性を一番堪能できるのはMX。XGは少し装備面が物足りない。なお高速走行が多いユーザーならば、ACCの性能が強化されるMZがベスト。
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内外出版/月刊自家用車

ライタープロフィール

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オーナードライバーに密着したクルマとクルマ社会の話題を満載した自動車専門誌として1959年1月に創刊。創刊当時の編集方針である、ユーザー密着型の自動車バイヤーズガイドという立ち位置を変えず現在も刊行を続けている。毎月デビューする数多くの新車を豊富なページ数で紹介し、充実した値引き情報とともに購入指南を行うのも月刊自家用車ならではだ。

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