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更新日:2024.05.30 / 掲載日:2024.05.30
新型ヴェゼル魅力解剖 〜グレード解説&オススメグレード〜
ホンダの人気SUV「ヴェゼル」が初のマイナーチェンジを実施! e:HEVモデルを中心に動力性能が強化されたほか、タフなギア感を強めたアウトドア仕様も追加。従来車以上に魅力溢れる個性派モデルに仕上がっている。この春からのコンパクトSUV選びにおいて注目を集めるのは確実だろう。
●文:川島 茂夫 ●写真:澤田 和久/本田技研工業株式会社

HONDA 新型ヴェゼル 魅力解剖
大人気SUVが大幅アップデート! 唯一無二の魅力がさらに深化
WR-Vとの関係性を
明確にするマイナーチェンジ
WR-Vが導入されたことで、国内のホンダSUVラインナップは3モデルが選べるようになった。そのうちコンパクトSUVとしてはヴェゼルとWR-Vが並び立つことになり、おのおの役割を明確にする必要が出てきた。そこで実施されるのが、今回のヴェゼルのマイナーチェンジというわけだ。
初代も現行型の2代目も、ヴェゼルはスポーティ&スペシャリティなキャラが与えられているが、フィット系プラットフォームがもたらすキャビンスペースの余裕や、多彩なシートアレンジ機能により、実用性の高さも大きな魅力としている。2021年の登場以来、現行型はガソリン車とハイブリッドのe:HEVをラインナップしているが、この春からより価格がこなれているWR-Vが登場したことで、WR-Vはコスパ重視の実用SUV、ヴェゼルはプレミアムな魅力を強めた上級SUVと、棲み分けが可能になった格好だ。
今回発表されたマイナーチェンジモデルの主な変更点は、内外装の変更、走行メカニズムの強化、ホンダセンシングも含めた装備機能の改善、さらに新しいグレード構成の4つが挙げられる。
内外装については、リリースレベルでは小変更程度に思えるが、実車で確認するとフロントマスクを中心に雰囲気は随分と変わっている。落ち着き感とSUVらしいタフネスが強まったことで、車格感も高くなった印象を受ける。
そして、見た目以上に変わったのが走行ハードウェアだ。e:HEVにはルーフライニングやダッシュボード周りにインシュレーター等の遮音材を付加することで静粛性の向上が図られている。
この静粛性の向上は、今回のマイナーチェンジの大きな狙いであり、車体周りだけでなくハイブリッドシステムの制御も変更されている。モーターやバッテリーは従来型と同型を採用しているが、エンジンの始動頻度を下げるため、バッテリーの使用容量を、従来型から全容量比で8%ほど使用容量を拡大している。それに伴いEV走行時間とエンジン稼働時間を最適化することで、エンジンの始動頻度を下げている。
さらにエンジン稼働制御も、熱効率の高い領域と振動騒音の少ない領域をバランス良く保持する制御に変更され、エンジン稼働走行時のバッテリー充放電を従来以上に積極的に行うようになった。電動アシストをこれまでより積極的に活用できるようになったことで、巡航時の燃費と余力感の向上が期待できそう。なかなか実践的な進化を遂げている。
新たな魅力をプラスした
新グレードを追加
サスはダンパーの減衰力の変更というのが主な改良点になるが、硬柔というよりも、乗り味の感覚的な改善が主目的。小さめのストロークを用いることでより動きを滑らかにして、しなやかさを高めたセッティングに変更された。さらにリヤサスを積極的にストロークさせることで、FF車も4WD車に近い特性になったという。
安全&運転支援機能は、前後急発進抑制機能、渋滞時操舵支援も行うLKAの全車速化、そしてZ系限定になるが、部分消灯を行うアダプティブドライビングビームも追加されている。また衝突回避や車線維持等の従来機能も性能向上が図られている。
グレード構成は、e:HEVのXとZ、ガソリン車のGの3つのグレードを基本に、XにはルーフレールなどSUV感を高めたHuNT(ハント)パッケージを、Zには従来のPLaY(プレイ)のキャラを継承したPLaYパッケージを設定。駆動方式はGが4WDに限定される以外は、FF/4WDを選ぶことができる。Gはヴェゼルのエントリーだけでなく、FF限定のWR-Vを補完するモデルと考えてもいいだろう。従来型よりもバラエティに富んだグレード展開となっている。
e:HEV X HuNTパッケージ
アクティブシーンで輝く、アウトドア仕様を追加!










e:HEV Z PLaYパッケージ
人気のプレミアム仕様に待望の4WD車を設定






Honda SENSING


e:HEV

シャシー性能

Honda CONNECT ディスプレイ

FABTECT(ファブテクト)シート

新型ヴェゼル《結論》
ヴェゼル選びに深みを増す
新設定グレードに魅力を感じる
同じ条件で新旧ヴェゼルを比べると、Gは約3万円、e:HEVのXは約11万円、Zが12万円弱高くなっている。上位グレードと共通の革巻きステアリングやメーターパネルも採用したGはかなり買い得感の高い設定に思える。XやZはパワートレーンの改良だけでなく、利便快適装備の充実や機能向上もあり、従来型との価格差が大きいが、このところの経済背景を考えれば十分以上に納得できる範囲。なお、新仕様として追加されたHuNTパッケージはXの11万円高、PLaYパッケージはZの約36万円高となり、従来型よりも価格設定はワイドレンジとなったが、それは選択の多様性の拡大に繋がっている。
単純な視点ではZはプレミアム志向、Xはレジャー志向、Gはコスパ志向となるが、よりそのグレードコンセプトを明快にするパッケージ仕様が設定されたことが、新型ヴェゼルで最も注目すべきポイントになる。中でもHuNTパッケージは、今回のマイナーチェンジの象徴的なモデルだ。従来型ではSUVらしさを意図的に希薄にしていた感もあったが、HuNTパッケージが投入されたことで、SUVらしい魅力が明確に高まっている。Xとの価格差もバランス良く、アウトドア趣味を楽しむコンパクトSUVとして魅力的なモデルだ。
オススメグレード:e:HEV X HuNTパッケージ(4WD)

ホンダ純正カスタムも同時に発売


新たな価値観をプラスする
2つの新スタイルをリリース
これまでもホンダアクセスから外観の純正カスタマイズパーツが2系統がリリースされていたが、今回のマイナーチェンジに合わせて、新デザインのアイテムが発売される。
新アイテムでも、ラジエターグリルの存在感を高めたアクセスデザインはしっかりと継承。また、従来型のプレミアム志向のアーバンスタイル系とシックなカジュアルスタイル系に加えて、実効空力設計のスポイラーや新コンセプトホイールを装着したスポーツスタイル系とSUVらしさを高めたアクティブスタイル系を追加し、嗜好的な選択範囲を拡大している。
ちなみに、各ドレスアップパーツは個別に選択できるため、それらを組み合わせることで自分だけのヴェゼルを仕立てるのも可能だ。