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更新日:2024.09.25 / 掲載日:2024.09.25

【三賢人ガチ評価】新型フリード vs シエンタ・最新コンパクトミニバン対決

クルマ購入のときに気になるのがライバルの存在だ。そこで今回は人気車や気になる車種のライバル関係にフォーカス。一対一のガチンコ対決形式で「買うならどちらか」を解明する。もちろん、用途や着眼点によってどちらを選ぶかは変わってくる。クルマのプロの意見を参考に、自分にとっての“買い”の一台をみつけていただきたい。

ユーザー視点でプロが判定!!

今回の“買い”判定は本誌が誇るレギュラー執筆陣3人に依頼。クルマに求めるものや着眼点に共感できる執筆者をメインに、クルマのプロの様々な意見にじっくり耳を傾けていただきたい。

HONDA 新型フリード × TOYOTA シエンタ《実力派コンパクトミニバン対決》

川島:買うなら新型フリード

決め手は『レジャーを視野に入れた対応力』

クラス最高水準の燃費性能を誇るシエンタだが、走りの方向性はかなりタウンユース寄りだ。一方、前身となるモビリオ以来フリードもファミリーカーらしくタウンユースを軸脚とした走りを特徴としてきたが、代を経るごとに高速対応力を高め、とくに現行型のHEVでは動力性能面でも大きく改善されている。先代のi-DCDでは余力でシエンタのHEVに一歩及ばない感があったが、e:HEVを採用した現行型は全速度域でシエンタよりも余力で勝る。また、高速やワインディング路でのフットワークでもフリードの完成度が高い。燃費はHEV、ガソリン車ともにシエンタが勝るのだが、1割前後の差でもあり、総合的な長距離用途適性ではフリードに軍配があがる。
サードシートの居住性の向上などでフリードとの競合性を高めているが内外装の雰囲気が示すようにシエンタはタウン&ファミリーのスペシャリストの印象が強く、レジャー用途重視の選択ならフリードを勧めたい。

フリードのHEVはフルモデルチェンジの際に1モーターのi-DCDから2モーターのe:HEVに変更された。これが動力性能や走行フィールの向上に大きく寄与している。

まるも:買うなら新型フリード

決め手は『違いは多人数での快適性ぐらい。好みで選ぶが吉』

コンパクトカーの延長として市街地でも手軽に乗れて、いざという時は3列シートも使えるというスタンスがシエンタ。小さくてもしっかりミニバンとして使えて、アウトドアレジャーなどの趣味を持つシングル世代にも頼もしい機能が得られるのがフリードという位置付け。
ほっこりできる雰囲気のインテリアで、2列目がベンチシートとなっており、1〜2人で乗っても違和感なく車内でゆったり過ごしやすいのもシエンタの美点。フリードはセンターウォークスルーができ、後席用のリヤクーラーが付いているので、3列目シートまで乗って多人数でワイワイと移動するのも快適です。ラゲッジがスロープになるタイプ(福祉車両)なら、重い荷物の積み込みもラク。3列目シートの跳ね上げ格納操作もだいぶ改善されました。CROSSTARのようにアウトドアテイストのデザインも選べます。とはいえ、シエンタもロングドライブでの快適性は十分。あとはデザインやインテリアのお好み次第!

フリードの3列目シートはシエンタより大振りで、座り心地の面では有利。一方、格納時の荷室は前の席の下に潜り込ませるシエンタの方がすっきりする。

渡辺:買うなら新型フリード

決め手は『よりミニバンらしい用途に向いている』

両車ともコンパクトミニバンだが、考え方は異なる。シエンタは全長が4300㎜を下まわり、全高も2WDは1695㎜に抑えたため、外観が少し小さく見えて運転しやすい印象だ。荷室を広げる時は、3列目シートを2列目の下に格納する。格納操作は面倒だが、広げた荷室に3列目が張り出さず収納性が優れる。つまりシエンタは、3列シート仕様でも、コンパクトカーに近いクルマ造りを行った。
その点でフリードは、全高が1700㎜を上まわり、外観もミニバンらしさが濃厚だ。2列目がセパレートシートになる6人乗りは、シエンタには設定されないが、フリードなら選べる。両側にアームレストが装着されて座り心地が優れ、中央が通路になるため、3列目の乗員が2列目に移動してスライドドアから乗り降りしやすい。3列目は左右に跳ね上げる方式だから、頻繁に操作するユーザーは使いやすい。ミニバンらしさが濃厚なフリードe:HEVエアーEX(304万7000円)を選ぶ。

フリードには2列目ベンチシート仕様もあるが、写真のキャプテンシートは乗車定員こそひとり減って6人乗りとなるものの、快適性や3列目へのアクセスなど利点が多い。

HONDA 新型フリード

●価格:250万8000〜343万7500円

●発表年月(最新改良):’24年6月(未実施)

パワートレーン 1.5ℓガソリン 〈FF/4WD〉 1.5ℓハイブリッド 〈FF/4WD〉

プラットフォームはフィットと同系列で、先にモデルチェンジを果たしたフィットと同様にプラットフォームから一新。新旧の最大の違いはHEVのシステムで、e:HEVを新採用することによって、新型がグレードアップしたことが明確になっている。グレード構成は標準タイプのAIRとクロスオーバーSUV的なテイストが特徴のクロスターの2系統で、それぞれガソリン車とe:HEVが選べる。

■エアー
■クロスター

■主要諸元(e:HEV エアー・6人乗り)●全長×全幅×全高(㎜):4310×1695×1755●ホイールベース(㎜):2740 ●最低地上高(㎜):135 ●車両重量(㎏):1460 ●駆動方式:FF ●パワーユニット:1496㏄直列4気筒(106PS/13.0㎏・m)+フロントモーター(123PS/25.8㎏・m) ●トランスミッション:電気式無段変速機 ●WLTCモード総合燃費:25.6㎞/ℓ ●タイヤ:185/65R15

TOYOTA シエンタ

●価格:199万5200〜323万4600円

●発表年月(最新改良):’22年8月(’24年5月)

パワートレーン 1.5ℓガソリン 〈FF/4WD〉 1.5ℓハイブリッド 〈FF/4WD〉

ミニバンの中でも販売台数がトップになる月もある人気モデル。街中にジャストなコンパクトさで、普段はミニマムな3列目シートを格納して5人乗りのハイトワゴン的に使い、いざというときは7人乗りにできる。排気量は同じ1.5ℓだが、フリードは4気筒、シエンタはヤリスと同系の3気筒ダイナミックフォースエンジンを搭載。HEVは盤石のシリーズ・パラレル式だ。

■主要諸元(ハイブリッド G・7人乗り)●全長×全幅×全高(㎜):4260×1695×1695●ホイールベース(㎜):2750 ●最低地上高(㎜):140 ●車両重量(㎏):2545 ●駆動方式:FF ●パワーユニット:1490㏄直列3気筒(91PS/12.2㎏・m)+フロントモーター(80PS/14.4㎏・m) ●トランスミッション:電気式無段変速機 ●WLTCモード総合燃費:28.2㎞/ℓ ●タイヤ:185/65R151

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内外出版/月刊自家用車

ライタープロフィール

内外出版/月刊自家用車

オーナードライバーに密着したクルマとクルマ社会の話題を満載した自動車専門誌として1959年1月に創刊。創刊当時の編集方針である、ユーザー密着型の自動車バイヤーズガイドという立ち位置を変えず現在も刊行を続けている。毎月デビューする数多くの新車を豊富なページ数で紹介し、充実した値引き情報とともに購入指南を行うのも月刊自家用車ならではだ。

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オーナードライバーに密着したクルマとクルマ社会の話題を満載した自動車専門誌として1959年1月に創刊。創刊当時の編集方針である、ユーザー密着型の自動車バイヤーズガイドという立ち位置を変えず現在も刊行を続けている。毎月デビューする数多くの新車を豊富なページ数で紹介し、充実した値引き情報とともに購入指南を行うのも月刊自家用車ならではだ。

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