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更新日:2025.01.27 / 掲載日:2025.01.23

新型クロストレック S:HEV 大研究

走りも燃費も1ランク上に進化!

クロストレックの最上級グレードとして追加された「S:HEV」。新ハイブリット搭載による動力性能の強化に加え、装備機能も大きくジャンプアップ、もはやその実力は1クラス上のモデルに負けないほどだ。

●文:川島茂夫 ●写真:澤田和久

待望のストロングハイブリッドが堂々デビュー!!

SUBARUの未来を占う
最新ハイブリッドを搭載
今回導入されたS:HEVの「ストロングハイブリッド」は、パワフルなシステムと短絡しそうになるが、簡単に説明すればマイルドハイブリッドと対を成す言い方であり、電動駆動領域の広さの幅が違いになっている。具体的には純電動走行が可能かどうかであり、新たに追加されたS:HEVは、純電動走行を始め電動駆動領域が従来のe‐BOXER(マイルドハイブリッド)から大幅に拡大されている。
これまでのマイルドハイブリッドはパラレル式を採用していたが、S:HEVにはスプリット式(シリーズ/パラレル融合式)を採用している。ただ、このハイブリッドシステムの違いよりも、駆動モーターの最高出力の差が大きな違いをもたらしている。従来のマイルドハイブリッド車のモーター最高出力は10‌kWだったが、S:HEVでは88‌kWにまで強化されている。ちなみにトヨタ・プリウスの2ℓ車のモーター出力は83‌kW。ここからも電動駆動力が、飛躍的に高まったことが理解できるだろう。

強力なモーターアシストで
燃費と扱いやすさが向上
さらにエンジンもマイルドハイブリッド車から変更された。直噴を採用した水平対向4気筒は共通しているが、S:HEVはボアアップにより排気量を2・5ℓに拡大している。興味深いのはパワースペックで、2ℓ仕様に対して向上代は最高出力が約10%、最大トルクが約11%でしかない。約25%の排気量増を考えれば控え目のパワーアップだが、これもS:HEVの設計要点のひとつとなっている。
最近のガソリンエンジンでは大量EGRを用いることで、吸気ロスの低減や熱効率の改善を図るのが一般的だが、S:HEVのエンジンは大量EGRのよる高効率域を全負荷近くまで拡大している。この工夫により最も燃費効率が良いスイートスポットを大幅に拡げており、実用走行での燃費の向上が図られている。
燃費効率優先の設計となると、エンジンのパワースペックが2・5ℓにしては低いのでは? と感じてしまうかもしれないが、88‌kWのモーターとの二人三脚が前提の設計により、十分な性能を有している。先立って試乗したプロトモデルではマイルドハイブリッド車はもちろん、同系統の2・5ℓエンジンとの比較でも、明らかな力強さと優れたコントロール性を実感することができた。全開加速性能はレヴォーグ等に搭載されている1・8ℓターボには及ばないが、燃費やコントロール性も含めればパワートレーンの位置付けでは同格以上と考えてもいいだろう。
S:HEVの位置付けはグレード設定にも表れている。S:HEVが追加されたことで、クロストレックは全4グレードのバリエーション展開となった。マイルドハイブリッド車は、従来型を継承したツーリング/リミテッドの2グレードでFWDとAWDを設定。S:HEVはプレミアム/プレミアムEXの新設2グレードでAWDのみの設定となる。

プレミアム級にも負けない
充実の装備機能を採用
S:HEVで注目すべきは最上級グレードのプレミアムEXの存在だ。レヴォーグで「EX」を冠したモデルと同様に、アイサイトXが標準装備されている。衝突回避や運転支援を中心としたアイサイトの基本機能に加えて渋滞時ハンズオフアシストや発進アシスト、カーブ前自動減速等の部分的な自動運転機能を備えているのが特徴。高速長距離用途適性において、レヴォーグ同等を示す、象徴的な装備になっている。
また、室内装備についてもメーターパネルのフル液晶化やナビ標準装着などのグレードアップが図られ、性能も先進性も装備の充実でも、シリーズ最上級らしい内容を備えている。
最上級のプレミアムEXの価格は400万円を超え、車格としては上の設定になるレヴォーグ レイバックを約6万円上回る。つまり、すでに生産中止が決定しているアウトバックの次にくるスバルSUVがクロストレックS:HEVになる。試乗した印象からも最上位級にふさわしい完成度を感じることができる。ラフ&オフロードもこなせる、スバルSUVの上級モデルとして、ふさわしい実力モデルに仕上がっている。

最上級グレードとなるプレミアムS:HEV EXには高速道路でのハンズオフドライブにも対応しているアイサイトXが標準装備される。機能面でも1ランク上の水準となっている。
アルミホイールは18インチだが、S:HEV車には専用デザインが与えられる。
S:HEV車は後部に大容量バッテリーを搭載するが、床下サブトランクの容量が少なくなっていることを除けば、荷室の空間は犠牲になっていない。フラットな床面の魅力も同様だ。

新型クロストレック 主要諸元&主要装備

新型クロストレックのベストバイは?

性能も装備も1ランク上の『プレミアムS:HEV EX』

 マイルドハイブリッド車のリミテッド・4WDと、ストロングハイブリッド車のプレミアムS:HEVの価格差は約39万円。装備内容の違いを考慮すると、マイルドハイブリッド車とS:HEV車の価格差は35万円前後と計算できる。
 S:HEV車のメリットは、動力性能と燃費向上が図られていること。燃費性能の差だけでは、この価格差を回収するのは難しいが、クロストレックは200mmの最低地上高を備え、4WDには泥濘深雪にも対応した2モード型のX-MODEを装着されるSUV。ロングツーリングや悪路走行での安定性を考慮するならば、S:HEV車はクロストレックの魅力を大きく底上げしてくれるのは間違いない。プレミアムS:HEVの22万円高となるプレミアムS:HEV EXはさらに魅力的。クロストレックとして唯一採用するアイサイトXやナビ機能の充実ぶりを考えると、コスパ視点では支払う価格以上の魅力がある。
 クロストレックのS:HEV車は、燃費性能の一番を求めたハイブリッド車というよりも、スバルSUVの走りの魅力を高めるために誕生したモデルとみなすのが正しい。走りと装備機能の充実ぶりを重視するならば、現状のスバルラインナップの中で、一番手の選択になれるモデルだ。

新型クロストレック ストロングハイブリッド(プロトモデル)試乗

オン/オフ問わない優れた走行性能
最上級にふさわしい実力派モデル
 テストコースは勾配路が中心だったため、巡航維持力や緩加速などのコントロール性はチェックできなかったが、登降坂での加速の良さやペダル追従のいいコントロール性、メリハリと精度の高い駆動力制御の良さは実感できた。従来のマイルドハイブリッド車よりも明らかに力強い。
 高速域での加速感は1.8ℓターボ車には及ばないが、S:HEVの強みになる豊かなトルク感と追従性のいいコントロール性は、ボディ重量が嵩むSUVとの相性がいい。SUVらしい悠々とした走りを求めるならば、スバル車の頂点に位置するモデルといっても過言ではない。

ストロングハイブリッド専用に開発された2.5ℓ水平対向エンジンを搭載。88kW/270Nmを発揮する強力なモーターと協調制御を行うことで、高い動力性能と燃費性能をバランスよく両立している。

国内への本格展開を視野にSUBARU・北本工場に専用ラインを新設

年間18万6000機の製造能力を確保
他のSUVモデルへの水平展開も確実
 クロストレックS:HEVに搭載されるシステムは、先に北米専売モデルとして発表されたPHVと同じスプリット式を採用する。このシステムはトヨタのTHS Ⅱとして有名であり、S:HEVもシリーズ式とパラレル式の特徴を兼ね備えている。
 今回、S:HEVを本格展開するに至って、日本国内でも埼玉県のSUBARU北本工場にS:HEV専用ラインが設けられた。大量生産を前提に組み付け行程の自動化を進めた生産ラインを新設。年産で18万6000機の生産能力を備えているという。
 この生産ラインで注目したいのが、精度管理の向上も目的のひとつとしていること。作業員の勘やコツに頼ることなく、自動化を巧みに活用することで、高い精度と安定した品質を確保すべく構築されている。
 例えば駆動モーターのステーターの組み付けでは、芯出し行程も自動化し、組み付け誤差は0.1㎜以下となった。組み付け行程だけでなく、ギヤ鳴り音の周波数分析によるギヤの不具合の検出などを自動化。それらは全数チェックという。
 精度管理のレベルは従来のスバル基準に準拠し、従来のスバル車と同様の安定した品質で大量生産が可能。S:HEVがこの先のスバルの基幹パワートレーンに位置付けられた証明ともいえる。
 プロトタイプ試乗で感じた悪路走行での性能を考えてもS:HEVはスバルSUV系の主力かつ最上位に位置するに相応しい。今後、クロストレック以外のスバル車への展開も期待される。北本工場の生産ラインを見ていると、すでに準備は整っているようだ。

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ライタープロフィール

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オーナードライバーに密着したクルマとクルマ社会の話題を満載した自動車専門誌として1959年1月に創刊。創刊当時の編集方針である、ユーザー密着型の自動車バイヤーズガイドという立ち位置を変えず現在も刊行を続けている。毎月デビューする数多くの新車を豊富なページ数で紹介し、充実した値引き情報とともに購入指南を行うのも月刊自家用車ならではだ。

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