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更新日:2025.02.02 / 掲載日:2025.02.01

成長を続けるレクサス 【大人の自動車遊び】(九島辰也)

文●九島辰也 写真●レクサス

 レクサスから2024年の販売実績が届きました。2024年の1月から12月までに世界中で売られた台数の統計です。グローバルでは年度ではなくカレンダーイヤーでカウントするのでそうなります。

 それによると、販売台数は85万1214台で、過去最高になりました。前年比103.3%。理由は北米やヨーロッパでの需要が伸びたことと、部品供給が回復したこと。確かにオーダーを受けても部品不足で製造がストップしていたら、販売には繋がらないし納車もできませんからね。カーメーカーは完成品を売りますが、完成させるまでにはたくさんのサプライヤーから送られるパーツが必要です。

 モデル別ではRXとNXが中心となり、そこにLBXとLMといった新型車が後押しをしました。それにしても不思議。日本ではNXはそうでもありませんがRXは街中であまり見なくなりました。正直トレンドは去ったような気がします。高級感があってしっかり走るいいクルマなんですけどね。流行り過ぎると逆フリがあるのか。それにRXが属す高級SUVのカテゴリーは輸入車のライバルが多いのも今日本で苦戦している要因でしょう。ライバルはポルシェカイエンやメルセデス・ベンツGLEシリーズ、それとBMW X5 & X6、アウディQ5、レンジローバーファミリーとディフェンダーあたりですかね。間違いなく魅力的なモデルが顔を連ねます。

 とはいえ、グローバルでは相変わらず人気となります。確かに想像はつきます。例えばBMWでは日本はX3の方がたくさん売れていますが、グローバルではX5が台数を稼いでいます。大陸的な考え方ではある程度の大きさは必要となるようです。

レクサス LBX

 LBXが人気なのはわかります。小さな高級車といった雰囲気を醸し出しつつ、小気味のいい走りを見せるからです。そこは日本のメーカーが不得意なカテゴリーだっただけにLBXは存在感があるといっていいでしょう。それにMORIZO RRなんて飛び道具もラインナップ。LBX全体のポテンシャルの高さを感じさせます。広く好まれるモデルじゃありませんが、こういう異端児的コンセプトのモデルは必要です。クルマ選びが楽しくなりますから。

 LMはご存知ゴージャスなミニバンですが、日本では当初2列シートの4名乗車仕様しかありませんでした。一列目と二列目の間にパテーションがあったりして。言うなれば社用車ってことですかね。で、それに三列シート装着の仕様変更モデルが追加され、一般家庭にもLMは開放されました。グローバルでは以前からそうだったかもしれませんが、日本での台数増加はそれが理由になったのは間違いありません。ただ、スタートプライスは1500万円ですから、現実には“一般家庭”とはちょっと違うでしょうが。

 エリア別の販売台数ですが、一番はやはりレクサスブランドの発祥地であるアメリカを含む北米で、37万9589台を稼ぎます。ここも前年比106.7%ですから右肩上がり。日本を除くアジアは23万7335台。こちらは前年比100.3%となります。北米とアジアを合わせると60万台近いですからこのエリアはお得意様です。そして、昔からずっと言われている課題はヨーロッパ。ですが今回は8万2571台で、前年比119.3%と伸びました。シェアの拡大を狙っている戦略の結果が、じわじわと出始めています。

 昨年の問題は日本かもしれません。8万6070台は前年比90.9%にとどまります。いわば1割減。日本は型式指定の認証試験でいろいろありましたからこんなもんなんでしょうか。でもレクサスブランドはRXくらいだったような。同じトヨタですから自粛したのかな。一般的には地域紛争の影響を受けたサプライチェーンの問題から納期が長くなり販売台数が伸ばせなかったと言われますがね。レクサスLXは未だ注文停止。日本のマーケットは後回しにされているのかも。GXは抽選販売でした。

 この他ではRZやUX300eのようなBEVが好調で、電動車比率が上がったのはニュースでしょう。レクサス全体の52%がそれにあたり、過去最高を記録しました。ただ、この場合の電動車はBEVだけでなく、HEVやPHEVも含みます。レクサスブランドのイメージからするとPHEVが強そうですが、その内訳はどうなんでしょうね。いずれにせよ、LXやGXの需要と供給のバランスが整うような時代に早くなって欲しいものです。

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九島辰也(くしま たつや)

ライタープロフィール

九島辰也(くしま たつや)

外資系広告会社から転身、自動車雑誌業界へ。「Car EX(世界文化社 刊)」副編集長、「アメリカンSUV(エイ出版社 刊)」編集長などを経験しフリーランスへ。その後メンズ誌「LEON(主婦と生活社 刊)」副編集長なども経験する。現在はモータージャーナリスト活動を中心に、ファッション、旅、サーフィンといった分野のコラムなどを執筆。また、クリエイティブプロデューサーとしても様々な商品にも関わっている。趣味はサーフィンとゴルフの”サーフ&ターフ”。 東京・自由が丘出身。

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外資系広告会社から転身、自動車雑誌業界へ。「Car EX(世界文化社 刊)」副編集長、「アメリカンSUV(エイ出版社 刊)」編集長などを経験しフリーランスへ。その後メンズ誌「LEON(主婦と生活社 刊)」副編集長なども経験する。現在はモータージャーナリスト活動を中心に、ファッション、旅、サーフィンといった分野のコラムなどを執筆。また、クリエイティブプロデューサーとしても様々な商品にも関わっている。趣味はサーフィンとゴルフの”サーフ&ターフ”。 東京・自由が丘出身。

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