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更新日:2025.04.03 / 掲載日:2025.04.03
パワフルなSUVルックに生まれ変わったスバル新型フォレスター【九島辰也】

文●九島辰也 写真●ユニット・コンパス
SUV人気はまだまだ続いている。今回新型スバルフォレスタープロトタイプの試乗会では、そんな話からスタートした。過去10年間のボディタイプ別グラフを読むところ、セダンやハッチバックは低迷を続け、SUVのみが明らかに伸びている。2023年のSUVの構成比率は38%まで拡大しているそうだ。
正統派SUVとして大幅にデザインを変化させて登場

といった背景の中、新型フォレスターの開発は行われた。市場動向を反映しているのだろう、見た目はかなりSUV然としている。事実スバルもラインナップの中で“正統派SUV”と位置付けて開発したという。確かに他のモデルを見回すと、レヴォーグ、クロストレック、レイバックといったステーションワゴンやクロスオーバーの顔ぶれが並ぶ。その観点から、新型は人気MAXのSUVマーケットへのチャレンジとした。
“正統派SUV”を意識した新型はデザインファーストで計画された。理由は前述したSUV然としたスタイリングの必然性と、従来型からの大幅な路線変更だ。どうやら従来型がその前のモデルとの変化が少なかったことも反省要素となっているらしい。そんなカスタマーからの声が多く聞こえたそうだ。

デザインのポイントは迫力あるグリルと安定感のあるスタイリング。グリルに厚みを出してボンネットを高く設定しSUVらしさを醸し出している。また、デザインを優先したことでスリーサイズも若干大きくなった。全長と全幅でそれぞれ+15mmといった微増なので実寸はそれほどではないが、見た目にボリュームが増えた分大きくなった印象はある。また、デザインでキャラクターイメージを変えてはいるが、ヘキサゴングリルの採用などパッと見のスバルらしさは失われていない。他のラインナップとの共通点は持ち合わせていると言って良いだろう。

ちなみに、デザイン優先で進めることへの不安はなかったのかプロダクトゼネラルマネージャーの只木氏に問うたところ、そこは問題なかったという。スバルのデザイン部門はかなり高いレベルで要件を満たしたデザインを提案してきたそうだ。要するにイタリアのカロッツェリアが描くような派手なデザインスタディとはまったく違うということ。堅実路線というか、リアリティのあるドローイングからスタートしている。その辺はスバルの社風も関係しているのかもしれない。
アイサイトXとストロングハイブリッドを採用

ハードウェアに関しては従来型プラットフォームを継承し、パワーソースと足まわりのセッティングを新しくした。具体的には、1.8リッター水平対向4気筒ターボと2.5リッター水平対向4気筒ユニット+2モーターを組み合わせたストロングハイブリッドが用意される。後者はクロストレックに続く搭載となった。




アウトドア色の強い「X-BREAK」、上質なテイストの「プレミアム」、そして「スポーツ」を用意

グレードの構成は3つで、Xブレイク、プレミアム、スポーツという設定。Xブレイクはアウトドアをイメージしたグレードで、スポーツはターボらしい走りを持った都会的なグレードとなる。そしてプレミアムはその中間といったところ。いまだアウトドアブームが冷めやらぬことを鑑みれば、Xブレイクがマーケットに受け入れられるのに時間はかからないだろう。標準装備されるホイールサイズは、プレミアムが19インチ、Xブレイクとスポーツが18インチとなる。
この他で現在わかっているのは、サスペンション形式くらいだろうか。四輪独立懸架で、前がストラット式、後がダブルウィッシュボーン式を採用する。ダンパーの減衰圧を見直すことで、より乗り心地を良くしているのが新型の特徴だ。きっとバネレイトも変えていることだろう。今回はプロトタイプということで、ディテールの情報は表に出ていないが、ストロングハイブリッドの車両重量の増加を想定すればそうなる。サスペンションストロークを長くしてより自由に動くようにすれば、多少の重量増加でも乗り心地を良くするのはそれほど難しくはないはずだ。

アウトドアの相棒として活躍間違いなし!
いずれにせよ、このプロトタイプを見る限り新型スバルフォレスターはかなりアウトドアに振って仕上げられた。その意味でフォレスターの情報が解禁となれば、話題となる確率は高いことだろう。まだまだアウトドアブームは続いている。となると、やっぱ売れ線はXブレイクとなるのか。今年の夏は山で新型フォレスターを見る機会が増えそうだ。



