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更新日:2025.04.02 / 掲載日:2025.04.02
作り込みまでスペシャルティ!ホンダ 新型プレリュードのデザインが公開

文と写真●ユニット・コンパス
この記事が公開されるのは、いよいよ今週末に迫ったF1 日本グランプリを前に開催されるイベント「F1 TOKYO FAN FESTIVAL 2025 PRE-EVENT」で新型プレリュード(プロトタイプ)が観衆の前でパレード走行するタイミングとなります。
そうそう! 今年のF1 日本グランプリは本当に見逃せません。F1ドライバーの角田裕毅選手がトップチームであるレッドブルに昇格し、前年の世界王者であるマックス・フェルスタッペン選手のチームメイトとして同じマシンで参加することが決定したからです。長くなるのでこれくらいにしておきますが、本当に興奮する状況です。ホンダはレッドブルのマシンにパワーユニットを提供する形で参戦しています。ぜひ一緒に、ホンダと角田選手の活躍を応援しましょう!
ついに市販版デザインを公開! 目指したのはグライダーのような爽快な世界観

話をプレリュードに戻します。2023年のモビリティショーでコンセプトが出品され、2025年の東京オートサロンではカスタマイズされた姿で展示されていた新型プレリュードですが、いよいよ市販版に近い姿としてお披露目されました。取材車両はプロトタイプですが、基本的なデザインや仕様は市販モデルと同じ。さらにこれまで見られなかったインテリアについても初公開となります。
改めて新型プレリュードとはどんなクルマなのかを解説します。今回の取材会で開発チームに直接話を聞くことができたのですが、クルマのキャラクターを決めるうえで空を飛ぶグライダーが大きなヒントになったようです。
ホンダの作るクーペということでシビック タイプRのような辛口のスポーツカーをイメージする方もいるかもしれません。ですが、プレリュードが目指したのは「どこまでも走りたくなるような爽快なクルマ」とのこと。もちろん、スポーティな走りも楽しめるようですが、メインの舞台となるのは公道で、一緒に出かけたひとと特別な時間を過ごせるようデザインや性能を作り込んだということです。

特別感のあるインテリア。職人技を感じさせるディテールが満載

それを象徴するのが、今回公開されたインテリア。 最近のホンダ車に共通するシートからの見晴らしのよさはそのまま、クーペらしいプライベート感や特別な雰囲気を漂わせる作り込みが特徴です。
とくに目を引いたのがセンターコンソールの作り込みで、ドライブセレクタースイッチが集まるコントロール部分を中心にホンダの「H」を思わせるデザインになっています。造形も凝っているのですが、表面がレザー仕上げで切り返し部分はダブルステッチ仕上げ。しかもこのダブルステッチは2色づかい。これは特別なひとと一緒に走るという車両コンセプトを色で表現したそうです。



また、シートにも工夫が。ドライバーズシートはサポート性を重視してクッションの硬さなどが設計されているのに対して、助手席側は同じようなデザインながらも乗り降りしやすいように仕上げているとのこと。クーペはSUVなどに比べてシートの着座位置が低いため、乗り降りにコツが必要ですからね。こういうところは嬉しいです。そうそう、嬉しいといえば助手席に座ると目の前に見える「Prelude」のロゴ。これも刺繍で仕上げられているんです。あまり量販車ではみることのないアイデアで、ここでも特別感を味わうことができます。


ちなみにプレリュードは小さいながらも後席が用意されていて、いざというときには4人乗りも可能。後席の背もたれを倒してみたところ荷室はほぼフラットになりました。これならゴルフバッグなどのある程度長さのある荷物も搭載できそうですね。クーペだからこそ実用性は大事!
「タイプS」も「SiR」もこれ1台で!? ドライブモードでクルマのキャラが変化

気になる走行性能についてはまた時期を改めて情報公開されるとのことで、今回は詳しいことを聞くことはできませんでした。しかし、質問に答えてくれた情報をまとめると、エンジンはハイブリッド(e:HEV)で新開発の「ホンダ S+シフト」を搭載。開発責任者の山上智行氏によれば、「わたしもMT車の運転が好きですが、ここまでクルマが上手にシフトチェンジしてくれるなら、クルマ任せでいいと思えるほどの仕上がりになりました」と胸を張ります。
また、足まわりの部品は基本的にシビック タイプRと同じで、デュアルアクシス・ストラット・サスペンションと電子制御ダンパーの組み合わせ。しかしセッティングは専用で、街中や高速道路、ワインディングといった幅広いシーンで、快適かつ爽快さを感じられるものに仕立てているのだとか。それを実現しているのが電子制御技術で、パワートレインの制御も統合的にコントロールすることで、「モードを切り替えると違うグレードのクルマに乗っているようなキャラクターチェンジが楽しめます」というから楽しみです。

新型プレリュードは、クルマ好きはもちろん、女性を含めた幅広いユーザーがターゲット。「たとえば母と娘でプレリュードで旅行をしていただく。そんな使い方を楽しんでいただきたい」と山上さんは語ります。
かつての歴代プレリュードがそうであったように、クーペの魅力は速く走るだけではありません。むしろ現代にあっては、周囲の交通と調和しながらも運転が楽しいと感じられるようなクルマが求められるはずです。山上さんを始めとした開発チームの方々と話をしていくと、ホンダがなぜプレリュードを現代に甦らせたのかがわかってきました。令和のスペシャルティカーとして、新型プレリュードがたくさんの愛を育むクルマとなるのか。2025年秋とされる発売が楽しみです。