車種別・最新情報
更新日:2025.04.21 / 掲載日:2025.04.21
コンパクトSUV大研究《価格分布&ジャンル分析》
《コスパバツグン》コンパクトSUV総まとめ
売れ筋ジャンルのSUVの中でも、コンパクトクラスは多士済々。近年、ボディや車格、そして価格が上昇傾向で、どこまでが「コンパクト」なのかも揺らいできている。今回は各ブランドのエントリーモデル中心のセレクトで一挙に紹介する。
●文:川島茂夫
新顔も改良も続々の激戦カテゴリー
扱いやすさと多用途性で幅広い層にアピール
SUVと言えば悪路対応力とキャビン実用性によるレジャー用途適性の高さが魅力だが、コンパクトSUVの悪路対応力は車種によって異なるものの、ジムニーシエラなどの一部の例外を除けばミドルSUVと同等以上の悪路踏破性はさすがに期待できない。
つまり、もう一方のSUVの特徴となるキャビン実用性がコンパクトSUVの大きな魅力となる。同じ車格の標準的な乗用車は2BOXが主流で、パーソナルユースに向けたパッケージングを採用するモデルも多く、そうしたモデルはファミリー&レジャー用途ではキャビン実用性に余裕がない。そこで車高の高いSUVパッケージングによってキャビン実用性を向上させたのがコンパクトSUVで、2BOX車よりもほどよく高めの座面高設定で乗降性にも優れる。ミドルSUV以上では乗降性がウイークポイントだが、コンパクトSUVは適度な座面高設定で都市用途にも使いやすい。
その代表的な存在のひとつが先日改良が施されたWR-Vだ。最低地上高は同クラスでも余裕のある195㎜だが、駆動方式はFFのみ。パワートレーンは1・5ℓの単一仕様で、HEVや4WDが主力のヴェゼルと棲み分けている。
キャビン容量はヴェゼルを上回り、居住性はWR-Vのセールスポイントのひとつ。内装は小改良でグレードアップされ、ベーシックグレード以外はパッド入りのトリムを採用し、最上級グレードは2トーン内装を採用するなど、触覚を含めた内装の質感向上により、乗用車としての魅力を高めた。言い方を換えればSUVを必要としないユーザーが実用面や居心地の面から魅力を感じられるモデルとして進化を遂げたわけだ。
また、コンパクトSUVは同格の2BOXやセダンから乗り換えやすい価格設定も魅力となる。とくにキャビン実用性から選ぶユーザーにとってコスパは重要だ。HEVモデルになるとミドルSUVの価格帯ともラップするが、ガソリン車であれば同価格とは言えないまでもスモール&コンパクトカーの経済性を引き継ぐ、実用性を加味して評価するなら、スモール&コンパクトカーの経済性を引き継いだ多用途車と言ってもいい。
上級クラスのSUVは悪路走行を前提にしないと実用面だけでは非経済的だが、コンパクトSUVは一般的なユーザーの求める実用面から投資効果が見出せる。かつてのセダン/ワゴンに代わるファミリー&レジャー向けの標準的な選択であり、悪路走破に強いこだわりがなければキャビン実用性を主眼にして選ぶのもオススメだ。

SUZUKI ジムニーノマド




ライタープロフィール
オーナードライバーに密着したクルマとクルマ社会の話題を満載した自動車専門誌として1959年1月に創刊。創刊当時の編集方針である、ユーザー密着型の自動車バイヤーズガイドという立ち位置を変えず現在も刊行を続けている。毎月デビューする数多くの新車を豊富なページ数で紹介し、充実した値引き情報とともに購入指南を行うのも月刊自家用車ならではだ。
オーナードライバーに密着したクルマとクルマ社会の話題を満載した自動車専門誌として1959年1月に創刊。創刊当時の編集方針である、ユーザー密着型の自動車バイヤーズガイドという立ち位置を変えず現在も刊行を続けている。毎月デビューする数多くの新車を豊富なページ数で紹介し、充実した値引き情報とともに購入指南を行うのも月刊自家用車ならではだ。