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更新日:2019.03.07 / 掲載日:2019.03.07
新型RAV4 vs ライバル 仮想対決
既にアメリカで販売が開始され、国内でも特設サイトで2019年春発売予定とアナウンスされている新型RAV4。その発売を前に、ライバルSUVたちを交えつつ先取り解説をお届けする。
※画像はすべて米国仕様
●文:山本シンヤ
クロスオーバーの先駆者が満を持して殴り込み

1994年に発表されたRAV4はモノコックボディを採用するクロスオーバーSUVの先駆者だが、2016年以降日本市場からヒッソリと姿を消していた。しかし、昨年NYショーでお披露目された5代目は、日本市場再導入が発表されている。開発責任者の佐伯禎一さんは「クロスオーバーSUVが当たり前になった今、改めて”SUVとは何なのか?“を考え直し、本来の『力強さ』、『頼れる相棒』を再定義したのが新型」と語るように、ズバリ、クロスオーバーSUVど真ん中のキャラクターが与えられての再出発となる。
エクステリアは、歴代モデルは都会が似合うイメージだったが、新型は八角形がモチーフの個性的なフロントマスク、クラッディング(ホイールアーチの樹脂パーツ)を強調したサイド周り、ボディのワイドスタンス化や前後オーバーハング低減など、SUVらしさがより一層強調されている。
インテリアは水平基調のインパネと骨太なセンターコンソール、多角形のモチーフや硬質素材/ソフトパッドの上手な使い分けで、シンプルなデザインながらSUVらしい機能性を演出している。
パワートレーンはガソリン/ハイブリッドを用意するが、関係者によるとガソリンは2L直噴+CVT、ハイブリッドは2.5L直噴+モーターの組み合わせとなるようだ。ちなみに2LはUX、ハイブリッドはカムリでも高い評価を得ているユニットだ。
プラットフォームはTNGA「GA-K」をRAV4用に最適化。駆動方式はFF/4WDを用意し、ガソリン上級モデルは「ダイナミックトルクベクタリングAWD」、ハイブリッドは「新型E-Four」を採用。基本性能に加えて味付けにもこだわった。社内評価ドライバーのエースを起用して数値に表れない「走りの良さ」にも注力し、SUVらしい安定性とSUVらしからぬハンドリングを高レベルで両立。また、オンロード性能だけでなくオフロード性能もかなりの実力を備えているようだ。
日本のクロスオーバーSUV市場は国内外のモデルで百花繚乱の状況で、ライバルが多数存在する。国内再導入という同じ境遇のCR-Vを始め、オン/オフ性能のバランスがいいフォレスターやエクストレイル、プレミアムSUVの領域に進出した同門のハリアーやCX-5、充電&発電可能な”使える“EVのアウトランダー、輸入車の売れ筋・ティグアンなど、強敵ばかりだ。そんな中、アメリカの定番人気車に育ったRAV4がどのような評価を受けるのか? 期待して発売を待ちたい。
TOYOTA RAV4【2019SUV劇場の主役!?】

■主要諸元(XLE・FF・米国仕様) ●全長×全幅×全高(mm):4595 × 1855 × 1450 ●ホイールベース(mm):1700 ●最低地上高(mm):213 ●車両重量(kg):1533 ●パワートレーン:2.5L直4直噴(205PS/83.5kg・m) ●トランスミッション:8速AT ●燃料タンク(L):55 ●タイヤサイズ:225/65R17
かつてのコンパクトなイメージを覆す、堂々たる体躯で再登場
TNGAプラットフォーム採用の新型は2.5L+8速ATと2.5Lハイブリッドを搭載。北米基準の車格を持ち、プレミアム感もアップ。また、トヨタ初採用の4WDシステムを搭載するなど、本格SUVのイメージも打ち出している。
標準系
アドベンチャー
都会的な標準系のほか、米国にはタフな「アドベンチャー」もラインナップ。
【NEW】2020モデル早くも発表

アメリカでは早くも’20モデル情報が発表。純正パーツによるアグレッシブなカスタマイズドモデル「TRDオフロード」が公開されている。
仮想対決
各社の期待を背負う強力ライバルが待ち構える
最も競合しそうなCR-Vのほか、売れ筋ライバルがズラリ。国産/輸入を問わず、今やSUVカテゴリーは続々新型が登場する最激戦区であり、ここに挙げたのはほんの一部だ。
強豪ひしめくライバル軍団
●323万280~436万1040円
HONDA
CR-V●294万8480~498万4200円
TOYOTA
ハリアー●257万400~388万2600円
MAZDA
CX-5
●280万8000~309万9600円
SUBARU
フォレスター●393万9840~509万40円
MITSUBISHI
アウトランダーPHEV●369万9000~529万円
VOLKSWAGEN
ティグアン
【ライバル比較】インテリア
新型RAV4
シンプルな造型で質感が高く、SUVらしい力強さも備えている

インパネ周りはシンプルなデザインながらSUVらしい力強さを演出し、質感も大きくレベルアップ。ボディサイズは3代目よりも拡大され、室内は横方向/縦方向ともにゆとりある空間に仕上がっている。サイドミラー搭載位置の最適化やリヤクォーターガラスの拡大、デジタルインナーミラーなどの採用など、運転視界にもこだわっており、サイズを感じさせない取り回しの良さも特徴の一つだ。

本格SUV的な機能性と上質感を両立。視界が開けた快適で安心な空間としている。
【強敵】CR-V
ゆとりの空間は同様。3列シートも選べる

ボディサイズの拡大が居住性&積載性アップに貢献するのは国内再導入仲間のCR-Vも同じだが、RAV4にはない3列シート仕様を用意するのが評価ポイント。ただし価格の割にインテリアの質感が乏しいのがマイナスポイント。仕立ての良さはRAV4に軍配が上がる。
【ライバル比較】パワートレーン
新型RAV4
トヨタの最新技術を注いだガソリン&ハイブリッド
パワートレーンは仕向地により設定が若干異なる。ガソリンは北米仕様が2.5L+8速ATだが、日本仕様は2L+CVT。どちらもTNGAに基づく新世代ダイナミックフォースエンジンで、ダウンサイジングでも不満のない仕上がりだ。ハイブリッドは2.5L+モーターのTHSIIだが、カムリ同様に好燃費は当たり前、ハイブリッドが最も苦手な「走りの気持ち良さ」にも注力したユニットに仕上がっている。
2.5L ダイナミックフォースエンジン
TNGAに基づき新開発された直4直噴エンジン+ダイレクトシフト-8ATを採用
2.5L ハイブリッド
ハイブリッドはカムリと同様のダイナミックフォースエンジン×THSIIのシステムだ。
【強敵】CX-5
4タイプのエンジンを揃え、特にディーゼルが◎

SKYACTIV-D 2.2
強敵はガソリン2L/2.5L/2.5Lターボ、ディーゼル2.2Lと豊富なラインアップを誇るCX-5だろう。特にディーゼルはターボラグを感じさせない滑らかで自然なトルク感と、高回転までストレスなく回るレスポンスの良さなど、世界トップレベルと言っていいポテンシャルを備える。
【ライバル比較】先進安全・運転支援
新型RAV4

トヨタセーフティセンス(画像はカローラ スポーツ)の搭載がアナウンスされている。
現代的な基本機能を備える。国内仕様はさらに充実!?
最新のモデルだけあり予防安全システムも抜かりはなし。北米仕様は検知性能が大きく引き上げられたプリクラッシュブレーキや全車速追従式レーダークルーズコントロール、車線維持に必要な運転操作を支援するレーントレーシングアシストなどを含む「第2世代トヨタセーフティセンス」を全車標準装備。日本仕様も水平展開されるのは間違いないが、新たなアイテムも追加されるかも!?
【強敵】フォレスター
違和感のない機能介入など、熟成度と信頼性に優れる

機能的に見るとどのモデルも横並びのように見えるが、安全支援システムには確実に性能差が存在する。その中で信頼がおけるのはフォレスターの「アイサイト」だろう。追従クルーズコントロールやステアリング支援などは人間の気持ちまで察した自然な制御で、かなりの強敵といえる。
【コレなら勝てる!?】ライバルたちの得意ワザ
後出しRAV4に対向できる一芸は…
どんなジャンルのモデルであってもクルマは“総合力”が重要である。ただ、それだけでは語れないのも本音だ。総得点ではかなわなかったとしても、どこかに魅力的な技術や要素を備えたモデルはそれはそれで魅力であり個性的でもある。そんな一芸が備わったモデルはどれか?
フォレスター:オン/オフの性能バランス

オン/オフ問わない総合力という意味では、スバル・フォレスターだろう。基本素性の良さに加えてSGPの採用で走りのレベルは非常に高い。
アウトランダー:PHEVシステム

現時点で最も優れた電動化パワートレーンによる動力性能と独自の駆動力制御システム「S-AWC」による走りは未来を感じさせる。
ティグアン/オンロード性能

アウトバーン育ちのティグアンはハンドリングや高速安定性が一枚上手。DSGは街中では若干ギクシャクするがダイレクト感は良好だ。