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更新日:2019.07.10 / 掲載日:2019.07.10
ダイハツ タントがフルモデルチェンジして登場! 装備が充実しても価格は据え置き!

ダイハツ タント(左)とタント カスタム(右)
文と写真●大音安弘
ダイハツのエポックメイキングな軽ワゴン「タント」が4代目にフルモデルチェンジ。2003年の初代が開拓した新ジャンル「軽スーパーハイトワゴン」は、軽市場の中心的な存在へと成長を遂げており、歴代タントだけでも200万台以上が愛用される大ヒットシリーズだ。また新型は、ダイハツの新たなクルマづくり「DNGA」による第一弾商品でもある。ママ層を中心に根強い支持を受けるタントの新たな姿を紹介したい。
ダイハツ新型タントの価格は122万400円から187万3800円

愛らしいマスクとプレーンなスタイルを持つ親しみやすい新型タントの標準車
ダイハツ工業は、2019年7月9日、都内にてダイハツの軽スーパーハイトワゴン「タント」のフルモデルチェンジを発表した。新型車の開発キーワードは、「新時代のライフパートナー」を掲げ、これまで中心だった子育てファミリーだけでなく、拡大するシニア層までをカバーする新時代のファミリカーが目指された。
最大の特徴は、新開発プラットフォーム「DNGA」による高い基本性能、使い勝手の良さ、先進安全技術の採用などトータルで大幅な向上を遂げながらも、ほぼ従来型同様の価格帯を維持したことにある。注目の価格帯は、標準車が122万400円から168万4800円。ドレスアップモデルの「カスタム」が154万9800円から187万3800円となる。
ダイハツ新型タントはふたつのデザインと11色のカラーバリエーションが存在

ボディカラーは、標準車が9色。カスタムが2トーン3色を含む11色
全高1755mmのトールボディは、これまで同様に、愛らしいマスクとプレーンなスタイルを持つ親しみやすい標準車と、専用のクールなフロントマスクとボディ各部にアクセントパーツを装着したアダルトな「カスタム」を設定。仕様やデザインは異なるが、どちらもLEDヘッドライトとLEDテールランプを全車に標準化。助手席側ドアには、タントのアイコンとなっているセンターピラーレスが生む大開口ドア「ミラクルオープンドア」が備わる。ボディカラーは、標準車が9色。カスタムが2トーン3色を含む11色から選ぶことが可能だ。
新型タントのインテリアの注目は「ミラクルウォークスルーパッケージ」

世界初の運転席ロングスライドシートを搭載。運転席が最大540mmまでスライド可能となる
インテリアは、「ミラクルウォークスルーパッケージ」を開発。これは1370mmの室内長と1120mmの前後乗員間距離を備えた広いキャビンとミラクルオープンドアを最大限に活用しようとするもので、380mmのスライド機構付き助手席に加え、世界初の運転席ロングスライドシートを搭載。運転席が最大540mmまでスライド可能となることで、運転席と後席間の移動や大開口の助手席ドアからの運転席へのアクセスに加え、運転席に座ったままで、後席にも手を伸ばすことが出来るようになった。これにより車から降りることなく、後部座席の荷物を取ることや後席の座る子供の世話が可能になるという。<
新型タントのステアリング
新型タントのメーター
新型タントの注目装備

半ドアを防止する「助手席イージークローザー」、パワースライドドアが閉じる同時にドアロックを行う予約ボタン機能「タッチ&ゴーロック機能」を搭載
さらに利便性向上のために、半ドアを防止する「助手席イージークローザー」、パワースライドドアが閉じる同時にドアロックを行う予約ボタン機能「タッチ&ゴーロック機能」、降車時に予約ボタンを押すと、クルマに戻った時に自動的パワースライドドアがオープンする「ウェルカムオープン機能」を使用に合わせて装着。これら機能は、軽自動車初となるものだ。
基本となる多彩なシートアレンジに加え、シートそのものも見直されており、ホールド性とフィット感、座り心地も向上させている。インテリアカラーについては、標準車がグレー。カスタムがブラックとなる。
新型タントの先進安全装備

新型タントでは標準車Lの非装着グレードを除き、次世代「スマートアシスト」を標準装備
関心の高まる先進の安全運転支援機能については、標準車Lの非装着グレードを除き、次世代「スマートアシスト」を標準装備とした。ステレオカメラとソナーセンサーを組み合わせたシステムで、一部モデル標準機能とオプション機能まで含める全15種類が備わる。従来システムと同様の「衝突警告機能」、「衝突回避支援ブレーキ」、「車線逸脱警報機能」、「先行車発進お知らせ機能」、「オートハイビーム」に加え、車線から外れそうになると警告とステアリングアシストを行う「車線逸脱抑制機能」、エンジン出離力抑制とブレーキ制御で急発進を防ぐ「ブレーキ制御付誤発進抑制機能(前後)」進入禁止標識を知らせる「表域認識機能(侵入禁止)」を追加。さらにカスタムでは、ハイビームで走行中の対向車検知により対向車の部分のみを遮光する「ADB(アダクティブドライビングビーム)」が軽自動車として初搭載されている。
またオプションで「全車速追従機能付きACC」と「LKC(レーンキープコントロール)」を組み合わせた「スマートアシストプラス」(ターボ車のみ)に加え、軽自動車初のステアリング制御を含む駐車支援システム「スマートパノラマパーキングアシスト」(一部グレードのみ)も用意されている。
新型タントのメカニズム

新型タントが採用したDNGAプラットフォーム
最後にメカニズムに触れておきたい。パワートレインは、大幅改良を受けた自然吸気もしくはターボ付きの3気筒DOHCエンジンに、新開発のスプリットギア付きのCVTを組み合わせたもの。これにより効率や加速感が向上されているという。
また基本骨格となるDNGAプラットフォームは、タントの実用性や機能性を高めることに一役買っているのだが、じつは開発時の最重要事項は、操縦安定性と乗り心地にある。これらの性能を最大限引き出すために、サスペンションアレンジを最優先で開発。曲げ剛性を従来のプラットフォームよりも、約30%を向上させると共に、ボディ全体で約40kg軽量化も実現している。この新プラットフォームは、ダイハツの新型軽自動車だけでなく、AセグメントやBセグメントに相当する小型車にも採用していくとしている。幅広い車種への活用を目的しているために、軽としては贅沢な作り込みが成されているようだ。
新型タントのNAエンジン。最高出力は52ps(38kW)/6900rpm
新型タントのターボエンジン。最高出力は64ps(47kW)/6400rpm
新型タントは受注が好調。消費税増税前の納車を希望するなら急ぐ必要有り

新型タントと並ぶダイハツ工業株式会社 代表取締役社長 奥平 総一郎氏
発表会では、月販目標12500台に対して、既に16000台を受注するなど、好調なスタートを切った新型タント。コスト意識から、プラットフォームを含め、構成部品の多くがキャリーオーバーされる軽自動車で、ここまで徹底的に手が加えられるのは、かなり稀なこと。しかもプラットフォームは走りの良さを意識して開発しているのはじつに興味深い。ただそれよりも現時点でも受注が好調なことから、早い段階で納車が消費税増税後となる可能性もあるという。購入検討している人は、悩む前に、まずディーラーに出向いた方がよさそうだ。
ダイハツ タント RSカスタム (CVT)
全長×全幅×全高 3395×1475×1775mm
ホイールベース 2460mm
エンジン 直3DOHCターボ
排気量 658cc
車両重量 970kg
最高出力 64ps/6400rpm
最大トルク 10.2kgm/3600rpm
タイヤ前後 165/55R15