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更新日:2019.07.12 / 掲載日:2019.07.12

レクサス自慢のリアルスポーツの実力は? RC F/RC

●発売日:2019年5月13日 ●価格:1021万909~1404万円 ●問い合わせ先:0800-500-5577

この記事の目次

■主要諸元 RC F Performance package
●全長×全幅×全高(mm): 4710×1845×1390 ●ホイールベース(mm):2730●車両重量(kg):1720 ●パワーユニット:4968ccV8DOHC(481PS/54.6kg・m) ●トランスミッション:8速AT ●WLTCモード総合燃費:8.5km/L ●ブレーキ:ベンチレーテッドディスク(F)/ベンチレーテッドディスク(R) ●タイヤ:255/35ZR19(F) 275/35ZR19(R) ●価格:1404万円

RC Fに搭載される5L/V8ユニットは、世界的にもかなり希少な大排気量NAエンジン。下から上まで滑らかにリニアに吹き上がる。余力溢れる特性は、高性能エンジンだけが味わえる特権だ。

常に「最新のFは最良のF」の考え方だが、今回の改良の伸び幅はかなり大きい。もちろん、ジャーマン3と比べると基本設計の古さが顔を出す部分があるのも事実だが、このご時世に「大排気量NA+FR」を残したことには頭が下がる。現行モデルとしては、これが完成形だろう。

できる改良は全て盛り込んだ「F」の最終進化系が誕生

2014年のデトロイトショーで世界初公開されたRC F。「リアルF」の流儀に従い、毎年のように改良と熟成を行なってきたが、今回、初の大幅改良が実施された。

エクステリアは「レース育ちのスタイリング」をキーワードに、モータースポーツ活動で培われた知見が盛り込まれた空力デバイスを追加。インテリアはビビッドなインテリアカラーであるフレアレッド(パフォーマンスパッケージのみ)を採用する。

パワートレーンはスロットルレスポンス向上や吸排気のチューニングなどで477PS/54・0kg・mから481PS/54・6kg・mにアップ。さらにディファレンシャルギヤは2・977→3・133とローギヤード化された。運動性能向上のために標準仕様はマイナス20kg、パフォーマンスパッケージはカーボンパーツの積極的採用により70kgの軽量化を実現している。

フットワーク系も見直され、アルミ製のアッパーサポート/リヤトーコントロールアームブラケットや、ZF-SACHS製リニアソレノイドAVS、ミシュラン・パイロットスポーツ4Sなどを採用している。

今回の試乗ステージはリアル「F」の聖地である富士スピードウェイだが、実は筆者はアメリカ・パームスプリングスで開催された国際試乗会に参加しており、一般道やワインディング、ハイウェイも試乗済み。その辺りも織り交ぜながら紹介していきたいと思う。

従来型はどちらかと言うとアメリカンスポーツ的なイメージで、ステアフィールや足さばき、クルマの動きはスポーツモデルながらモッサリしていたが、新型は穏やかながらも全てがスッキリした印象。サスペンションもより正確に動いているイメージで、ベース車のRCよりも快適に感じるくらいだ。さらにパフォーマンスパッケージは、ドライブモード・ノーマルだと「本当にサーキットスペック?」と思うくらい、軽やかかつ快適な足さばきを見せる。

パフォーマンスパッケージはより研ぎ澄ました印象。標準仕様よりもノーズの入りの良さはもちろん、S字のように切り返しが必要なコーナーでは無駄な動きを抑えた身のこなしと、しなやかな足さばきを見せた。感覚的には1クラス小さいサイズのクルマに乗っているようなイメージで、リズムよく軽快に走れる。また、空力デバイスの恩恵も大きく、200km/hオーバーでも接地感が薄れず、安心感に大きく寄与している。また、電子制御を全OFFにしてもヒヤッとするような動きは抑えられ、クルマの動きは穏やかかつ予測しやすい。クルマが軽くなったことで、ハンドリングの懐も深くなっているのだろう。

一方、RCは見た目の変更がメインと思いきや、シャシー性能も大きく手が入っており、フラット感や路面の凹凸のいなし方などはLCにかなり近い。旧プラットフォームでも、レクサスの目指すすっきりと奥深い走りが実現されていると感じることができた。

【RC】

内外装には古さも感じるが、走りの質感は空力改善やサスペンションの最適化により、LCの弟分と言っていい乗り味に深化している。パワートレーンは3タイプ選べるが、RC Fの存在を考慮すれば、RCは2.5L直4+モーターのハイブリッドモデルが最も合っている。

■主要諸元 RC300h F SPORT
●全長×全幅×全高(mm): 4700×1840×1395 ●ホイールベース(mm):2730 ●車両重量(kg):1740 ●パワーユニット:2493cc直4DOHC(178PS/22.5kg・m)+モーター(105kW/300N・m) ●トランスミッション:8速AT ●JC08モード燃費:23.2km/L ●ブレーキ:ベンチレーテッドディスク(F)/ベンチレーテッドディスク(R) ●タイヤ:235/40R19(F) 265/35R19(R) ●価格:652万円

他のレクサスモデルにも採用されている2.5Lハイブリッドは、回して楽しむパワートレーンではないが、モーターアシストがもたらす余力感を活かしながら、ゆったり流すには最適。

  • 贅を尽くした内装仕立てはまだまだ魅力的だが、最新のキャビン設計が採用された最新レクサスモデルと比べると、ナビやインターフェイスまわりに不満を感じるのも事実だ。

  • 鮮やかなレッドカラーで統一されたフレアレッド内装は、今回のマイナーチェンジで新設定されたカラー。

  • オーナメントパネルもレッドカーボン化されるなど、所有欲をくすぐる演出も見逃せない。

  • ブレーキ系も、カーボンセラミックブレーキ+前後レッドブレーキキャリパーと高性能化も抜かりなし。

  • パフォーマンスパッケージは、カーボンリヤウイングなどの高機能パーツを装着することで標準仕様と差別化。

  • 今回の改良では「レース育ちのスタイリング」というコンセプトを崩すことなく、フロントスポイラーやサイドのロッカーモールの形状を変更することで、空力性能の向上も図られた。

  • 専用チタンマフラーやカーボンパーツなど、「F」ならではのスペシャリティの演出も巧みだ。

提供元:月刊自家用車

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