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更新日:2021.04.01 / 掲載日:2021.03.31
【レクサス 新型コンセプトカー LF-Z Electrified】ブランド変革の旗印を公開

レクサス EVコンセプトカー LF-Z Electrified
文●大音安弘 写真●レクサス
レクサスインターナショナルは、2021年3月30日、EVコンセプトカー「LF-Z Electrified(LE-Zエレクッデットファイド)を世界初公開した。
オンラインイベント「LEXUS CONCEPT REVEAL SHOW」にて発表された新EVコンセプトカーは、2019年に発表した電動化ビジョン「Lexus Electrified」に基づき、2025年までの実現を見据えた走りやデザイン、技術を搭載したモデルだ。レクサスは、このコンセプトカーをブランド変革の象徴だという。

LF-Z Electrified イメージ
LF-Z Electrified イメージ
LF-Z Electrified イメージ
LF-Z Electrified イメージ
LF-Z Electrified イメージ
専用EVプラットフォームを採用し基本性能の大幅な進化を目指す

LF-Z Electrified EV専用プラットフォーム イメージ
そんなEVコンセプトカー「LF-Z Electrified」は、電動化ビジョンLexus Electrifiedで目指す「車両基本性能の大幅な進化」を実現するため、まったく新しいEV専用プラットフォームを採用しているのが大きな特徴だ。これによりバッテリーやモーターの最適配置による理想的な車両構造を実現。バッテリーをフロア下に搭載することでフレームの高剛性化や低重心化を図り、路面からの微細な振動や不快な音を防ぐとする。これによりレクサスの原点である静粛性や乗り心地を格段に進化させ、快適な移動空間に仕上げている。
次世代の走りを担う2モーターで構成される駆動システムは、新たな四輪駆動制御「DIRECT4(ダイレクト4)」を採用することで、高トルクモーターの駆動力を自在に制御。前後を独立して制御することで、FF、FR、4WDなど走行シーンに応じた適切な駆動方式を提供可能とした次世代4WD車となる。ドライバーのアクセル、ブレーキ、ハンドル操作に応じて、最適な駆動配分を行えるので、力強い加速はもちろんのこと。爽快なコーナリングも味わえるとする。またステアリングは、バイワイヤー式とし、直感的な操作を可能としているという。
次世代EVのパワーユニットの性能は、最高出力400kW、最大トルク700Nmと超強力なもの。最高速度は、安全面も考慮し、200km/hに留めているが、その実力を存分に発揮できる0-100km/h加速は、わずか3秒とスーパースポーツカー並みだ。しかも90kWhの駆動バッテリーを搭載し、600km(WLTP)の航続距離を確保しているというから、実用性も高い。
レクサスデザインのアイコンであるスピンドルグリルも新しい表現に

LF-Z Electrified デザインスケッチ
クロスオーバークーペ風に仕立てられたLF-Z Electrifiedのデザインは、将来のレクサスデザインのスタディモデルでもある。そのエクステリアは、シンプルで艶のある造形と独自性を目指したとする。その特徴は、EVならではの低いノーズ、疾走感を感じさせる後方に迫り上がるシルエット、高性能モーターによる力強さを連想させる大径タイヤなどが挙げられる。
レクサスデザインのアイコンであるスピンドルも新たなページを開く。これまでの象徴的なグリルだけでなく、ボディ全体でスピンドルを表現したスピンドルボディに発展させている。またリヤテールも、シンプルな横一文字の薄型リヤコンビネーションランプとレクサスロゴを組み合わせた新デザインが提案された。

LF-Z Electrified エクステリア
LF-Z Electrified デザインスケッチ
LF-Z Electrified デザインスケッチ
LF-Z Electrified エクステリア
LF-Z Electrified エクステリア
インテリアにはひととクルマの関係を深化させた「Tazuna」コンセプトを導入

LF-Z Electrified インテリア
コクピットは、レクサスが創業当初から根幹としてきた「人間中心」のデザインをより深化させた新コンセプト「Tazuna」に基づきデザイン。乗馬の際、手綱一本で意思疎通を図る人と馬の関係性に着想を得たもので、運転に集中しながら、各種機能の操作が可能なドライバーズエリアを構築した。
次世代の先進機能も搭載されており、ドライバーの嗜好や行動特性を学習したAIがドライバーを常にサポート。音声コミュニケーションによる操作に加え、AIはコンシェルジュとしても活躍する。さらにスマートフォンを活用したデジタルキーや乗降時の安全性にも貢献するドア開閉システムなども採用され、デジタル技術を活用した快適且つ安全なカーライフが提案されている。
LF-Z Electrified インテリア
LF-Z Electrified インテリア
LF-Z Electrified インテリア
LF-Z Electrified インテリア
レクサスの電動化戦略と新たなる開発拠点を発表

トヨタテクニカルセンター下山に新設されるレクサスの開発拠点
レクサスの電動化戦略は、現在、約90の国と地域で、9車種のHVやEVを展開しているが、2025年までには世界各国や地域のニーズに応じて、10以上のEV、PHV、HVなどの電動車を展開する予定だ。レクサス全体では、それら電動車を含め、約20車種の新型や改良型モデルの計画を予定していると公表。そのうち2車種は、2021年内に投入することも予告された。プレゼンテーションを行ったレクサスインターナショナルの佐藤 恒治プレジデントは、これまで想像したことないレクサスを提供していくために、新たなレクサス開発拠点の開設も明かした。
新たなレクサス開発拠点が開設されるのは、トヨタの開発拠点として整備が進められるトヨタテクニカルセンター下山(愛知県)だ。既に運用が開始されているテストコースは、ドイツ・ニュルブルクリンクでの経験も活かされた多様性に富んだコースだ。ビッグマイナーチェンジを受けた新型ISの走行テストでも、同コースが使用されたことが話題となった。その敷地内に、レクサス専用の拠点を2024年3月にオープンさせる。この施設にはレクサス開発に携わるメンバーが集結され、チーム一丸となって「もっといいクルマ作り」を目指す。
トヨタテクニカルセンター下山に新設されるレクサスの開発拠点
トヨタテクニカルセンター下山に新設されるレクサスの開発拠点
トヨタテクニカルセンター下山に新設されるレクサスの開発拠点
トヨタテクニカルセンター下山に新設されるレクサスの開発拠点
さらに加速するレクサスの今後に期待

レクサスは2025年までにEVと従来のガソリンエンジン車を合わせ約20車種の新型を投入予定
今後、レクサスでも電動車が主力となるのはもちろんだが、EVやPEHVなどモーター主体のモデルだけでなく、目的やニーズを見据えたフレキシブルな展開が行われるようだ。とくに人気のSUVは、モデルライフが長いものも多いため、新世代へのシフトのタイミングはそう遠くないだろう。またそれらにはこの新EVプラットフォームが活用されるモデルもあるはずだ。開発体制の強化にも乗り出した今、レクサスから近い将来、どんな新型車が提案されるのかも要注目だ。