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更新日:2021.04.22 / 掲載日:2021.04.22

【フルモデルチェンジ ホンダ 新型ヴェゼル】後席のゆとりと上質感を高めた2代目

新型ヴェゼル

新型ヴェゼル

文●大音安弘 写真●ユニット・コンパス

 今や幅広い選択肢が登場した日本のコンパクトSUV市場だが、その牽引役となったのが、ホンダ ヴェゼルだ。従来型となる初代は、国内累計販売台数だけでも45万台を突破。国内SUV販売1位を4年間も達成するなど大活躍。一世代でホンダを代表する1台に成長を遂げた。そんなヴェゼルが、ついに初のフルモデルチェンジを行い、第2世代へと進化した。

クーペライクなデザインを取り入れたエクステリア

新型ヴェゼル エクステリア

新型ヴェゼル エクステリア

 2021年4月23日より販売が開始される新型は、「AMP UP YOUR LIFE(アンプ アップ ユア ライフ)」をコンセプトに、乗って愉しく、眺めて美しく、ワクワクして毎日の生活が豊かになるクルマを目指し、ターゲットをジェネレーションCと呼ばれる拘りと好奇心の強い若い世代をメインとしている。とはいえ、ホンダ伝統のM・M思想に基づく顧客の使い勝手良いクルマ作りや独自のユニークな最新技術を取り入れることで、ホンダ車らしさを追求。今、提供できる究極のホンダSUVとして送り出された。

 そんな新型エクステリアは、がらりと変わったように思えるが、初代同様にスポーティかつカジュアルなクーペSUVに仕上げられている。ただフロントマスクはSUVらしい力強さを与えることで、ヴェゼルのSUVとしての進化を表現。その一方で、クーペライクなポロポーションを受け継ぐことで、街角でも映えるファッショナブルさも追及されている。迫力のデザインから、一見ボディサイズの大型化が懸念されるが、なんと従来型同等をキープ。全長4330mm×全幅1790mm×全高1590mm(※e:HEV PLaY)と、全長と全幅(※仕様により同サイズ)は同じで、逆に全高を20mm抑えることで、ワイド&ローなスタイルを強調。但し、ガラスエリアを拡大することで、従来型で課題であった後席の開放感が実現されている。ホイールベースも共通なので、取り回しの良さも同等以上が期待できるのだ。

後席の居住空間を改善し、ファミリーカーとしても使いやすくなった

新型ヴェゼル インテリア

新型ヴェゼル インテリア

 初代では包まれ感を重視していたインテリアは、SUVらしいゆとりと機能性を追求。全高を抑えながらも、運転席のアイポイントを10mm高めることで、運転のし易さを向上させた。ダッシュボードデザインも直線デザインに。インフォテインメントシステムも、オンダッシュとなった。ビジュアル面だけでなく、操作性でも質感向上も目指された。そのひとつがエアコンパネル。ダイヤルスイッチの操作感を高め、運転中の調整もし易くなった。なによりもガラスエリアが拡大されたことで、室内の明るさや視認性は良好。特に後方の視界が良くなったようだ。さらに、ゆとりが望まれた後席スペースも改善。ホイールベースが従来同等ながら、足元や膝まわりのゆとりを拡大。ファミリーカーとしても使いやすくなっている。もちろん、初代同様にチップアップ機構が備わるので、後席の積載性の高さも初代に劣らない。

 純正インフォテイメントシステムは、ナビやエンタメなど幅広い領域で使い勝手と質感を追求。通信機能「Honda CONNECT」による自動地図更新サービスや車内Wi-Fi機能、スマートフォンによる施錠と開錠、さらにエンジン始動まで行える「Hondaデジタルキー」などのサービスが提供される。特に通信機能は、様々なアプリとの連携が進められ、音楽配信サービスなどを車内で簡単な操作で楽しめるのも魅力。そのリスニング環境を進化させるべく、上位グレードには、10スピーカーにアップグレードさせる「プレミアムオーディオ」も用意。このシステムは、ホンダとパイオニアが共同開発した専用システムとなる。音楽好きには嬉しいオプションとなりそうだ。

  • 新型ヴェゼル フロントシート

    新型ヴェゼル フロントシート

  • 新型ヴェゼル リアシート

    新型ヴェゼル リアシート

  • 新型ヴェゼル サンルーフ

    新型ヴェゼル サンルーフ

  • 新型ヴェゼル ステアリング

    新型ヴェゼル ステアリング

  • 新型ヴェゼル インフォテインメント

    新型ヴェゼル インフォテインメント

  • 新型ヴェゼル スイッチ類

    新型ヴェゼル スイッチ類

  • 新型ヴェゼル ラゲッジルーム

    新型ヴェゼル ラゲッジルーム

  • 新型ヴェゼル ラゲッジルーム

    新型ヴェゼル ラゲッジルーム

  • 新型ヴェゼル ラゲッジルーム

    新型ヴェゼル ラゲッジルーム

パワーユニットはハイブリッドの「e:HEV」が主役

新型ヴェゼル パワートレイン

新型ヴェゼル パワートレイン

 パワーユニットの主力は、ガソリンハイブリッド「e:HEV」とエントリーを担うガソリンエンジン車の2タイプを用意。「e:HEV」は、2モーターハイブリッドシステムと新開発1.5LDOHC i-VTECエンジンを組み合わせたもの。エンジン最高出力が106ps、エンジン最大トルクが127Nmを発揮する。但し2モーターハイブリッドは、モーター走行領域の広さが強み。そのモーターの最高出力は131ps、最大トルクも253Nmとパワフルだ。燃費消費率は、25.0km/L~22.0km/L(WLTCモード)と優秀だ。さらにe:HEVの4WDは、SUVに相応しい高性能化が図られており、発進、加速、旋回性能が大幅に磨かれただけでなく、悪路走破性も向上。アウトドアシーンでの活躍にも応えるSUV性能の新たな武器となっている。エントリーモデルとなるガソリンエンジンは、新開発1.5LDOHC i-VTECエンジンと新しいCVTを組み合わせたもの。最高出力が118ps、最大トルクが142Nmを発揮。燃費消費率が17.0km/L~15.6km/Lとバランスに優れた性能を誇る。

全車標準装備「ホンダセンシング」は内容をアップデート

新型ヴェゼル 安全運転支援システム

新型ヴェゼル 安全運転支援システム

 先進の安全運転支援システム「ホンダセンシング」は、従来型同様に全車標準化。但し、センシング機能を新システムにアップデート。センシング機能が、従来の単眼カメラ+ミリ波レーダーのシステムから、フロントワイドビュー+ソナーセンサーの組み合わせに。高速画像処理チップとのフュージョンにより、検知能力が向上されたのもトピックだ。搭載機能は、「衝突軽減ブレーキ」「渋滞追従機能付きACC」「誤発進抑制機能」「歩行者事故低減ステアリング」「路外逸脱抑制機能」「車線維持支援システム」「先行車発進お知らせ機能」「標識認識機能」「オートハイビーム」などを全車に装備化。さらに仕様により検知距離を拡大した側後方接近車警報「ブラインドスポットインフォメーション」、右左折時の視認性を高める「LEDアクティブコーナリングライト」などの全方位でのサポートを行う機能が用意されている。

ハイブリッド車を中心としたグレード構成。価格帯は従来型を意識

新型ヴェゼル 4WD・ハイブリッドシステム

新型ヴェゼル 4WD・ハイブリッドシステム

 グレード構成は、ガソリン車はモノグレードの「G」に、FFと4WDを設定。主力のハイブリッドには、標準車の「e:HEV X」、装備をアップグレードした「e:HEV Z」。そして、内外装デザインにアクセントを添え、新型ヴェゼルの世界観を広げたトップグレード「e:HEV PLaY」を用意。新提案の「PLaY」のみFF仕様だけとなるが、他グレードはFFと4WDが選択できる。新型の価格帯は、ガソリン車で227万9200円~249万9200円。ハイブリッド車が265万8700円~329万8900円。従来型ヴェゼルよりも価格が高くなった感もあるが、価格帯自体は従来型を意識した設定となっているようだ。

初代モデルを愛用するユーザーにも刺さる味付けや仕掛けを施した

新型ヴェゼル

新型ヴェゼル

 最後に基本となるプラットフォームにも触れておく。新型ものは、シンプルに表現するならば、初代のアップデート版だ。しかしながら、大ヒット作の2代目となる新型だけに、ホンダとしても失敗は許されない。それだけに見た目同様に、劇的な進化が図られているのは当然のこと。ボディの高剛性化をはじめ、ステアリングやサスペンションの性能追求により、しなやかな走りとワンランク上の乗り心地、そして走る楽しさが与えられたというから期待が膨らむばかりだ。
 新型の開発を指揮した本田技研工業の岡部宏二郎氏は、初代モデルと2代目となる新型モデルの両方の開発に携わった「Mr.ヴェゼル」というべき人物だ。岡部氏によれば、がらりと雰囲気が変わったように映る新型だが、初代で目指したヴェゼルらしさをしっかりと継承しながら、今の時代が求めるヴェゼルへと磨き上げたと話す。印象は異なるが、しっかりとヴェゼルであることが強調された。このため、新型もヴェゼルオーナーに刺さる味付けや仕掛けが盛り込まれているようだ。それだけに、新たな顧客だけを見つめたわけではなく、既存ファンの期待も裏切らない自信作が新型ヴェゼルと言っても過言ではないだろう。

ホンダ ヴェゼル e:HEV X

■全長×全幅×全高:4330×1790×1580mm
■ホイールベース:2610mm
■トレッド前/後:1545/1550mm
■車両重量:1350kg
■エンジン:直4DOHC+モーター
■総排気量:1496cc
■エンジン最高出力:106ps/6000-6400rpm
■エンジン最大トルク:13.0kgm/4500-5000rpm
■モーター最高出力:131ps/4000-8000rpm
■モーター最大トルク:25.8kgm/0-3500rpm
■サスペンション前/後:ストラット/車軸式
■ブレーキ前/後:Vディスク/ディスク
■タイヤ前後:225/50R18

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グーネットマガジン編集部

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1977年の中古車情報誌GOOの創刊以来、中古車関連記事・最新ニュース・人気車の試乗インプレなど様々な記事を制作している、中古車に関してのプロ集団です。
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また、最新情報としてトヨタなどのメーカー発表やBMWなどの海外メーカーのプレス発表を翻訳してお届けします。
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