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更新日:2021.08.18 / 掲載日:2021.08.18
日産 新型「Z」をニューヨークで初公開 「フェアレディZ」の日本発表は今冬予定
日産 新型「Z」(米国モデル)
日産は8月18日、ニューヨークで開催された特別イベントで、新型「Z」(米国市場向けモデル)を初公開した。
日産の走りへの情熱を象徴するモデルに位置付けされる新型「Z」は、2022年春に米国で発売される予定であるとともに、新型「Z」の日本仕様である「フェアレディZ」は今冬の発表を予定していることが明かされた。
魅力的なスタイリングと先進技術を採用 「ファンの手が届くスポーツカー」の基本コンセプトは不変
日産 新型「Z」(米国モデル)
「Z」は世界中のファンに愛され、これまでに180万台以上を販売、世界で最も売れているスポーツカーの一つに数えられる。
新型モデルは歴代モデル同様、「ファンの手が届くスポーツカー」という基本コンセプトはそのままに、魅力的なスタイリングと先進技術を採用し、オールドファンから将来のファンまで、すべてのユーザーへワクワクする走りを提供するモデルとして開発された。
米国市場向けの新型「Z」は「Sport」と「Performance」の2グレードに加え、240台の限定生産となる「Proto Spec」を用意。
両グレードともVR30DDTTエンジンを搭載し、6速マニュアルトランスミッション(MT)か、新開発の9速オートマチックトランスミッション(AT)を選択可能。
また、「Proto Spec」には、専用の黄色いブレーキキャリパー(Zロゴ付)、ブロンズカラーのアルミホイール、黄色がアクセントの本革シートと、黄色のステッチをインテリアの随所に採用した。
今回の発表に際し、日産の最高執行責任者(COO)であるアシュワニ・グプタは「日産にとって『Z』とは、私たち自身の一部であり、長年にわたるお客さまへのコミットメントです。私たちは『Z』を通して、最新のスポーツカーのデザイン、パフォーマンス、そしてワクワクをお届けしています。50年以上もの間、『Z』は手の届く夢のスポーツカーであり続けています。このことは、時代を超えた『Z』の魅力であり、数え切れないほどの従業員の献身的な取り組みと情熱によって実現しています。私たちは、これまでと将来の世代へ『Z』のワクワクをお届けしようとしているのです」とコメントした。
ドライバーとの一体感を重視した爽快なパフォーマンス キーワードは“最高の『ダンスパートナー』”
1969年デビューの初代モデル以降、「Z」の特徴として継承してきたのが、どんな道を走っていてもドライバーが常にクルマとのつながりを感じられる一体感。
新型モデルでもその特徴を継承しており、チーフプロダクトスペシャリストの田村宏志氏は「目指したのは、史上最高の『Z』をつくることでした。これまで『Z』は常に進化し、人の本能を刺激することで、ワクワクするドライビングを提供し続けてきました。新型『Z』は、パワフルで俊敏なだけでなく、ドライバーとの一体感をさらに高め、最高の『ダンスパートナー』となることを目指しました」と語る。
新開発の3リッターV6ツインターボエンジンは最高出力400馬力(405PS)、最大トルク350lb-ft(475Nm)/5,600rpmを発生、出力を大幅に向上させるとともに、シャープでスムーズなレスポンスを実現した。
6速MTにおいては、大トルクのVR30DDTTエンジンに対応するため、クラッチディスクとギヤトレインを強化。
また、新設計のシンクロナイザーシステムの採用やシフトプロファイルの変更により、ドライバーの意のままのスムーズなシフトチェンジを可能にした。
いっぽう、新開発の9速ATは、幅広いギアレンジにより、ダイレクトで素早いレスポンスを実現。
また、走行モードは通勤や高速道路でのロングドライブに最適なスタンダードモードと、ポテンシャルを最大限に引き出すスポーツモードを選択可能。
スポーツモードは、より速い加速制御に加え、ステアリングやVDCに専用制御を採用し、ワインディングロードをキビキビと駆け抜けるのに最適な設定とした。
さらに、日産の後輪駆動車として初めて、クラッチ操作でエンジン回転数を保持し、停止状態からの加速性能のポテンシャルを最大限発揮するアドバンストローンチアシストコントロールシステムを搭載した。(AT全車、MT車は「Performance」グレードのみ)
ハンドリング性能においては、高速走行時やコーナリング時のレスポンス性を高めるためにボディ剛性を向上、さらにラックアシストタイプEPSやワイドフロントタイヤなどを採用することで、コーナリング性能を最大13%向上させた。
そして前後のダンパーには、新設計の大径モノチューブダンパーを採用。
減衰力を現行より約20%低減させることで路面突起乗り越し時のショックを低減し、モノチューブ式の強みである高応答性を活かすことで路面追従性を向上、高い操縦安定性を実現した。
また、アルミ製ダブルウィッシュボーン式フロントサスペンションは、キャスター角を増やすなどしてジオメトリーを変更し、直進安定性を向上させた。
洗練性と歴代「Z」へのオマージュを両立させたエクステリアデザイン
新型「Z」はデザインテーマに「伝統と最新技術の融合」を掲げ、洗練されたエクステリアと、歴代の「Z」へのオマージュを感じさせるデザインに仕上げられた。
グローバルデザイン担当専務執行役員のアルフォンソ・アルバイサは、「デザイナー達は、多くの『Z』オーナーの声に耳を傾け、歴代『Z』の成功の秘訣を探りながら、数え切れないほどのスケッチを重ねました。そして、新型『Z』には、過去から未来へとつながるデザインを採用しました」と語る。
エクステリアは、伝統的な後輪駆動のスポーツカーのデザインを踏襲し、ロングフードや低重心のリアスタンスなど、初代モデル(S30型)をはじめとする歴代「Z」へのオマージュを込めたシルエットに仕上げられた。
その一端としては、ノーズから四角いテールエンドに向かって流れるようなルーフラインや、フロントフェンダーよりもわずかに低く設定されたテール部分などが、独特のサイドシルエットを描いている。
LEDヘッドライトのデザインは、240ZG(S30型)を彷彿とさせる2つの半円をイメージし、新型「Z」のアイデンティティと調和したものに。
また、リアコンビネーションランプは、Z32型を彷彿とさせるデザインに最先端の技術を組み合わせ、新たに3DシグネチャーLEDテールランプを採用して「Z」らしさを表現した。
「Performance」グレードには、リアの浮き上がりを抑えるリアスポイラーを採用、フロントスポイラーはGT-Rの開発で培ったノウハウが活かされた。
ボディカラーは、モノトーン3色と、新色の“セイランブルー”と“イカズチイエロー”を含む2トーン6色(いずれもスーパーブラックルーフ)が用意された。
先進技術とヴィンテージ感の融合が際立つインテリアデザイン
車両の操作性に直結するインテリアデザインは、先進技術にヴィンテージ感がプラスされ、スポーツカーとしての理想形を追求したものとなった。
センターコンソールは3つのエリアに分けられ、インストルメントパネル上の3連メーター(ブースト計、ターボスピード計、電圧計)は、ドライバーの視認性を考慮した配置に。
コックピットは日産ドライバーである松田次生選手等からもアドバイスを受け、スポーツカーとしてのコックピットの理想を追求。
12.3インチ・フルデジタルメーターディスプレイを一新し、エンジン回転計の針が真上を指すと同時に、シフトアップインジケーターが点滅してドライバーにシフトアップを促すなど、重要な情報を一度に表示可能に。
また、ドライバーの好みに合わせて変更できる3つの表示モードも用意された。
新設計のシフトレバーは、マニュアル、オートマチックともに、握りやすさと快適性を追求。
また、深いスポークを採用したステアリングホイールは、伝統的な美しさを損なうことなく、ドライバーが素早く操作できるようデザインされた。
シートは、GT-Rの開発で培ったノウハウを注ぎ、ホールド性とフィット感を向上させた。
シートバック素材にスエードを多用することで、身体の横ブレを抑えて快適なドライブを実現するとともに、コーナリング時の身体の動きを抑制する働きを高めた。
インテリアカラーは、グラファイト、レッド、ブルーの3色を用意。
特別限定仕様車「Proto Spec」では、インストルメントパネルのステッチをはじめ、室内の随所に黄色のアクセントが施された。
また、シート素材を重ねることでグラデーション効果と立体感を演出している。
米国仕様車主要諸元
Nissan Z (Sport) | Nissan Z (Performance) | Nissan Z (Proto Spec) | |
エンジン | VR30DDTT 3.0L V-6 ツインターボ | ||
最高出力 (hp) | 400 | ||
最大トルク (lb-ft) | 350 @ 5,600 rpm | ||
トランスミッション | 6速マニュアルトランスミッション パドルシフト付き9速オートマチック | ||
主ブレーキ | 前:ベンチレーテッドディスク/4輪アルミキャリパー対向ピストンブレーキ 後:ベンチレーテッドディスク/4輪アルミキャリパー対向ピストンブレーキ | ||
全長 ×幅×高さ(インチ) | 172.4×72.6×51.8 | ||
ホイールベース (インチ) | 100.4 | ||
タイヤサイズ | 前: 245/45R18 9J 後: 245/45R18 9J | 前: 255/40R19 9.5J 後: 275/35R19 10J | 前: 255/40R19 9.5J 後: 275/35R19 10J |