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更新日:2022.01.25 / 掲載日:2021.12.01
ロッキー/ライズ「e-SMART HYBRID」徹底チェック
ベストセラーSUVに待望のハイブリッド車が投入されることもあって、大きな注目を集めている新型ロッキー&ライズ。
「走り」と「燃費」の2つの武器と魅力的な価格設定もあって、相当な人気モデルになるのは間違いなさそうだ。
待望のハイブリッドモデルを投入!
発電エンジンも省燃費仕様
実燃費の良さにも期待大
日本は2050年までにカーボンニュートラルの達成を目指している。つまり25年余の移行期間が必要ということだ。もちろん技術的な課題やインフラ整備を考えれば、短期間での全面移行は無理だろう。ならば、移行期間の二酸化炭素排出量の削減は重要な意味を持つ。そこで燃費に優れたハイブリッド車のさらなる普及が求められるというわけだ。
ロッキー&ライズに新たに採用されたe-SMART HYBRIDは、エンジンによって発電された電力によりモーターを駆動するシリーズ式ハイブリッドになる。トヨタ系モデルで採用されているTHS Ⅱを用いないのは、低コストであることも目的としたためだ。実際、ダイハツは今回投入するハイブリッドシステムを軽自動車クラスまで展開することを視野に入れている。
電気自動車と同様の駆動系を用いるシリーズ式は、モーターの特性から高速になるほど効率が低下する傾向があるが、平均車速が低い短中距離用途向けのモデルとは相性がいい。ロッキー&ライズが属するリッターカークラスや軽自動車にとっては最善の組み合わせといえるだろう。
さらに発電を担当するエンジンも、強タンブル流吸気や大容量クールドEGR、内径行程比1.28の超ロングストロークなどの高熱効率設計を用いた、新開発の1.2ℓ3気筒を採用。このエンジンは今回同時に投入されるガソリンNA車にも採用されている、燃費性能を最重要視したユニットだ。エンジン発電の段階から燃費改善の工夫が注がれたことで、e-SMART HYBRIDはシリーズ式としてはかなり良好な燃費を実現している。
低コスト化の工夫の中には、効率向上を狙ったバッテリー容量や構成ユニット数の削減が含まれるが、ブレーキシステムの簡略化も見逃せない。ハイブリッド車は回生油圧協調の電子制御ブレーキを用いると効率がいいが、ロッキー&ライズは標準的な油圧式を採用しており、回生強化ドライブモードを組み合わせることで回生効率の向上を図っている。この考え方は、同じシリーズ式で油圧ブレーキを採用している日産のe-POWERと同様の発想だ。
これらコストを意識した選択もあって、ハイブリッド車の価格はガソリン車の約30万円高に収まる。ヤリスやカローラクロスの価格差が35万円強であることを考えると圧倒的とまではいえないが、ハイブリッドの最上級グレードでも235万円以下にしていることはお見事だ。
DAIHATSU ロッキー



主要諸元(Premium G HEV)
●全長×全幅×全高(㎜):3995×1695×1620 ●ホイールベース(㎜):2525 ●車両重量(㎏):1070 ●パワーユニット:1196㏄直3気筒DOHC(82PS/10.7㎏・m ※発電専用)+モーター(78kW/170N・m) ●WLTCモード総合燃費:28.0㎞/ℓ ●ブレーキ:ベンチレーテッドディスク(F)リーディング・トレーリング(R) ●サスペンション:マクファーソンストラット式(F)トーションビーム式(R) ●タイヤ:195/60R17

TOYOTA ライズ


主要諸元(ハイブリッド Z)
●全長×全幅×全高(㎜):3995×1695×1620 ●ホイールベース(㎜):2525 ●車両重量(㎏):1070 ●パワーユニット:1196㏄直3気筒DOHC(82PS/10.7㎏・m ※発電専用)+モーター(78kW/170N・m) ●WLTCモード総合燃費:28.0㎞/ℓ ●ブレーキ:ベンチレーテッドディスク(F)リーディング・トレーリング(R) ●サスペンション:マクファーソンストラット式(F)トーションビーム式(R) ●タイヤ:195/60R17
新ロッキー&ライズ 注目の改良ポイントはここだ!
最小クラス向けに開発された「e-SMART HYBRID」を初めて採用
エンジンで発電して電動モーター駆動、つまりハードウェア構成は発電機を搭載した電気自動車と考えると分かりやすい。ただし、バッテリー容量は大幅減は必須であり、バッテリーとエンジンの二人三脚で駆動電力供給を行う。また、他のハイブリッドシステムに比べると高効率の速度域が狭いのがウイークポイントだが、ダイハツはスモールクラスや軽自動車など短中距離用途でのコスパの良さを重視してシリーズ式を選択したわけだ。低コスト化はシステムの要点であり、駆動モーターやバッテリー容量設定、油圧式フットブレーキなどでコストを下げる工夫が感じられる。



ガソリン車のラインナップも変更、新開発1.2ℓ直3エンジン(WA型)を投入
ポンピングロスの削減、爆発圧力の向上と効率的な動力への転換が、熱効率向上の要点。それを実現するため大容量クールドEGRの導入とEGRによる着火性を補うことで燃焼伝播速度を高めるストレートポートの強タンブル流吸気を採用している。ガソリン車仕様は幅広い回転域を使う小排気量エンジンらしく最大トルク発生回転数は4500回転。ハイブリッド仕様は最高出力/最大トルクとも低めに抑え、高効率域での稼働を重視した設計になっている。




安全&運転支援機能も強化、スマートアシストも新タイプへ
運転支援機能のスマートアシストは、タフトから採用された新型ステレオカメラを用いる最新システムにグレードアップされた。全グレードに対歩行者対応の衝突回避、操舵支援型車線逸脱抑制、標識認識機能等が標準装備され、L以外はBSMとRCTA、俯瞰式全周モニター、操舵を自動化した駐車支援システムのOPも用意されている。高速長距離走行で効果の高いA㏄は停車維持機能を備えた全車速型、LKAは走行ライン制御型を採用している。



新型ロッキー ●主要諸元/装備比較/ボディカラー

ブラックマイカメタリック×コンパーノレッド ブラックマイカメタリック×シャイニングホワイトパール ブラックマイカメタリック×スムースグレーマイカメタリック コンパーノレッド スムースグレーマイカメタリック
ブラックマイカメタリック シャイニングホワイトパール レーザーブルークリスタルシャイン マスタードイエローマイカメタリック ナチュラルベージュマイカメタリック ファイアークォーツレッドメタリック
新型ライズ ●主要諸元/装備比較/ボディカラー

ブラックマイカメタリック×スムースグレーマイカメタリック ブラックマイカメタリック×シャイニングホワイトパール ブラックマイカメタリック×ターコイズブルーマイカメタリック シャイニングホワイトパール ブラックマイカメタリック
スムースグレーマイカメタリック ターコイズブルーマイカメタリック ファイアークォーツレッドメタリック ナチュラルベージュマイカメタリック レーダーブルークリスタルシャイン マスタードイエローマイカメタリック