DSオートモビル　フラッグシップサルーンの新型「DS9」発表

　ステランティス・ジャパンは3月17日、DSオートモビルのフラッグシップサルーンの新型「DS9」を発表、同日より全国のDSオートモビル正規ディーラーにて発売した。車両本体価格帯は6,300,000円～7,879,000円（消費税込）。

フレンチラグジュアリーの復興担うフラッグシップ

　新型「DS9」は、パリ発信のブランドとしての矜持と美意識を自動車の世界に持ち込み、フレンチラグジュアリーカーの復興を担うDS オートモビルのフラッグシップサルーン。同ブランドの最大の特徴である、フランスの文化に立脚した意匠性と伝統的装飾技法であつらえた内外装に加えて、プラグインハイブリッドシステム”E-TENSE”（イーテンス）の採用、DSアクティブスキャンサスペンションやDSコネクテッドパイロットなどといった最先端テクノロジーを融合。ヘリテージとアヴァンギャルドという相反する要素を兼ね備えた、ラグジュアリーサルーンに仕上げられた。

往年のフレンチラグジュアリーを現代的に再解釈したエクステリアデザイン

　同モデルのプロポーションは、エレガンスとフォーマル感を備える伝統的な3ボックスで構成。フロントはDSオートモビルのデザインコードを踏襲し、立体的でダイヤモンドのような輝きを演出するパラメトリック3Dグリルがあしらわれ、DSウィングと呼ばれる表情豊かな造形のフロントフェイスを形成する。全長4,940mm、ホイールベース2,895mmというサイズをのびのびと表現するキャラクターラインがサイドビューの優美さを演出。フロントフードからウィンドウ、ルーフへと続く流麗なラインも、高級感を表現する。

　フロントフードには、これまでのDSラインアップではインテリアに使われていた、”Clous de Paris”（クル・ド・パリ）文様のクロームの装飾“セイバー”（サーベルの意）をあしらう。また、リアにはパリのルーヴル・ピラミッドをモチーフにして菱形にレーザーカットされた彫刻的なリフレクターを持つテールランプを装備、クロームのセイバーで装飾し、エレガントさを強調する。

　これら外装にあしらわれたクロームのデザイン要素は、1930年代のフランスのコーチビルダーに捧げるオマージュとし、純粋な美と創造性を追求した先人たちへ敬意を表すとともに、フランスの自動車文化の再興を目指すDS9のデザイナー陣の意思をカタチにしたものであるとしている。

優美かつ快適な空間を追求した車内空間

　インテリアは同モデルの優美なイメージを体現した、フレンチラグジュアリーそのものといった空間に。2,895mmのロングホイールベースにより広い室内空間を実現し、“DSラウンジ”というコンセプトで開発されたリアシートはひざ下レッグスペース約277mmと余裕を設け、リラックスできる空間をあつらえた。
　上級グレードのオペラでは、シート表皮にルビーのような深紅が印象的なアールルビィと呼ばれるムラ染のレザーを採用。インストルメントパネル正面と上面、前後ドアトリム上部、そしてDSオートモビルのシグネチャーともいえるウォッチストラップデザインのシートにナッパレザーを使用し、各所にオートクチュールのドレスの技法を由来とするパールトップステッチをあしらった。さらに、ルーフライナーにはアルカンターラを用いている。
　一方でベースグレードのリヴォリには、シックなバサルトブラックのレザーにダイヤモンドパターンのステッチが施されたインストルメントパネルとシートを採用した。
　なお、どちらのグレードにおいても、インストルメントパネルにはウッドパネルの代わりにレザーを貼り込んでいる。

フランス発祥の格調の高さと快適性を両立した車内装備

　そのほかの車内装備も、フレンチラグジュアリーへのこだわりと、快適性を追求したものが揃う。
　8インチタッチスクリーンの上部中央には、フランスのラグジュアリーウォッチブランド「B.R.M」のアナログ時計を配置。その下には、タッチコントロールスイッチと菱形に彫りが入ったボリュームダイヤルが備わる。また、メーターパネルも菱形の反復によるグラフィックが用いられており、1920年代のフランスで生まれたアール・デコ様式の系譜を連想させる。

　オペラにはリア左右席のシートヒーターに加えて、クラス初となるベンチレーション機能を追加し、さらに頭部をやさしく包み込むラウンジヘッドレストを装備した。また、大型のセンターアームレストには、USBポートを備えたストレージとリアシートの快適装備の操作スイッチを内蔵し、くつろぎのひとときを自在にコントロールできる。

　さらに、室内の静粛性を徹底的に高めるとともに、音響にはフランス発のハイエンドオーディオブランド、FOCAL（フォーカル）とのコラボレーションによる14スピーカーと515Wの出力のサウンドシステムを採用した。

エンジンはPHEVのE-TENSEとガソリンエンジンの2種

　同モデルには、プラグインハイブリッド仕様のE-TENSEとガソリンエンジン仕様を用意。E-TENSEは、2019～2020年に2年連続でドライバーズ＆チームのダブルチャンピオンの栄冠を勝ち取ったフォーミュラEのテクノロジーをバックボーンとした、DSオートモビルの電動化テクノロジーの総称。

　プラグインハイブリッド（PHEV）はフロントに1.6L PureTechターボガソリンエンジン（200ps/300Nm）をベースに81.2kW/110psのフロントアクスル用モーターを装備。システム総合出力250ps/360Nmを発生する。0-100km/h加速は8.1秒、EVモードにおける最高速度は135km/hとなっている。また、EVモードでの走行は欧州WLTCモードで61kmを達成。満充電に要する時間は、3kW/200Vで約5時間、6kW/200Vで約2.5時間となっており、無料のスマートフォン用アプリMyDSから充電予約と状況の確認、そしてエアコンのプリコンディショニングの遠隔操作を可能としている。

　ガソリンエンジンは、1.6L PureTechターボエンジンを採用。最高出力165kW（225ps） /5,500rpm、最大トルク300Nm/1,900rpmを発揮する。ダイレクトインジェクション、ツインスクロールターボチャージャー、インテークとエキゾーストの双方に採用した可変バルブタイミングなどの先進テクノロジーを搭載。ウェイストゲートバルブの電動化、ガソリン微粒子フィルターの採用により、高効率性と良好な燃費、そして環境性能を実現している。

移動のエレガンスのためのハイテクノロジー

　運転支援機能では、レーンキープ時に左右両側の白線の中央のみならず、ドライバーが任意に左右位置を決めることができるDS コネクテッドパイロットを採用。そのほか、路面をセンシングしてサスペンションを先読み制御するDSアクティブスキャンサスペンション、6つの配光モードを自動で使い分けるDS アクティブ LED ビジョンなど、最先端のテクノロジーを取り入れた機能を採用している。

主要諸元／車両本体価格／主要装備表

主要諸元

・全長×全幅×全高：4,940mm×1,855mm×1,460mm
・ホイールベース：2,895mm
・車両重量：PHEV版／1,930kg、ガソリンエンジン版／1,640kg（ともにオペラ）

車両本体価格

主要装備表