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更新日:2022.05.31 / 掲載日:2022.05.31

トヨタ・ノア/ヴォクシー比較ガイド【注目10車vs対抗車・7】

“推し”ポイントで徹底比較!! 注目10モデル vs 対抗車

年度も替わり、2022年モデルの全容が見えてきた。そこで今回は今注目の10車をピックアップ。それぞれの長所である“推し”ポイントを、そのポイントに対抗しうるライバル車との比較を交えて解説。そのクルマの良さを具体的に浮かび上がらせてみよう。

●文:川島茂夫

今回の注目10モデル!!
1 TOYOTA RAV4
2 SUBARU フォレスター
3 HONDA ヴェゼル
4 TOYOTA ヤリス クロス
5 SUBARU レガシィ アウトバック
6 MITSUBISHI アウトランダー
7 TOYOTA ノア/ヴォクシー
8 SUBARU WRX S4
9 NISSAN ノート オーラ
10 TOYOTA アクア

注目10モデル【7】TOYOTA ノア/ヴォクシー

●価格:267万〜389万円/309万〜396万円

今年1月に待望のフルモデルチェンジを実施。先代の泣き所だった運転支援機能が強化されるなど、最新ミニバンにふさわしい実力を手に入れた。パワートレーンは2ℓダイナミックフォースエンジンのガソリン車と1.8ℓハイブリッドを設定。ノアは標準ボディ車とエアロボディ車、ヴォクシーはエアロボディ車を選ぶことができる。

装備&機能とコスパを両立
ミドルミニバンの大本命

 ミニバンがファミリーカーの定番となって久しいが、なかでも2ℓ級1BOXミニバンは、激しい競争が繰り広げられている。ノア/ヴォクシーは定番中の定番といえる存在であり、ミニバンの基準器と考えてもいい。しかも、現行型は基準のステージアップを狙って開発されており、実践的なユーザーメリットの向上に注力した設計が特徴だ。
 新開発のプラットフォームに電動系を中心に大幅改良を加えたハイブリッドシステムによる走行性能と燃費の改善。圧倒的なコスパのスライドドア連動機械式格納ステップやレクサスNXに勝るとも劣らない運転支援機能。スペックや機能装備類を見ても、新世代ミニバンと呼べる内容を持つ。
 キャビンスペースの容量は先代とさほど変わっていないが、横スライドなしでロングスライドを実現したセカンドシートや、固定フック操作不要のサードシート格納、開閉スイッチ操作がしやすいパワーリヤゲートなどの実用性向上が図られている。ちなみに手動リヤゲートも任意の位置で止める事が可能であり、上級装備限定の改善でないことも好感が持てる部分だ。
 走行性能面はガソリン車にダイナミックフォースエンジンを導入するなど、実用性能と肌身感覚の走りの質感向上が際立つ。同型エンジンを搭載するRAV4と同様にガソリン車は急加速でこそ排気量相応だが、滑らかに走らせている時の力感が向上した。ハイブリッド車はさらに余力感が高まり、実用燃費も改善されている。
 トヨタセーフティセンスも新世代型となり、ドア開閉時の二輪接触事故予防など現実的な使用環境での安全に配慮した新機能も充実している。
 すべての特徴的な装備を求めるとかなり高価格になってしまうのだが、価格アップを最小限で済ませている。コスパの面でも高く評価できるモデルだ。

ノア/ヴォクシーの【推し】!!/卓越したキャビン&ユーティリティ

“便利”を実感できる装備がズラリ
乗員快適性もコスパ良く実現
 居住性改善のポイントとして挙げられるのがセカンドキャプテンシート。従来型はロングスライドさせると幅狭ベンチになったが、新型はゆったりのラウンジ気分に浸れる。サードシートはサイドウインドウの凹みに嵌る形状で積載スペースを無駄にしない。乗降時にありがたい格納ステップは、全車にOP設定で3万3000円というお手頃価格。あちらこちらにコスパアップの工夫を感じられるのだ。

7名乗りのセカンドキャプテンシートは、前後最大745㎜のロングスライドを実現。キャビンアレンジ性がさらに高まっている。
室内左右幅は1295㎜、室内高は1405㎜と広々としたスペースを確保。1BOX型ミニバンの強みはしっかりと追求されている。
左右跳ね上げ式のサードシートは座面が薄く設計されたことで、格納時の出っ張り感を完全に克服。荷室の隅々まで活用できる。
ユニバーサルステップは、スライドドアの動きに連動して稼働する仕組み。OP価格3万3000円と安価で装着することができる。

【推し】の対抗/HONDA ステップワゴン

乗員快適性を意識したキャビン設計も見逃せない
 新型ステップワゴンも反転床下格納式のサードシートなど、歴代モデルと同様に積載にこだわったレイアウトを引き続き採用しているが、セカンドキャプテンシートにオットマン仕様を設定したり、乗員の視界を意識したシート構造など、乗員快適性を意識した設計も見所のひとつ。

車中泊に便利なフルフラットなど、多彩なシートアレンジも健在。レジャーシーンでも活躍してくれる。
上級グレードのキャプテンシートには、快適性向上に大きな貢献を果たしてくれる、オットマン機構も組み込まれている。
左右分割式のサードシートは床下に格納可能。荷室を広く使えるほか、セカンドシートを最大865㎜ロングスライドすることも可能。

ノア/ヴォクシーの【推し】!!/1ランク上の上質感

各所に工夫を凝らすことで
全体的に大きくレベルアップ
 豪華さとかプレミアムを求めるようなタイプではなく、装備機能面でも実利的な印象を受ける。高級ではなく良質という言い方が適切かもしれない。それは走りの質感も同様だ。歴代の中で最も快適性に優れたモデルなのは間違いないが、しなやかで揺れ返しの少ないサスストローク感とか乗員を左右に振り回さないハンドリングとか、優しさと安心感が強い印象を受ける。

従来から標準ボディ車とエアロボディ車が選べたが、現行型はエアロボディ車が主役になった。これも車格向上を感じる理由の一つだ。

【推し】の対抗/TOYOTA アルファード

スタイルも走りも車格感十分だが、実用&安全機能に弱みあり
 セカンドシート、とくにキャプテンシートの設えがプレミアムを象徴している。まさに「走るラウンジ」がしっくりとくる。走りも味わいも重量とサイズを感じさせる車格感を持つが、細かな振動の抑制具合や最新機能がもたらす走行時の安心感は、ノア/ヴォクシーの方が優れている。

V6ガソリン車とハイブリッド車は、車格以上の動力性能を持つ。純粋な余力感はアルファードに軍配が挙がる。
グレードによりキャプテンシートの仕様は異なるが、いずれも抜群の完成度を持つ。豪華なキャビンはアルファードの最大の武器だ。

ノア/ヴォクシーの【推し】!!/安全パッケージの充実

最新機能を
惜しみなく投入

 スマホを用いて車外からリモコン操作で駐車入出庫を行えるアドバンストパークが目をひくが、歩行者や2輪との事故回避のための警報や回避支援など日常用途でありがちな状況でのリスク低減機能も充実しているのが特徴。ファミリーミニバンとは思えないほど先進的な安全&運転支援機能が用意されている。

最新のACC&LTAが標準装着されるなど、運転支援の充実ぶりが際立つ。高速道路渋滞時(40㎞/h以下)でのハンズオフ機能も備えている。

【推し】の対抗/NISSAN セレナ

安全面ではまだまだ魅力十分
 セレナに備わるプロパイロットを核とした運転支援機能は、ハンズオフ運転こそ対応していないが、今なおトップレベルの機能を持つ。

ノア/ヴォクシーの対抗車一覧

HONDA ステップワゴン

●価格:299万8600〜384万6700円

5月26日に発表されたばかりの新型。エアー/スパーダの2タイプを設定している。

TOYOTA アルファード

●価格:359万7000〜775万2000円

ノア/ヴォクシーの1クラス上に位置するアッパーミドル級ミニバン。豪華な内装で人気。

NISSAN セレナ

●価格:257万6200〜380万9300円

乗員快適性に富んだキャビン設計、プロパイロットの実力は今なおトップクラス。

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内外出版/月刊自家用車

ライタープロフィール

内外出版/月刊自家用車

オーナードライバーに密着したクルマとクルマ社会の話題を満載した自動車専門誌として1959年1月に創刊。創刊当時の編集方針である、ユーザー密着型の自動車バイヤーズガイドという立ち位置を変えず現在も刊行を続けている。毎月デビューする数多くの新車を豊富なページ数で紹介し、充実した値引き情報とともに購入指南を行うのも月刊自家用車ならではだ。

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