クルマ徹底解説
更新日:2020.01.14 / 掲載日:2019.12.19
【BMW新型3シリーズ】各パワートレーンの諸元や採用されている技術を紹介します!

330i
文●工藤貴宏 写真●ユニット・コンパス、澤田和久、BMW
新型3シリーズのパワートレーンをもっと知りたいひとに! グレードごとに異なるユニットそれぞれの諸元や投入されている技術について解説します。
BMW 新型3シリーズのパワートレーン~日本専用エンジンのラインナップを紹介

330i
排気量2.0Lの4気筒(出力違いにより2タイプあり「320i」と「330i 」に搭載)と3.0Lの6気筒(M340i xDrive)を用意するガソリンエンジン。2.0L 4気筒のディーゼルエンジン(320d)。そして排気量2.0Lの4気筒ガソリンエンジンにモーターを追加したプラグインハイブリッド(330e)を選べる新型3シリーズ。
なかでも注目されているのが、初期生産モデルとしては欧州など他仕向け向けに設定のない「日本専用」としてラインナップされている「320i」の「B48B20A」型エンジンだ。
これは最高出力と最大トルクを「330i」の「B48B20B」型エンジンに比べて控えめ(出力72ps/トルク100Nmダウン)とすることでリーズナブルなプライスを実現。しかし単にスペックを落としただけではなく、最大トルクの発生回転数が「330i」に搭載する高出力仕様の1550~4400rpmから「320i」では1350~4000rpmと低くなっている。
BMW 320i エンジン主要諸元
型式 B48B20A
エンジン 直列4気筒DOHCガソリンターボ
総排気量 1998cc
最高出力 184ps/5000rpm
最大トルク 30.6kgm/1350-4000rpm
燃料/タンク容量 無鉛プレミアムガソリン/59
BMW 320d エンジン主要諸元
型式 B47D20B
エンジン 直列4気筒DOHCディーゼルターボ
総排気量 1995cc
最高出力 190ps/4000rpm
最大トルク 40.8kgm/1750-2500rpm
燃料/タンク容量 軽油/59
BMW 330i M Sport エンジン主要諸元
型式 B48B20B
エンジン 直列4気筒DOHCガソリンターボ
総排気量 1998cc
最高出力 258ps/5000rpm
最大トルク 40.8kgm/1550-4400rpm
燃料/タンク容量 無鉛プレミアムガソリン/59
BMW 330e M Sport エンジン主要諸元
型式 B48B20B
エンジン 直列4気筒DOHCガソリンターボ
総排気量 1998cc
最高出力 184ps/5000rpm
最大トルク 30.6kgm/1350-4000rpm
燃料/タンク容量 無鉛プレミアムガソリン/40
モーター型式 P251
定格出力 55kW
最高出力 113ps/3170rpm
最大トルク 25.5kgm/3170rpm
BMW M340i xDrive エンジン主要諸元
型式 B58B30B
エンジン 直列6気筒DOHCガソリンターボ
総排気量 2997cc
最高出力 387ps/5800rpm
最大トルク 51.0kgm/1800-5000rpm
燃料/タンク容量 無鉛プレミアムガソリン/59
BMW 新型3シリーズのパワートレーンの諸元は?旧型とはどう違う?

先代F30型3シリーズセダン
フルモデルチェンジ前のモデル(セダン:F30型/ワゴン〈ツーリング〉:F31型)のパワートレーンは、合計6タイプ。1.5L 3気筒ターボエンジンを積む「318i」、2L 4気筒ターボを積む「320i」、その高出力版を積む、「330i」(後期型ではワゴンのみ)、そこへモーターを加えた「330e」(セダンのみ)、3Lの6気筒ターボエンジンを積む「340i」、さらに2L 4気筒ターボディーゼルを積む「320d」をラインナップしていた。
現行型と比べてまず異なるのは、現行モデルには3気筒搭載車が設定されていないこと。これは現時点では本国でも導入されていない。
しかし他の仕様は新型に受け継がれているし、エンジンも基本設計は共通。とはいえ内部フリクションの低減などエンジンのリフレッシュは行われているので、たとえば「320i」用のエンジンで比較すると最大トルクは290Nmから300Nmへ引き上げられ、いっぽうで最大トルクを発生する最大回転数は4250rpmから4000rpmへと下がっている。
「330i」用のユニットはさらに差が大きい。従来モデルの最高出力252ps/最大トルク350Nmに対して258ps/400Nmと、トルクが大幅に向上しているのだ。
しかし、もっとも大幅な性能アップを実現しているのは「340i xDrive」の3L 6気筒ターボエンジンで、従来のB58B30AからB58B30Bへと型式も変更された。従来の最高出力326ps/最大トルク450Nmから新型は387ps/500Nmと出力では約2割に相当する60psも引き上げられているのだから飛躍的な性能アップを果たしたと言える。
また、「330e」ではモーターが一段とパワーアップしていることに注目したい。従来は88psだったが、新型は113psまで約3割も引き上げられた。
BMW 新型3シリーズのパワートレーンに採用された最新技術

320d xDrive M Sport
ガソリエンジンはすべてのユニットに「ツイン・スクロール・ターボ・チャージャー」や無段階可変バルブ制御システムの「バルブトロニック」などBMWが誇る最新テクノロジーが投入されている。
さらに最新世代の進化点としてあげられるのは、2.0Lエンジンの直噴システムの高精度化だ。燃料の量をより正確に計測できるようになり、クリーンな燃焼を実現。そのうえ「330i」では新型燃料ポンプの採用によって燃料噴射圧力が従来比200barも高い350barとなり、最適な燃焼がおこなわれると同時に大幅なトルクアップに貢献している。
ディーゼルエンジンは新型から「マルチ・ステージ・ターボ過給システム」を搭載してすべての領域において効率がアップ。小型の高圧用ターボ・チャージャーと大型の低排圧用可変タービン・ジオメトリー式ターボ・チャージャーを組み合わせたターボ過給システムが素早いレスポンスと前負荷領域でのトルクアップを実現し、マルチステージターボ・システム採用は燃費の向上にも役立つものだ。
またZF製の8速ATギヤボックスは、内部効率の改善や、耐振性の向上、油圧制御システムの改善などがあげられ、大きなポイントはギヤスプレッド(もっとも低いギヤの変速比ともっとも高いギヤの変速比の差)を従来の7.8から8.2へ広げたことにある。これによって高速ギヤのハイギヤード化による燃費、そして低速ギヤによるクロスレシオ化による加速性が向上している。