ソニー×ホンダ　新BEVブランド「アフィーラ」発表　2025年発売へ

　ソニーとホンダが共同出資するソニー・ホンダモビリティ（SHM）は現地時間の2023年1月4日、米ラスベガスで開催されたCES 2023にて新BEVブランド「AFEELA（アフィーラ）」を発表、その第一弾として開発中のプロトタイプを初公開した。

　同モデルは今後、2025年前半に先行受注を開始し同年中に発売、2026年春より北米からデリバリーを開始する予定としている。

新たなモビリティ価値基準創出を目指したデザイン

　プロトタイプのデザインは、新たなモビリティの価値基準の創出を目指し、今までの車両デザインに求められた個性や造形の在り方を見つめなおすとともに、積み上げられてきた価値観を磨き上げ、本質的な価値を浮き彫りにしたピュアで強いものへ昇華したという。

　エクステリアでは、フロントに搭載の「Media Bar（メディア・バー）」が特徴的で、知性を持ったモビリティが光を使い、車両外の人々へ意思を表現するとしている。また、ボディは装飾となるラインを削ぎ落とし、宇宙船を思わせるシンプルなスタイルとなった。

　インテリアは繭をイメージした、無垢でやさしいラウンド基調のデザインを採用。外観同様に装飾性を極力省き、カラーリングもシンプルさを追求した。

　車内やシート設計は快適さを追求し、ゆとりある空間を創出。頭上をガラスルーフにし、開放感も演出する。また、インテリアには環境負荷の低いテキスタイルや空気を浄化するという独自の機能性素材を使い、居心地の良さを高めている。

　フロントエリアには両端まで広がるパノラミックスクリーンを搭載。ステアリングはその画面表示を遮らない設計を採用した。開放的な空間と直感的な操作性を兼ね備えたUI（ユーザーインターフェース）で、人を中心とし、人が求める機能と体験に寄り添ったものとしている。

安全性・機能性・快適性を価値に据えた「3A」のコンセプト

　今回のプロトタイプにおいては、提供価値のコンセプトとして「3A」が掲げられている。

　「Autonomy（自律性）」では、安心安全技術の上に、快適な移動空間を提供するとし、車内外に計45個のカメラ、センサー等を搭載。室内のインキャビンカメラや、光の飛行時間を計測して対象物までの距離計測を行うToFセンサーによって、ドライバーの運転状況や走行状態をモニタリングし、交通事故防止を図る。

　また、特定条件下での自動運転機能（レベル３）搭載を目指すと同時に、市街地などより広い運転条件下での運転支援機能（レベル 2＋）の開発にも取り組むほか、最大800TOPSの演算性能を持つハードウェアには米・クアルコム社製「Snapdragon Digital Chassis」のSoCを採用予定としている。

　「Augmentation（拡張性）」においては、新たなHMI（ヒューマン・マシン・インターフェース）の提案として、クラウドサービスとの連携によってユーザーごとにパーソナライズされた車内環境を実現。さらにメタバースなどデジタル技術を駆使し、米・エピックゲームズ社との協業で新しいエンタテインメントの創出も検討していくという。

　そして「Affinity（協調性）」については、消費者や自動車産業に関わるパートナー、自動車産業の新たなエンタテインメント創出にチャレンジするクリエイターと、オープンで自由な環境を作っていくとしている。

アフィーラ プロトタイプ概要

全長：4,895mm
全幅：1,900mm
全高：1,460mm
ホイールベース：3,000mm
駆動方式：AWD
乗員人数：5人
タイヤサイズ：前・245/40R21、後・275/35R21
サスペンション：前・ダブルウィッシュボーン、後・マルチリンク