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更新日:2024.02.07 / 掲載日:2023.11.02

EVの理想は4ドアクーペ? レクサス「LF-ZC」

Japan Mobility Show 2023 注目出展モデルガイド

新しい名称になって初開催となるジャパンモビリティショー2023。例年通り、各メーカーの最新モデルや技術がお披露目されるが、その中でも特に躍進が目立つのが電動車たちだ。各メーカーからBEVやPHEVが多数展示される。ここでは注目すべきモデルの情報を、いち早くお届けしよう。

●文:横田 晃/月刊自家用車編集部

この記事の目次

LEXUS LF-ZC 《World Premiere》

主要諸元 全長:4750㎜ 全幅:1880㎜ 全高:1390㎜ ホイールベース: 2890㎜

新時代の4ドアクーペ。2026年に商品化を目指す

一充電で1000㎞走れる
駆動バッテリーを搭載

 レクサスは、2035年にBEVのブランドに変革することを目指している。今回ワールドプレミアされるコンセプトカーのLF-ZCは、その決意の表明だ。
 事前に公表された部分カット写真は精悍なスポーツカーを予感させたが、公開された実車はロー&ワイドフォルムの4ドアボディ。クーペのように傾斜したリヤウインドウを備え、いわゆるシューティングブレークにも見える。
 じつは開発者自身が、セダンでもクーペでもないこのクルマがどのカテゴリーに属するか、判断しかねていると笑う。
 それというのも、トヨタブランドのFT-SeやFT-3eと同じ最新のBEVプラットフォームをベースに、未来のレクサスとしてあるべき姿を追い求めた結果として、この形になったというのだ。
 一充電で1000㎞走れる低全高バッテリーを、ロングホイールベースの間に搭載。エアコンユニットも小型化して前方に置き、高いスペース効率と低重心を実現。広い室内を得るためにキャビンを前に出しつつ、低い着座位置と両立できたのも、新しいEV専用プラットフォームならではという。
 つまり最新のEV技術で最適化した結果実現できた、未来のクルマの理想形が、どのカテゴリーにも属さないこの形というのだ。
 全長4750㎜×全幅1880㎜はミドルクラスのワールドサイズながら、1390㎜という異様に低い全高で優れた空力性能や美しいフォルムを実現し、なおかつ実用車としての使い勝手や走りも妥協なく両立させているのが、EVであることを武器にする新しいレクサスというわけ。
 同じメカニズムを使いながらも、スポーツカーとSUVといったまったく異なるクルマに味付けできるEVの特徴は、レクサスシグネチャーと呼ばれる独自の走りの味わいの表現にも活かされる。そこで成否の決め手になるのが、開発中に評価して実際に味付けをする実験部隊のセンス。メカニズムが比較的シンプルなEVだからこそ、これからは人の能力がより大きなポイントになるだろう。
 海外、わけても北米市場では、今や販売される新車の5台に1台以上がBEVになった。その購入者層は、日々の足にするEVと趣味グルマのスポーツカー(エンジン車)といった複数所有をする富裕層が中心という。
 LF-ZCは、そうしたユーザーの日常の足になる高級EVの提案。ちなみに車名の最後のCはカタリスト(触媒)の意という。世の中を変える触媒のようなクルマという、開発者の心意気だ。

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内外出版/月刊自家用車

ライタープロフィール

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オーナードライバーに密着したクルマとクルマ社会の話題を満載した自動車専門誌として1959年1月に創刊。創刊当時の編集方針である、ユーザー密着型の自動車バイヤーズガイドという立ち位置を変えず現在も刊行を続けている。毎月デビューする数多くの新車を豊富なページ数で紹介し、充実した値引き情報とともに購入指南を行うのも月刊自家用車ならではだ。

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