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更新日:2024.04.30 / 掲載日:2023.12.29

クラウンっぽくないクラウン。だがそこが新しい【トヨタ クラウンスポーツ】

文●工藤貴宏 写真●ユニット・コンパス

 これはクラウンらしくないなあ……。「クラウンスポーツ」を前にすると、誰もがそう思うのではないでしょうか。クラウンといえば、トヨタの最上級レンジを担ってきた格式と伝統のサルーン。そう考えれば、セダンでもなく、格式高いスタイリングも見当たらない、目の前にあるクラウンスポーツは最もクラウンらしくないクラウンとなるでしょう。

シリーズでもっとも個性的なSUVモデル

クラウンスポーツ Z

 16代目となる現行型のクラウンは、4つのボディでシリーズを構成。もっともコンベンショナルなタイプの「セダン」に加え、クロスオーバーSUVスタイルのセダンとなる「クロスオーバー」、ラゲッジスペースが大きなSUVの「エステート」、そしてこの記事での主役となる「スポーツ」を名乗る全長が短いSUVスタイルのモデルも用意しています。それにしても、クラウンを構成するシリーズ4台のうち3台がSUVになるとは……。時代は大きく変わりつつあることを感じますね。

クラウンスポーツはどんなクルマなのか。ハリアーとの違いは?

クラウンスポーツ Z

 クラウンスポーツの特徴はまず、現行クラウンシリーズでもっともコンパクトなボディというところでしょう。全長は、長いほうからセダンが5030mmでクロスオーバーとエステートが4930mm。それに比べるとスポーツは210mmも短い4720mmです(全幅はセダンが1890mm、クロスオーバーは1840mmでそれ以外は1880mm)。全長が4.9mを超えるとかなり運転にも気を遣いますが、4.7mほどなら何とか扱える範囲と言えます。駐車などはそれなりに神経を使うのは否めませんけど……ね。

 とはいえ、クラウンスポーツの全長と全幅は人気のSUV「ハリアー」とほぼ同じ(ハリアーは全長4740mm×全幅1855mm)と思えば、ハードルはグッと下るでしょう。だってハリアーは街で普通に走っていますから。

 ただ、ハリアーと大きく違うのは背の高さ。ハリアーの全高は1660mmですが、クラウンスポーツは10cmも低い1560mm。SUVながらその低く構えた姿勢が「スポーツ」というわけです。

 別の観点から見ても、シリーズの中でクラウンスポーツの立ち位置が特別だとわかることがあります。それは後席スペース。前後席間距離は「セダン」や「クロスオーバー」が1000mmなのに対し、スポーツは920mmと少なめなのです。もちろん実際に座って“狭い”というほどではないわけですが、クラウンのほかのモデルとは少し考え方が違うわけです。

 どう違うかといえば、後席居住性よりもキビキビとした走りを優先したこと。ホイールベース(セダンに比べて230mm、クロスオーバーに対して80mm短い)を縮め、回頭性(クルマの曲がりやすさ)を高めているというわけです。クラウンシリーズの中では異例の、後席居住性よりも走りを優先した異端児。そう表現すれば、わかりやすいでしょうか。これまでの概念だと「SUV=スポーツ」というイメージはなく、スポーツといえば背の低いスタイルが一般的。だからこのクラウンスポーツの「車高が高いスポーツモデル」という考え方をかみ砕くのは少し時間が必要かもしれません。しかし、パッケージングを見れば設計自体がスポーツという名前に恥じない走りのためということがわかります。

 ちなみに荷室は床面の前後長959mmで容量397L。クロスオーバーのそれが1120mmで450Lなので、オーバーハングを短くして運動性能を高めるために荷室スペースも割り切っていることがわかります。

クラウンスポーツ Z

第5世代ハイブリッドシステムの実力

クラウンスポーツ Z

 気になるパワートレインは全車ハイブリッド。燃費の良さが自慢の「シリーズパラレルハイブリッド」と外部充電できるのが特徴の「プラグインハイブリッド」の2タイプが選べます。いずれもエンジンは排気量2.5L自然吸気ですが、バッテリー活用方法の違い方前者はシステム出力234ps、「RS」を名乗る後者は306psと動力性能に差がつけられているのが興味深いですね。

 より高出力のプラグインハイブリッドは、車体剛性が高められているほか、よりホールド性の高いフロントシート、パドルシフト、対向6ピストンキャリパーを前輪に組合わせた強化ブレーキ、さらには赤いインテリアを組み合わせて差別化。よりスポーティなタイプと位置付けられているようです。プラグインハイブリッドといえばエコカー的なイメージもありますが、エコであり動力性能も高いというのがトレンドなのです。

 ただ、今回試乗したのは一足先に発売したシリーズパラレルハイブリッド車。いわばスタンダードタイプです。

 まず走り始めて感じたのは、スポーツを強調する割には乗り心地がいいということ。もちろん他のクラウンシリーズに比べると硬めの足ですが、乗り味は決して不快ではなくクラウンらしい質感はしっかりとキープしていることがわかります。

 しかしながら、走りはさすがスポーツの名のもとに仕立てられたことを感じる味付け。普通に走るだけで安定感や反応遅れのない挙動は心地よく、そこからペースを上げていけば、ハンドル操作に応じてキビキビとクルマが反応し。「車体をコンパクト化してまでやりたかったのはこういうことか」というのが伝わってきます。ドライバーがクルマと一体化するためのクラウン、といえばわかってもらえるでしょうか。

 ハイブリッドシステムも、「第5世代」といわれる現行タイプはかつてに比べるとダイレクト感が大きく向上し、かつてのような「かったるさ」はすっかり感じなくなりました。ハンドリングは十分以上にスポーティ、パワートレインは納得できるスポーティさといったところでしょう。

 そしてプラグインハイブリッドの動力性能はドライバビリティも含めてシリーズパラレルハイブリッドよりもワンランク以上レベルアップしているはずですから、試乗が楽しみになってきますね。

まとめ

クラウンスポーツ Z

 そんなクラウンスポーツは果たして誰のためのクルマか?

 前提条件としては、後席の居住性は二の次でいいと言える人でしょう。決してクーペのように狭いわけではありませんが、他のクラウンシリーズよりは劣ります。それを理解したうえで、走りを楽しみたいとか、SUVのど真ん中を求めるとか、クラウンの常識を超えたクラウンを所有したいという人にはグッドチョイスなのだと思います。

 クラウンスポーツは、クラウンシリーズの中で最もクラウンらしくないモデルで間違いないでしょう。しかし、スポーティな走りや新時代を感じさせるルックスなど、クラウンという枠から外れたことで得られたものもたくさんあるのです。そして「クラウンっぽくないクラウンが欲しい」なんていう人にも似合うのではないでしょうか。

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工藤貴宏(くどう たかひろ)

ライタープロフィール

工藤貴宏(くどう たかひろ)

学生時代のアルバイトから数えると、自動車メディア歴が四半世紀を超えるスポーツカー好きの自動車ライター。2023-2024日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員。

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