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更新日:2025.02.20 / 掲載日:2025.02.20
スズキ 「日本は成長市場」 2030年度までにBEV6モデル投入へ 新中期経営計画
スズキは2月20日、新中期経営計画「By Your Side」を発表した。新たな経営目標として、“2030年代前半に営業利益率10.0%以上、ROE(自己資本利益率)15.0%以上の実現”に向け、2030年度(2031年3月期)の売上収益8兆円、営業利益8,000億円(営業利益率10.0%)、ROE13.0%の達成を目指す。
この目標に対し具体的な戦略として、日本を成長市場と捉え、ハイブリッド車の強化、2030年度までにBEV6モデル投入などを掲げた。
現中期経営計画は1年前倒しで達成

新たな中期経営計画でスズキは、「生活に密着したインフラモビリティ」を目指す姿として掲げ、顧客・社会にとって身近で頼りになる存在であり続けるため、非連続の挑戦を行う。コーポレートスローガンに「Be Your Side」を掲げ、新たな中期経営計画の名称に据えた。
現中計 経営目標 (2026年3月期) | 実績 (2024年3月期) | |
売上高 | 4.8兆円 | 5.4兆円 |
営業利益率 | 5.5% | 8.7% |
ROE | 8.0% | 11.7% |
2021~2025年度の振り返りでは、販売台数は未達ながらも為替や売上構成の改善、品質の改善等により、売上・利益目標を前倒しで達成。電動化をはじめカーボンニュートラルの取り組みを積極的に推進し、成長への足場固めが進展した。一方、インド市場でシェア下落や電動車の競争激化等、事業環境が変化しており、戦略の再考が必要とまとめた。
主な項目 | 現中計の計画値 | 実績(2024年3月期) | |
四輪事業(国内) | 軽自動車シェア向上 | 30.0%以上 | 34.0% |
登録車販売増 (2021年3月期比) | 1.5倍 | 1.1倍 | |
四輪事業(インド) | 乗用車シェア向上 | 50.0%以上 | 41.6% |
二輪事業 | 販売台数増 | 200万台 | 191万台 |
営業利益率向上 | 5.0%以上 | 10.6% | |
マリン事業 | 売上高増 | 1,000億円 | 1,123億円 |
日本は成長市場 BEV6車種投入へ
2031年3月期の売上収益8兆円、営業利益8,000億円(営業利益率10.0%)、ROE13.0%の達成に向けた具体的な技術戦略として、①小・少・軽・短・美の理念に基づき、全ての過程でエネルギーを極少化、②製造からリサイクルまで 「資源リスクと環境リスクを極少化させる技術」を目指す、の2点を掲げた。

四輪事業では2031年3月期の販売台数目標を420万台、営業利益目標を7,000億円に設定。このうち70万台の販売台数を目標に掲げた日本は、スズキにとって成長市場であると捉える。国内の収益性を高めて、最重要市場であるインドに次ぐ安定的な収益の柱となることを目指す。

具体的な商品展開では、国内ユーザーの嗜好、市場にあった商品を投入し、ラインアップを拡充。スーパーエネチャージ投入によるハイブリッド車の強化、2025年度中のBEV2モデル(e VITARA、軽商用バンBEV)の投入、さらに2030年度までにBEV6モデルの展開を計画する。
また、インド市場については自動車のリーディングカンパニーとしてシェア50%を目指すとともに、年400万台の生産体制構築を目指す。
トヨタとのアライアンス強化へ
トヨタとのアライアンスについては、互いに切磋琢磨する競争者であり続けながら、イコールパートナーとしての協業を継続する。
技術領域では、衝突被害軽減ブレーキなどの先進安全技術や、BEVユニットとプラットフォームの共同開発を行う。

さらに、インド・アフリカ・欧州・日本における車両の相互供給として、スズキからトヨタへ「e VITARA(共同開発したBEVユニットとプラットフォームでスズキが開発した車両)」「バレーノ」「エルティガ」「フロンクス」「シアズ」「セレリオ」を供給。トヨタからスズキへ「ランディ」「インビクト」「アクロス」「スウェイス」の供給が行なわれる。
スズキ 公式HP:
https://www.suzuki.co.jp/car/
スズキ 新中期経営計画「Be Your Side」(PDF):
https://www.suzuki.co.jp/ir/library/forinvestor/pdf/0220.pdf
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