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更新日:2018.11.14 / 掲載日:2015.06.11
【ジャガー・ランドローバー】「ポットホール・アラート」の研究を推進

ユニット・コンパス/Goo-net編集部
ジャガー・ランドローバーが「ポットホール・アラート・システム」の研究を進めている。路面の「ポットホール(穴やくぼみ)」や破損したマンホールを識別して得た位置や損傷レベルなどの情報を、クラウドコンピューティングを通じてほかの車両とリアルタイムに共有する最新のコネクテッド・カー技術で、将来的には収集されたデータを道路管理者に提供することで道路補修にも役立てていく。
ポットホール・アラート・システムでは、ほかの車両からの情報をもとに車両の前方に大きなポットホールや破損したマンホールがある場合に警告。ドライバーが減速して衝撃をやわらげたり、情報と連動して電子制御でサスペンションを調整し凹凸のある路面での快適な運転をサポートしたりできるようになる。
ジャガー・ランドローバーのグローバル・コネクテッド・カー担当ディレクター、マイク・ベル博士は「ポットホール・アラート・システムは、乗り心地をより快適にするだけの技術ではない。車両センサーからの情報を“ビッグデータ”として他の道路利用者と共有することで、数十億ポンドにのぼる車両の修繕費用を減少させ、さらに道路の補修をより効率的に行うことができるようになるという大きな可能性を秘めている」と述べている。
これまでは、「レンジローバー・イヴォーク」と「ランドローバー・スポーツ」に、路面状態を把握し、ポットホールや隆起または破損したマンホールなどを識別できる高性能センサーを搭載して研究を行ってきた。今後は、高度な前方向ステレオ・デジタルカメラをはじめとする新しい路面識別技術をレンジローバー・イヴォークの研究用車両に備えることを検討している。
「現状の研究用車両では、最も正確なデータを得られるのは、車両がポットホールやマンホールの上を通過した時である。前方の路面をカメラでモニターし、車両がポットホールに接近する段階で衝撃や損傷の程度を予測できるよう、ポットホール検出の測定し、さらに精度を向上させる研究をしていく」(マイク・ベル博士)
前方の路面の状況を検知して危険を察知する技術は、自動運転車両の開発にも欠かせない重要な要素。車線を逸脱したりほかの道路利用者に危険を及ぼしたりすることなく、ポットホールを自動で回避できるシステムの開発を目指す。
道路補修へのシステムの活用については、イノベーション・パートナーのコベントリー市議会と協力し、道路管理者との路面状況の情報共有や作業の優先順位を決めるために有用なデータの解析などについて検討しながら、研究を推進していく。