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更新日:2018.11.04 / 掲載日:2015.09.15
【アウディ】EVのコンセプトカー「e-tron quattro concept」を発表
ユニット・コンパス/Goo-net編集部
アウディは「フランクフルト国際モーターショー」で、EV(Electric Vehicle/電気自動車)のコンセプトカー「e-tron quattro concept」を発表した。スポーティなSUVスタイルで、パワフルな動力性能と航続距離500kmという実用性を兼ね備える。乗車定員は4名で、運転席と助手席、および後席に2席の独立シートが装備される。
e-tron quattro conceptは、アウディが研究を重ねてきた「e-tron quattro」技術をはじめて採用したモデル。動力源として3つの電気モーターを搭載しており、ひとつのモーターが前輪を、ふたつのモーターが後輪を駆動する。出力の合計は435.1psだが、パワーブーストにより最高出力503.1ps、最大トルク81.6kg-m以上の動力性能が短時間に限って発揮される。0~100km/h加速は4.6秒で、最高速度は210km/h。
インテリジェントな駆動管理システムが走行状況にあわせて3つのモーターを適切に制御。ドライバーは、エネルギー回生のレベルと走行プログラム、アウディドライブセレクトのモードを任意で選択することができる。スポーティなワインディング走行では、トルクコントロールマネージャーが必要に応じてリア左右の駆動力配分をアクティブにコントロールする。
95kWhの大容量リチウムイオンバッテリーを床下に搭載することで、500kmを超える航続距離を確保しながら、前後アスクル間の重量バランスを最適化し、低重心化にも貢献している。充電システムに「CCS(Combined Charging System:コンバインドチャージングシステム)」を採用しているため、直流、交流、どちらの方式にも対応。車両の充電ポートに出力150kWhの直流急速充電プラグを接続すれば、約50分でバッテリーをフル充電することができる。また「アウディワイヤレスチャージングテクノロジー」により非接触充電も可能。晴天時には大型ソーラールーフからも電力が補給される。
シャシーにも革新的な技術を盛り込んだ。可変ダンパー機構を備えた「アダプティブエアサスペンション スポーツ」は、高速走行時に自動的に車高を下げて空気抵抗を低減する。走行スピードや走行状況に応じて、高速走行でステアリングを操作した場合は後輪を前輪と同じ方向に、低速でハンドルを切った場合は前輪と反対の方向に操舵する「ダイナミックオールホイールステアリング」機構を備えることで、高速走行時には素早く安定したステアリングレスポンスが得られ、低速での取り回しが改善されている。
エクステリアデザインは、高速走行時に作動する電動エアロパーツを備え、サイドミラーの代わりにカメラを採用するなど空力特性を最大限に高めた。走行速度が80km/hを超えるとボンネットとボディサイド、リアエンドに架装された電動エアロパーツが作動し、ボディ周囲のエアフローを整える。風洞トンネルでの実験を重ねた末に誕生したシステムで、空気抵抗と同時にウインドノイズのレベルも低減する。エンジンを搭載しないためエンジンノイズもなく、EVのアドバンテージである絶対的な静粛性の高さが発揮されている。
前後ライトには、LEDと極薄のOLED(オーガニック発光ダイオード)のエレメントを組み合わせた。市販車への搭載を前提にOLED技術を開発してきたが、今回、e-tron quattro conceptにはじめて搭載して公開。
車内のディスプレイもすべてOLED化。新世代のアウディバーチャルコクピットには湾曲したOLEDを使用しており、ドアの前方にはデジタル サイドミラーとして機能する曲面ディスプレイを設置する。ライトや自動運転システム、ナビゲーション、エアコンの制御などもそれぞれOLEDのタッチスクリーンで行う。
また、自動運転に向けて開発されたアウディのあらゆるテクノロジーを搭載。レーダーセンサー、ビデオカメラ、超音波センサー、レーザースキャナーによって収集されたデータはラゲッジルームに設置された「zFAS(セントラル ドライバーアシスタンス コントローラー)」で解析され、車両に搭載されるすべてのアススタンスおよび自動運転システムとリアルタイムに共有される。
ボディサイズは全長4880×全幅1930×全高1540mmで、Cd値はわずか0.25。通常0.30を大きく超えることの多いSUVのなかで、突出した値を実現している。
近未来を想像させる車内のディスプレイはすべてOLED化されている。