車のニュース
更新日:2019.09.13 / 掲載日:2019.09.13
NISSAN 新型セレナ 2019年秋最強ミニバン決定戦
その1 マイナーチェンジNISSAN新型セレナ詳報!

ファミリーユースを中心に、根強い人気を誇るセレナがマイナーチェンジ。その新型セレナを中心に、今買える「ミニバン」モデルの最強王者を決定。まずはセレナの徹底詳報からお伝えしよう。
今やファミリーカーの代名詞とも言える2L級1BOX型ミニバンだが、現行路線の元となったのはセレナと考えていい。デザインや機能で現実的なファミリー用途向けの設計を採用。とくに3代目からは同志向に徹底した印象が強い。
大きなグラスエリアや穏やかで和める乗り味。日常での細かな使い勝手を高める工夫。それらはセレナの伝統的な特徴であり、現行モデルにも継承。現行型から採用されたデュアルバックドアも身近な使い勝手向上の機能のひとつだ。
現行車についてはもうひとつ重要な訴求点がある。全車速型ACCや走行ライン制御式LKA等を統合したプロパイロットの採用だ。2L級1BOX型では初めて採用されたシステムであり、次世代の走行性能(機能)で必須要件と目される。日常用途から長駆レジャーまで用いられる2L級ミニバンにとって有用性も高く、長く使い続けることを前提に選ぶユーザーには大きな価値ある機能だ。
また、ノートeパワーにも用いられている1.2Lシリーズ式ハイブリッドをベースにしたパワートレーンを搭載するHVも設定。EVのドライブフィールをそのままに味わえるのが特徴。なお、純粋なシリーズ式ハイブリッドを採用するのは国産メーカーではニッサンのみである。
こういった現行モデルの特徴をそのままにイメージ強化と安全装備の充実を図ったのが今回のMC。安全装備面では部分消灯型のアダプティブLEDヘッドランプ、後側方車衝突防止システムやBSMなど車両全周にわたり安全性の向上を図っている。
外観の変更は興味深い。前記したとおりフレンドリィな雰囲気を特徴とするセレナだが、現行型ではプレミアム&スポーティなイメージを強化した。このMCではその志向をさらに強めるべく、フロントマスクデザインを変更している。
従来型では太い桟によるVモーションとしてシンプル且つ骨太なイメージでまとめ上げられていたが、新型ではV字型を細桟としてラジエターグリル部をメッキを活かした細かく立体的な造形としている。また、ラジエターグリルは従来同様に標準型ではバンパーにより上下に分割されるが、ハイウェイスターは上下一体としたデザインで、両系統のキャラ付けの違いを演出。その他ではeパワー車に新たに16インチアルミホイールを設定。ボディカラーは新色を2色追加し、4色の2トーンカラーはルーフ色をダイヤモンドブラックに統一。使い勝手や走行テイストは気に入っているが、見た目が大人し過ぎると思っていたユーザーには魅力的な変更である。
※e-POWERは7人乗り、その他は8人乗り。※ビジネス向けグレードB(FF・ガソリン車:239万9760円/4WD・Sハイブリッド車:268万7040円)S(FF・ガソリン車:250万8840円/4WD:なし)もあります。
エクステリア 新・旧 比較
新ハイウェイスター
↑ダブルVモーショングリルと呼ばれる力強いフェイスとなり、その中のグリルにはクロームを散りばめるなどしてリッチかつ押し出しの強いデザインに。一部には新たに16インチアルホイールを設定している。
旧ハイウェイスター
↑マイナーチェンジ後と比べると、アクが弱くすっきりとした印象を受ける旧型ハイウェイスター。リヤコンビランプのデザインも変更されていることがわかる。
新標準車
↑フォグランプベゼルがL字型となっているほか、標準車もフォトハンドグリル周りを変更して存在感が高められている。
旧標準車
↑4台ならべると、もっともすっきりして見えるのが旧型の標準車。
インテリアの変更についてはとくにアナウンスされていない。e-POWERが7人乗り仕様で、他が8人乗り仕様だ。
先進安全装備もパワーアップ
全車標準化
アダプティブLEDヘッドライトまたはハイビームアシスト(グレード別でどちらか)・インテリジェントエマージェンシーブレーキ・標識検知機能(進入禁止標識検知、最高速度標識検知、一時停止標識検知)・踏み間違い衝突防止アシスト・インテリジェントLI(車線逸脱防止支援システム)+ LDW(車線逸脱警報)・インテリジェントBSI(後側方衝突防止支援システム)+ BSW(後側方車両検知警報)・RCTA(後退時車両検知警報)
日産初アダプティブ LEDヘッドライト
両側に12個ずつ配置されたLEDの照射パターンを変化させ、対向車がいてもハイビームを維持できるようになる(対向車が眩しくないように照射する)。検知はフロントカメラ。
新設定 RCTA (後退時車両検知警報)
車両後方を横切ろうとする車両を検知し、警報で知らせる。駐車場などで役立つシステムだ。これらのほか、プロパイロットも機能が向上されている。
新設定 インテリジェント BSI (後側方衝突防止 支援システム) + BSW (後側方車両検知警報)
走行中、隣接する車線の後側方の近接車両との接触を回避するよう支援してくれるシステム。他車種には搭載実績あり。
「目玉」となる先進装備が全車標準でないのは残念

●新型セレナ 主要安全装備 グレード別装備表
発表資料によるとプロパイロットの機能向上として、下り坂での設定速度維持やよりスムーズな減速を可能とするブレーキ制御と記載されているが、下り坂での速度維持はACCではふつうなので、機能は同じだが、制御を洗練させたと考えるべきだろう。
安全関連ではオートヘッドランプがひとつの注目ポイント。従来からオートハイビームを設定していたが、上位装備として新たに前方車両の有無や位置に応じて片側12個のLEDで構成したヘッドランプの該当LEDのみを消灯するアダプティブLEDヘッドライトを設定。なお、同タイプのオートヘッドランプはニッサンではセレナが初採用である。プロパイロットにしてもそうだが、「ニッサンの安全&運転支援の先駆」はセレナのもうひとつの側面でもある。
また、今注目されているペダル踏み間違い衝突抑制装置が標準化され、全車共に「サポカーSワイド」の該当車となった。
革新機能はないものの、全周囲安全向上などで着実に安全&運転支援機能のレベルアップが図られているが、目玉商品となる
オークテックの各モデルもマイナーチェンジ
新オークテック
プレミアムスポーティを売りとする、オーテックセレナ。グリルのドットをより強調させ、専用ブルーシグネチャーLEDを装備。ハンドルやシートにブルーを追加、シート地もレザレットを採用。
旧オークテック
こちらがマイナーチェンジ前のオーテックセレナ。ブルーがオーテックのブランドカラーで、オーテックジャパン創業の地である湘南・茅ヶ崎の「海」と「空」のイメージを表している。
新福祉車両
ステップタイプ ●価格:292万1400~369万6840円
助手席スライドアップシート ●価格:276万2000~339万5000円
セカンドスライドアップシート ●価格:302万8000~379万3000円
チェアキャブスロープタイプ ●価格:302万5000~377万9000円
チェアキャブリフタータイプ ●価格:305万5000~332万1000円
送迎タイプ ●価格:276万1560~310万2840円
発表資料によるとプロパイロットの機能向上として、下り坂での設定速度維持やよりスムーズな減速を可能とするブレーキ制御と記載されているが、下り坂での速度維持はACCではふつうなので、機能は同じだが、制御を洗練させたと考えるべきだろう。
安全関連ではオートヘッドランプがひとつの注目ポイント。従来からオートハイビームを設定していたが、上位装備として新たに前方車両の有無や位置に応じて片側12個のLEDで構成したヘッドランプの該当LEDのみを消灯するアダプティブLEDヘッドライトを設定。なお、同タイプのオートヘッドランプはニッサンではセレナが初採用である。プロパイロットにしてもそうだが、「ニッサンの安全&運転支援の先駆」はセレナのもうひとつの側面でもある。
また、今注目されているペダル踏み間違い衝突抑制装置が標準化され、全車共に「サポカーSワイド」の該当車となった。
革新機能はないものの、全周囲安全向上などで着実に安全&運転支援機能のレベルアップが図られているが、目玉商品となる機能のほとんどがグレード別設定やメーカーオプションなのが気になる部分だ。
プロパイロットは従来と同じく、標準系、ハイウェイスター系ともにベーシックグレードには設定されず、それ以外のグレードでもメーカーオプション設定となる。AVMやカーテン&サイドエアバッグも同設定。アダプティブLEDヘッドランプは各系統の最上級グレードに標準、中間グレードにメーカーオプション設定。メーカーオプションでも選択できれば問題はないのだが、グレード選択ではOP価格を考慮する必要がある。
車種展開は基本的に従来車を踏襲している。標準系とハイウェイスター系はそれぞれ3グレード構成で、ともにパワートレーンにはSハイブリッド2Lとeパワーを用意。4WD車はSハイブリッド2L車のみの設定で、ハイウェイスター系の最上級グレードは設定されていない。
また、オーテックジャパンによる特装車として標準系Xとeパワー・ハイウェイスターをベースとした5タイプのオーテック仕様を用意。スポーツスペック仕様では車体補強や専用チューンのサスなど走行性能面の強化も施される。
この他にスライドアップ仕様やチェアキャブ仕様、送迎車仕様など特装車が数多く用意されているのも特徴のひとつ。しかも、ビジネス用の廉価グレードからeパワー・ハイウェイスターVまで、セレナの機能や走りの魅力を予算に応じて選び分けられるのも特徴。これも、ファミリーミニバンの定番となったセレナらしい見所だ。