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更新日:2021.03.22 / 掲載日:2021.03.22
住友ゴム ゴムが破壊する様子のX線CT撮影の約1000倍速化に成功

高速4D-CT装置の概略図および3次元的に捉えたゴム破壊が進行する様子
住友ゴムは3月8日、東北大学との産学連家による共同研究において、これまで用いられてきた4D-CT(4次元X線CT)法の約1000倍速での高速撮影に成功したと発表した。
今回の成果は、ゴムに関する様々な知見を有する同社と、世界最高速といわれるX線CT技術を有する矢代航准教授(東北大学多元物質科学研究所)との共同研究で生まれたもので、この技術により、実際のタイヤ使用時に発生するゴムの破壊を様々な速さで観察ができるようになるという。
耐摩耗性能に優れたタイヤの新材料開発に貢献
同社では、2015年に独自の新材料開発技術『ADVANCED 4D NANO DESIGN』を完成。その基幹技術のひとつである大型放射光研究施設「SPring-8」を活用した4D-CT法で、耐摩耗性能向上を目指した材料開発を行ってきた。これまでの技術では、1枚の3D画像を撮影するのに数秒程度要するため、より鮮明な画像を得るために撮影スピードを高速化する研究を進めていたという。
今回の成果により、実際にタイヤが摩耗する時に近い状態で、ゴムが破壊する様子を連続的かつ様々な速度で3D観察することが可能に。同社ではこの技術を活用し、耐摩耗性能に優れた環境に優しいロングライフなタイヤの新材料開発を加速させるとしている。