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更新日:2021.11.29 / 掲載日:2021.11.29
伝説的名車「ルノー4」誕生60年で空へ AIR4発表
ルノーは現地時間の11月26日、米マイアミのデザイン会社「The Arsenale」と共同開発した飛行可能なショーカー「AIR4」を発表した。
伝説的名車“キャトル”の60周年祝うプロジェクトで誕生
同モデルは、世界で初めて商業的成功を収めたハッチバックとも言われ、フランスでは“4L(キャトレール)”、日本でも“キャトル”の愛称で親しまれた名車「ルノー4」の60周年を記念して製作されたもの。現地時間の11月15日にはThe Arsenale社の公式YouTubeチャンネルにて、暗闇に浮かぶLEDヘッドライトが印象的なティザームービーが公開されていた。
ルノーのグローバル・マーケティング・ディレクターであるArnaud Belloni氏は「アニバーサリーイヤーの締めくくりとして、4Lの誕生60周年を祝うのにふさわしい、型破りなものを作りたいと考えました。空飛ぶAIR4の研究は画期的で、あと60年後のアイコンがどうなっているのか、舌を巻くような思いがします」と、AIR4への思いを語った。
クラシックカーを大胆に再解釈 ボディはオールカーボン製
AIR4の製作におけるコンセプトテーマは、かつてのルノー4にも謳われたという“自由と独立”。テーマに基づいてクラシックカーを大胆に再解釈し、特徴的なボディラインとプロポーションを維持しつつもオールカーボン製の全く新しいフォルムを作り上げた。一方で、飛行特有の突き上げや登りの力に耐えるためにボディ剛性の強化は必須条件となり、集中的なテストが必要とされた。開発においては、最初の飛行テストを行う前にジェネレーティブデザイン技術とAIを駆使し、数テラバイトに及ぶシミュレーションデータの蓄積が行われたという。
飛行には、タイヤの代わりに四方へ伸びるように設置されたツインプロペラを使用。キャビンは車両の中央に配され、ドライバーはシャシーを大きく持ち上げることでコックピットに乗り込むことができるという点もユニークだ。
推進力源は約90,000mAhのリチウムポリマー電池
AIR4の推進力となるのは、公称容量約90,000mAhのリチウムポリマー電池。水平方向の最大速度は26m/s、飛行中の傾斜は45°、最大傾斜は70°まで可能で、高度700mまでの飛行を実現する。離陸速度は最高14m/sを可能としているが、安全面に考慮して4m/sに制限され、着陸速度は3m/sとなっている。
AIR4は現在、パリの中心地、シャンゼリゼ通りにあるアトリエ・ルノーで歴代のルノー4と並んで展示中。また、開発やテストの光景を追ったドキュメントムービーも、The Arsenale社の公式YouTubeチャンネルにて公開されている。今後、2022年初頭にはマイアミやニューヨーク、マカオなどで公開される予定となっている。