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更新日:2022.03.23 / 掲載日:2022.03.18

【試乗レポート メルセデス・ベンツ Cクラス オールテレイン】

文●工藤貴宏 写真●ユニット・コンパス

Cクラスの、もうひとつの選択肢。

 「Cクラス初のクロスオーバーモデル」として登場した「C220d 4AMTIC オールテレイン」は、セダンやステーションワゴンに次ぐ第三のバリエーションといっていいでしょう。

樹脂製フェンダーアーチや最低地上高のアップでSUVテイストに

 そのキャラクターをひとことでいえば、ステーションワゴンをベースにしたクロスオーバーSUVです。樹脂製のフェンダーアーチを備えるなどスタイリングにSUVテイストを追加(前後バンパーやグリルなども専用デザインを採用)したうえで、大径タイヤと専用サスペンションでリフトアップ。1495mmの全高だけでなく、最低地上高もしっかりとステーションワゴンに対して40mmアップした150mmとすることでオフロードも走れるように仕立てています。

そんなC220d 4AMTIC オールテレインは、国産車でいえばスバル「レガシィ アウトバック」をイメージすればいいでしょう。ステーションワゴンのボディをベースに大径タイヤを履かせ、車高を上げたワゴン派生モデルのSUVです。

C220d 4MATIC オールテレイン

ワゴンボディと4MATICの組み合わせはオールテレインのみ

 何を隠そう、アウトバックが発祥となったワゴン派生型SUVはボルボの「クロスカントリー」シリーズはアウディの「オールロード」シリーズなど、北米を中心に一定の需要があるジャンル。メルセデス・ベンツはこれまでCクラスよりも一回り大きな「Eクラスステーションワゴン」をベースとしたオールテレインを用意していましたが、新たにCクラスのワゴンをベースとしたモデルが加わったというわけです。

 C220d 4AMTIC オールテレインは、カタログではスペック表などがステーションワゴンとひとくくりになっています。つまりラインナップ的にはワゴンの仲間に位置づけているといっていいでしょう。

 しかし声高にお伝えしたいのは、単にスタイルを変えただけのワゴン派生モデルかといえばそうではないこと。たとえばメカニズムは、エンジンはワゴンにも積んでいる排気量2.0Lの4気筒ディーゼルターボ「OM654M」型です。しかし駆動方式は「4MATIC(フォーマチック)」と呼ぶ4WDのみとし、何を隠そうワゴンボディと4WDの組み合わせはステーションワゴンのラインナップにはないオールテレインだけのセット(セダンには4MATICが存在)。そういう意味でも、ボディ自体はステーションワゴンと共通ながら特別な存在と言っていいでしょう。

C220d 4MATIC オールテレイン

 さらに、走行モード切り替えにはセダンやワゴンにはない「OFFROAD」や「OFFROAD+」モードを追加した特別仕立て。前者はトランスミッションの制御がトラクション重視に切り替わって雪道や悪路での走破性を高め、後者はさらに急角度の下り坂の安定した走行をサポートするのに加え、上り坂の途中で動けなくなった場合にリバースを選ぶと安全に下ることが出来る機能まで備えているのは面白いところです。

 また、メーターはヘッドアップディスプレイにも車両の傾斜など悪路で役立つ情報を大きく示すオールテレイン専用のメニューが用意されているのも、特別感を感じさせる粋な演出ですね。

 そんな作り分けからは、オールトレインにかける意気込みがひしひしと伝わってくるし、ここまで違うならワゴンの仲間ではなく独立したモデルと言っていいのではないかと思えるほどです。

見た目の印象に反して走りのキャラクターはオンロード志向

C220d 4MATIC オールテレイン

 面白いのは、乗ってみるとそういった演出とは違う方向性を感じることです。率直に言うと、オフローダー感がほとんどないのです。

 一般的にアウトバックなどこの手のモデルは悪路走行を考えてサスペンションの味付けを一段としなやかにするのが一般的。しかしC220d 4AMTIC オールテレインの場合は、あくまでステーションワゴンの運転感覚。背の高さや、オフロードに向けたサスペンションの味付けなどは一切感じることがなく、むしろ舗装路重視で適度に締め上げられているという印象でした。

 それは装着タイヤにも表れていて、多くのワゴン派生型クロスオーバーSUVがオフロードや雪道も走れる「M+S」規格のSUV用タイヤを履くのに対し、C220d 4AMTIC オールテレインが履くのはミシュランの「プライマシー4」で、これは一般的なコンフォートタイヤです。

 そんなタイヤ選択や乗り味からは、ワゴンよりは悪路や雪道に強いものの、オフロードへガシガシと入っていくというよりは、都会で着こなすアウトドアファッションのような感覚で作られた車だと判断していいでしょう。

 そう思いながらもう一度スペック表を見てみると、1495mmという全高はマンション暮らしの人にもうれしい、SUVやミニバン非対応の機械式立体駐車場にも収まる背の高さ。そういった意味からも、都会暮らしにもフィットするクロスオーバーだということが理解できます。

 そして実は、このオールテレインは通常のステーションワゴンに比べて日常使いでも明確に優れている部分があります。それは乗り降りのしやすさ。着座位置が40mm高くなったことで、乗降時の姿勢が大幅に楽になっているのです。

 乗り降りのしやすさはクルマを使うたびにメリットを実感できることなので、オフロードや雪道云々ではなく、乗降性の良さでステーションワゴンではなくオールテレインを選ぶというのも賢い選択かもしれません。

C220d 4MATIC オールテレイン

メルセデス・ベンツ C220d 4MATIC オールテレイン(9速AT・4WD)

  • ■全長×全幅×全高:4760×1840×1495mm
  • ■ホイールベース:2865mm
  • ■車両重量:1900kg
  • ■エンジン:直4DOHCディーゼルターボ+モーター
  • ■総排気量:1992cc
  • ■エンジン最高出力:200ps/3600rpm
  • ■エンジン最大トルク:44.9kgm/1800-2800rpm
  • ■モーター最高出力:15ps
  • ■モーター最大トルク:21.2kgm
  • ■ブレーキ前後:Vディスク
  • ■タイヤ前後:245/45R18
  • ■新車価格:796万円(C220d 4MATIC オールテレイン)
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工藤貴宏(くどう たかひろ)

ライタープロフィール

工藤貴宏(くどう たかひろ)

学生時代のアルバイトから数えると、自動車メディア歴が四半世紀を超えるスポーツカー好きの自動車ライター。2023-2024日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員。

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