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更新日:2023.04.08 / 掲載日:2023.04.07
トヨタの佐藤新社長が答えるセリカ復活計画【池田直渡の5分でわかるクルマ経済】
文●池田直渡 写真●トヨタ
3月18日、鈴鹿で行われたスーパー耐久第1戦の会場に現れたトヨタの佐藤恒治新社長。筆者には社長交代会見以後、初めて面と向かって質問ができる場となった。
体制が発表される4月1日以前に、事業戦略や新社長としての方針を尋ねたところで答えられるわけがない。そこは組織の長であり、組織のルールを率先して崩せるわけがないのだ。そういう硬い質問は無駄なことは最初からわかっているので、今回は変化球を放ってみた。それはセリカ復活に関する噂についてである。佐藤社長の返答やいかに。
- 池田:ちらっと某メディアで見かけたんですが、佐藤さん何かセリカを作る話をされたようですね。まさか具体的な計画が走っているとまでは思いませんが、こうやってお伺いできるチャンスなので、なんでセリカなのかとか、セリカをどのぐらい作りたいのかとかそういう面白い話を、あくまでも夢の話で結構なのでお聞かせ願えないですか。
- 佐藤:そうですね、これきっと記事になる時に、「あくまでも夢として」と言う部分が省略されると思って話しますけど(笑)。ここ数年、トヨタではロングセラーネームの持つ意味合いと言うのを、改めてしっかりと考えていこうとしているんですね。
- カローラと言うブランドが持つ意味、クラウンと言うブランドが持つ意味、新しくヤリスと言うブランドがトヨタに与えていくヤリス・ファミリーの群としての事業的意味合いであるとか。
- セリカっていうのも、トヨタにとって大事なロングセラーネームであって、セリカがトヨタに与えてくれたもの、守っていくべきものってやっぱりあると思うんですよね。そういうものを考えた時に、今の時代にトヨタにセリカと言うものが存在したら、何の役割があって、セリカを、今の時代にセリカと言うものが存在したときに、どんな役割を担うんだろう。何を継承し、何を進化させるのだろうみたいなことを、なんかちょっと思ったりしているのは事実です。
- それ以前にボクはずっと昔。FFになってからのスーパーストラットの時代のセリカに乗っていたことがあって、個人的に大好きですと言うのはもちろんあってですね。やっぱりクルマを操る楽しさみたいなところをいろんなボディスタイル、バリエーションで実現していくことによって、クルマの持つ、根源的な価値を失わないようにしていきたい。トヨタらしい乗り味みたいなものは、これはどんな時代になっても、我々はやっぱりそこをずっと追求していかなきゃいけないと思っています。
- それが最終的に、我々が提供する商品のユニークネスであり、強みであるということだと思うので、「モビリティーカンパニーを目指しながらも、クルマとしての味と言うのは絶対失わないクルマづくり目指そう」。そう考えたときに、GRヤリスが、ああいうセグメントのクルマの味作りを担っていたり、トヨタの全商品に対してそういうこだわりを持った商品群を作っていくとしたときにセリカっていうのは1つの役割を担えるんじゃないかなと言う雑談をモリゾウさんとしていると言う事ですね。
- で、新城ラリーの時にモリゾウさんは「俺はセリカ好きだよ。佐藤には伝わるだろうなぁ」と話したと、ボクもそれは記事を読んで知ったので(笑)。で、託されましたということです。
- 池田:どんなクルマになるといいと思います?
- 佐藤:そこまで具体的な答えを要求します? それはやっぱりね……、いやこれなんか危険な感じになってません? 大丈夫ですか?
- 広報:止めましょうか? 止めた方がいいですか?
- 佐藤:ボクしゃべっちゃいますよ(笑)。いや構想がないわけじゃないので。いやでもまだ言えないです。流石に。もうちょっと待ってください。
- 池田:わかりました。
- 佐藤:ボツになるかも知れないんで。
- 池田:夢ですからね。
- 佐藤:そういう意味ではセリカだけじゃなくて色んなクルマのアイディアをずっと考えているんで(笑)
-
- さて、読者の皆様は、これを見て、果たしてセリカは復活すると見るか、まだわからないと見るか。筆者はそこそこ信ぴょう性ありと思っている。ただし、まだ開発フェイズには入ってなさそうなので、どんなに早くても2年。長ければ4年先の話だろうと思っている。
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