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更新日:2019.03.26 / 掲載日:2018.08.27

電気自動車(EV)のメリットとデメリットとは。気になる問題点、コスパは?

最近よく聞く電気自動車(EV)って何でしょう?電気の力で走る車ということは何となくわかっても、正しく理解できている方は少ないのが現状です。これから世界のスタンダードになっていくと予想されている電気自動車について、その特徴をまとめました。電気自動車の購入をご検討中の人にも役立つ情報です。

電気の力で走る車!「電気自動車(EV)」とは

電気自動車(EV)とは、その名の通り電気の力で走る自動車のことです。充電装置でバッテリーに電気を溜めてモーターを動かして走る仕組みなので、ガソリンエンジンは使用していません。モーターには出力調整を行うコントローラーがついています。“Electric Vehicle(電気で走る車両)”の頭文字を取って「EV」と言うこともあります。

世界各国で環境問題への関心が高まる現在、環境に優しい電気自動車は「次世代カー」として世界中の注目の的です。日本でも2010年12月に発売された日産リーフ」を皮切りに、主要メーカーが電気自動車の開発に力を注いでいます。

人気が高まる電気自動車。メリットはズバリ?

電気自動車の人気が高まっている理由は、環境に優しいこと以外にもたくさんのメリットがあるからです。主なメリットを以下で紹介します。

環境に優しい

先述のとおり、電気自動車は環境にとても優しい車として知られています。電気自動車がなぜ環境に優しいのか、それは排気ガスによる大気汚染がないからです。ガソリンやディーゼルは、エンジンを動かす際に汚染物質を含んだ排気ガスを出します。

イギリスやフランスは、2040年までにガソリン車とディーゼル車の販売を禁止する方針です。その他にも、大気汚染が深刻な中国、環境先進国ノルウェーなど多くの国が、電気自動車の導入を積極的に行っています。

コスパが良い

電気自動車のメリットとして、コスパの良さもあげられます。以下で値段を比較します。どちらも100km走行した場合にかかるガソリン代または電気代です。

ガソリン車…ガソリン145円/L・燃費16/Lと仮定
100km÷16/L×145円/L=906円
電気自動車…電気料金(昼)30円/kWh・1kWhあたり6km走行と仮定
100km÷6km/kWh×30円/kWh=500円

上記の結果、電気自動車のコスパは確かに良いとわかります。
さらに電気自動車の場合、深夜電力の利用や電気の契約プランの見直しで更なるコストダウンが図れるでしょう。

加速がスムーズ

電気自動車に乗った人の多くが、電気自動車のスムーズな加速に魅了されます。電気自動車はガソリン車より加速がスムーズだと言われています。なぜ、電気自動車の加速はスムーズなのでしょうか。その理由は、電気自動車は回転のし始めから高出力による最大トルクを発生させることが可能だからです。ガソリン車の場合はギアを使って徐々に加速させていくため、発進時から最大トルクを出すことはできません。

音が静か

走行時の音が静かで振動が少ない点も、電気自動車のメリットです。ガソリン車の場合はエンジンでガソリンを燃焼させているので、どうしても音や振動が発生してしまいます。電気自動車の場合、燃料はバッテリーに蓄えた電気です。そのため、電気自動車の方が音も静かで振動が少なくなるのです。

減税や補助金が受けられる

電気自動車を購入する場合、自治体によって減税や補助金が受けられる場合があります。これは政府の方針によるもので、電気自動車の他にもハイブリッド(HV)やプラグインハイブリッド(PHV)など、環境性能に優れた車に適用されます。

エコカー減税やグリーン化特例、エコカー補助金など、様々な恩恵があることを思えば、電気自動車の人気が高まっているのも納得です。

電気自動車のデメリット・現状の問題点

多くのメリットを持つ電気自動車ですが、もちろんデメリットもあります。人によってはデメリットの方が大きく感じるかもしれません。デメリットは以下のとおりです。

充電スタンドが少ない

電気自動車の普及に伴い、充電スタンドの数もずいぶん増えてきました。編集部調べによると、2018年時点で公共充電スタンドの数は約30,000基とのことです。しかし、電気自動車の人気の高まりを考えると、この数はまだまだ足りないと言えるでしょう。

充電スタンドの数を考えると、家庭に充電設備を用意したいところです。電気自動車の充電を家庭で行う場合、一般的な家庭用コンセントは使えません。発熱による発火やブレーカーダウンの危険があるからです。

充電に時間がかかる

充電に時間がかかる点も、電気自動車のデメリットです。家庭用の充電設備で0からフル充電をすると、およそ8時間はかかります。急速充電が可能な場合でも、30分から40分はみておかなくてはならない上に、80%しか充電できません。ガソリンなら満タンまで約5分です。電気自動車のさらなる普及促進のためにも、充電時間の大幅な短縮が望まれます。

価格が高い

電気自動車の購入に躊躇している人の多くが、価格の高さをデメリットとしてあげています。現在国内メーカーが発売している電気自動車の価格は、平均で300~400万ほど。ガソリン車なら100万前後から購入できるので、まだまだ電気自動車の価格は高いと言えます。電気自動車を購入する場合は、減税や補助金を上手に使うようにしましょう。

航続距離に不安

最近では少しずつ欠点が解消されつつあるものの、電気自動車の航続距離の不安はまだ残っています。「テスラ」のように大型の電気自動車でも、1回あたりの充電で500km前後。300~400万円クラスで最も航続距離が長い「新型リーフ」でも、理論値でフル充電1回あたりの航続距離は400kmです。実際はエアコンの使用状況や速度などの影響でかなり変わってくるので、各メーカー発表の航続距離の6割くらいでみておいた方が良いでしょう。そう考えると、電気自動車による長距離移動は少し不安です。

電気自動車にはメリットとデメリットどちらもありますが、今後の普及率向上を考えると購入を検討する余地は十分にあると言えます。電気自動車の普及に積極的な海外に比べると、日本は少し遅れを取っています。
しかし、国内メーカーも負けてはいません。日産「リーフ」や三菱「i-MiEV」など、高い知名度と人気を誇る電気自動車も既に発売されています。世界の流れに追いつくのはこれからです。

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グーネットマガジン編集部

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1977年の中古車情報誌GOOの創刊以来、中古車関連記事・最新ニュース・人気車の試乗インプレなど様々な記事を制作している、中古車に関してのプロ集団です。
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また、最新情報としてトヨタなどのメーカー発表やBMWなどの海外メーカーのプレス発表を翻訳してお届けします。
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