車の最新技術
更新日:2019.02.21 / 掲載日:2018.10.01
スバルのアイサイトとは?新型アイサイト・ツーリングアシストとの違いを徹底比較

スバルが誇る安全運転支援システム『アイサイト』。2008年のver.1登場以来、より高い性能を目指してバージョンアップが重ねられてきました。現在注目を集めている『新型アイサイト』とは?『アイサイト・ツーリングアシスト』とは?これら新システムの魅力や従来のアイサイトとの違いなど、徹底的に紹介していきます。
スバルの運転支援システムアイサイトとは
アイサイトとは、スバルの乗用車に搭載されている安全運転支援システムです。アイサイトには、以下の5つの機能が用意されています。
「ぶつからない技術」プリクラッシュブレーキ
…自動ブレーキによる衝突回避・軽減機能。ver.3からはカラー画像を用いた広角カメラを採用
「ついていく技術」クルーズコントロール
…スピード自動調節による先行車両への追従機能
「はみ出さない技術」アクティブレーンキープ
…ver.3から搭載した走行区画認識機能
「飛び出さない技術」AT誤発進抑制制御
…アクセルの踏み間違えなど操作ミスを感知して抑制する機能。ver.3からは誤後進抑制制御機能も搭載
「注意してくれる技術」警報&お知らせ機能
…車のふらつきや車線逸脱、先行車発進などの際に注意を喚起する機能
初代アイサイトの登場は2008年です。その後、衝突回避性能を向上させたver.2が登場。その後登場したver.3には、カラー画像による認識機能やアクティブレーンキープ機能、誤後進抑制制御などが採用されています。
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新型アイサイト!ツーリングアシストの魅力
そして2017年夏、満を持して登場したのが新型アイサイト、『アイサイト・ツーリングアシスト』です。
『アイサイト・ツーリングアシスト』には、運転時の疲れをより軽くする工夫が新たに取り入れられています。その工夫とは『全車速追従機能』と『車線逸脱抑制機能』です。これらの機能を取り入れたことで、全車速(メーカー発表=0km/hから120km/h)におけるアクセル・ブレーキ制御とステアリング制御が実現しました。
これらの疲労軽減機能を使用する前提条件は、主に高速道路や自動車専用道路上でのドライビングです。高速道路を使った長距離移動はドライバーの負担が大きく、長く走れば走るほど疲労とストレスが溜まっていきます。『アイサイト・ツーリングアシスト』は、自動運転のような快適な操作性に近づけることで、多くのドライバーを悩ませる疲労やストレスの軽減を目指すと同時に、ドライバーに「走る楽しみ」を与えてくれます。
従来のアイサイトとツーリングアシストの比較
従来の『アイサイト』と『アイサイト・ツーリングアシスト』との違いは、主に2点です。
まずひとつめは、『クルーズコントロール機能の上限値アップ』です。アイサイトver.3でも搭載されていたクルーズコントロール機能ですが、ver.3では上限速度が100km/hでした。対するツーリングアシストでは、上限速度120km/hまでの対応を可能にしました。日本の法定速度は高速道路の開通以来ずっと上限を100km/hと定めていましたが、今後段階的に上限を120km/hまで引き上げていくことが決まっています。ツーリングアシストは、来たる高速道路120km/h時代にいち早く対応したシステムと言えるでしょう。
もうひとつの違いは、『アクティブレーンキープ機能のステアリング制御力アップ』です。従来のアイサイトでは、60km/h以上の高速運転時ではないと『アクティブレーンキープ』は働きませんでしたが、ツーリングアシストでは0km/hからシステムが作動するように進化しました。その結果、一般道でも使用できることに加え、高速道路の渋滞時の疲労軽減にも大きく効果を発揮できるようになりました。
これらの機能は、ドライバーに快適な操作性と安心感をもたらし、疲労の激しいロングドライブを楽しい時間へと導いてくれます。
ツーリングアシスト搭載車種は?
2018年秋の時点で、ツーリングアシストの搭載車種は『LEVORG(レヴォーグ)』と『WRX S4』の2車種です。どちらの車種も、全グレードでツーリングアシストを標準装備しています。
LEVORG(レヴォーグ)

国内向けに開発されたスバルのステーションワゴンです。2017年夏にツーリングアシスト搭載車種としてマイナーチェンジ。スポーティなボディと四輪駆動のパワフルな走りが魅力です。トランスミッションには、次世代CVTとして話題の『リニアトロニック』を採用しています。
全長×全幅(mm):4690×1780
燃費(km/L):13.2~16.0 ※JC08モード
乗車定員:5名
価格:2,862,000円~
WRX S4

スムーズなステアリングと快適な乗り心地が人気のスポーツセダンです。こちらもレヴォーグ同様、2017年の夏にマイナーチェンジをして登場。ツーリングアシストによる走行性能と操作性のバランスの良さ、四輪駆動でパワフルかつスマートに駆け抜ける爽快感、これらの楽しさを満喫するなら選択候補の筆頭にしたい車です。
全長×全幅(mm):4595×1795
燃費(km/L):12.4~13.2 ※JC08モード
乗車定員:5名
価格:3,369,6000円~
アイサイトは安全性の高い運転支援システムとして、専門家の間でも高く評価されています。ツーリングアシストを搭載した新型アイサイトの操作性は、従来のアイサイトと比較しても、より自動運転に近付いたと言えるでしょう。
ただし、ひとつ注意するべきことがあります。それは「アイサイトは自動運転ではなく運転を支援するシステムだ」という点です。アイサイトの優れた性能を最大限活かすためには、まずはドライバーが安全運転を心がけること、つまり人がモノに協力をする姿勢が不可欠です。