車の最新技術
更新日:2018.12.24 / 掲載日:2018.10.23
次世代自動車「コネクテッドカー」とは?最新情報「スマートデバイスリンク」も注目!

今、注目を集めている「コネクテッドカー」とは、どのような自動車なのでしょうか。「コネクテッドカー」とは、情報通信端末としての機能を搭載している自動車です。常にインターネットに接続していることで、自動車の状態を把握したり共有することができます。スマートフォンやタブレットで情報を参照し、自動車の使い方や利便性がぐんと広がります。
2025年までには、コネクテッドカーの所有台数は6,500万台以上になると言われており、これからますます目が離せない次世代の自動車です。そこで今回は、コネクテッドカーの特徴や注目のコネクテッドカー、そして2018年の最新情報をまとめてご紹介します。
コネクテッドカーとは?コネクテッドカーの特徴・できること
最近、耳にする機会が多くなった「コネクテッドカー」。見た目は通常の自動車と大きな差はありませんが、どのような特徴があるのでしょうか。大きな特徴を3つご紹介します。
インターネットに常時接続
コネクテッドカーの一番の特徴は、インターネットに常時接続し、情報通信端末としての機能を兼ね備えているところです。
自動車の状態をオンラインで把握することで、事故のときの対応や非常事態のときの対応をスムーズに行うことが可能。TOYOTAが開発を進めている「T-Connect」は、スマートフォンやタブレットと接続できるオンラインケアサービスが搭載されています。ナビゲーションシステムや「マイカーログ」をインターネットを介してスマートフォンと共有することで、より便利に楽しく運転をすることができます。
また、日産が開発を進めている「NissanConnect」には、自動車を止めた位置をスマートフォンで確認できる「マイカーファインダー」を搭載しており、慣れない土地での駐車も安心です。
このように、自動車が情報通信端末としての機能を持つことで、より便利により使えるようになります。
緊急通報システムを搭載している
コネクテッドカーには「緊急通報システム」が搭載されています。これは事故が発生したときに、自動で警察や消防を呼ぶことができるシステムで、より迅速に事故対応が行えるようになります。
他にもTOYOTAが開発を進めている「T-Connect」には、自動車の異常を検知する機能や24時間対応のオペレーターサービス、JAFなどのロードサービスを呼べる機能などが搭載。万が一の事態に備えて、安心して使用できるようになっています。
テレマティクス保険に対応
自動車保険にはさまざまな種類がありますが、コネクテッドカーを選ぶことで選択できるようになるのが「テレマティクス保険」です。
テレマティクス保険は、普段のドライバーの運転状況や危険度を客観的に評価して、保険料に反映させるというもの。安全運転であればあるほど、保険料が安くなります。運転速度やブレーキの回数などのデータがダイレクトに保険料に反映されるため、ドライバーの安全意識も高くなります。
注目されているコネクテッドカー3選
現在、開発が進められているコネクテッドカー。次世代の自動車として注目を集めていますが、実際にはどのような自動車が誕生するのでしょうか。注目を集めているコネクテッドカーの一部をご紹介します。
TOYOTAの人工知能搭載の「 Concept-愛i」
2017年1月に開催された「2017 International CES」で登場したのがTOYOTAのコネクテッドカー「Concept-愛i」です。自動運転機能はもちろんのこと、人を理解する「人工知能」が搭載されているところが特徴。
ドライバーの声色や表情から人工知能がドライバーの状態を把握し、自動的に自動運転に切り替えたり休憩を促したりしてくれます。また、人工知能がドライバーの趣味や好みに合わせてコミュニケーションを取る機能も搭載。今までとは違う、人と自動車との関わり方を提案しています。
Concept-愛iイメージ動画
2020年までに実用化を目指すGoogleのコネクデットカー
Googleは車載OSである「Android Auto」の開発と共に、2009年から自動車本体の開発にも着手しています。
2020年の完全実用化に向けて開発を進めているとのことで、自動運転機能や音声命令だけで目的地までたどり着く、高性能なナビゲーションシステムが搭載される予定です。
目的地まで手軽に移動できる、まさに未来の自動車。どのような仕上がりとなるのか今から楽しみです。
Appleも「アップルカー」を開発中
Googleと共にコネクテッドカーの開発が注目を浴びている「Apple」。アップルカーは、2020年~2021年の実用化を目指して開発が進められているそう。自動運転機能に加えて、自動で車を車庫から出すシステムが搭載されると言われています。
また、自動車の鍵(キー)の代わりとしてiPhoneやAppleWatch(アップルウォッチ)が使えるようになるそうです。これから明らかになっていく詳細情報からも目が離せません。
コネクテッドカーを取り巻く最新情報
魅力的な機能が多いコネクテッドカーですが、現在はどのような開発が進められているのでしょうか。最後に、コネクテッドカーを取り巻く最新事情をまとめました。
2018年KDDIが世界で初めて一斉同報配信に成功
KDDIは2018年4月に、複数台のコネクテッドカーに向けて情報を一斉同時配信することに世界で初めて成功したと発表しました。
今後は、自動運転自動車に対してリアルタイムに情報を届けられるように技術を活用していく予定。リアルタイムに情報配信ができることで、交通渋滞などの道路状態の共有も可能となります。
全11社が協力して開発している「スマートデバイスリンク」とは?
「スマートデバイスリンク」とは車とスマートフォンなどのデバイスを接続して、快適なアプリ操作を実現するサービスを指します。このシステム開発のためにフォード社とTOYOTAが「SDLコンソーシアム」を設立。さらに、三菱や日産など全11社が協力して、開発を進めていくことになりました。今後のコネクテッドカー技術の躍進が期待できます。
デメリットとしてサイバー攻撃が危惧されている
コネクテッドカーのデメリットとして懸念されているのが、サイバー攻撃です。インターネット通信を利用してさまざまな機能を管理しているからこそ、サイバー攻撃による盗難や自動運転による乗っ取りなどが心配されています。
今後の開発では、サイバー攻撃への対策も視野に入れることとなっていくでしょう。
今回は、注目を集めているコネクテッドカーの特徴や注目のコネクテッドカー、そして2018年の最新情報をまとめてご紹介しました。コネクテッドカーは、情報通信端末機能を兼ね備えている自動車です。
コネクテッドカーが普及することで、より安全な走行が実現できます。また、より効率よく自動車を利用することも可能。全11社の協力により、実用化された際にはさまざまな車種でコネクテッド機能が搭載されることでしょう。今後の最新情報や技術躍進から目が離せません。