車の最新技術
更新日:2019.03.18 / 掲載日:2018.11.21
日産が開発した「e-POWER(イーパワー)」の魅力とは?仕組みや搭載車種の紹介

「e-POWER(イーパワー)」とは、日産が開発した次世代の電動パワートレインです。パワートレインとは、エンジンで作った回転力を駆動輪に伝える装置です。e-POWER(イーパワー)はハイブリッドカーや電気自動車のいいところだけを取り入れ、100%モーター駆動となっている点が特徴。自らエネルギーを作り出せるため充電をする必要がありません。
使い勝手がよく省エネルギーなので、さまざまなシーンでそのメリットが発揮されます。今後ますます目が離せないe-POWER(イーパワー)の特徴や技術を、ぜひチェックしてみてください。
次世代の電動パワートレイン・日産が開発した「e-POWER(イーパワー)」の仕組みとは
「e-POWER(イーパワー)」とは、日産が開発した次世代の電動パワートレインです。まずは、e-POWER(イーパワー)の特徴を簡単にご紹介します。
省エネルギーセンター会長賞を受賞した技術
e-POWER(イーパワー)は、2018年1月31日に「平成29年度 省エネ大賞」において「省エネルギーセンター会長賞」を受賞しました。この賞は、優れた省エネルギー商品や技術を表彰するもの。e-POWER(イーパワー)は、注目を集めており、これから搭載車が増えていくことが期待されている最先端の技術なのです。
e-POWER(イーパワー)は「モーターのみ」で走る
e-POWER(イーパワー)の大きな特徴は、大型出力モーターのみで100%駆動するところです。従来のハイブリッド車はモーターとエンジンの両方を駆動力としており、シーンによって切り替えて走行することが主流でした。場合によってはエンジンを使うことが多くなり、意外とガソリン代がかさむという声も。
一方で、e-POWER(イーパワー)は独自に開発された大出力モーターのみで駆動するため、電気自動車と変わらない静かでエコな走りを実現します。
自ら電気を作り出してエネルギーにすることができる
現在主流となっている電気自動車は、大容量バッテリーに電気を蓄えておきそれを使用することで走行できる仕組みとなっています。そのため、バッテリーが消耗してくると外部充電しなければならないという手間がかかります。
その手間を解消したのがe-POWER(イーパワー)です。エンジンの力を使って発電機を稼働させ、モーター用の電力を自ら作り出せるようになっています。このエンジンはタイヤと繋がっておらず、あくまでもエネルギーを生み出すためだけに使用されます。
e-POWER(イーパワー)の注目すべき技術
続いて、e-POWER(イーパワー)ならではの注目すべき技術を厳選してご紹介します。e-POWER(イーパワー)搭載車を選ぶことで、より快適に走行することができるようになります。
3つの走行モードに自動切り替え
e-POWER(イーパワー)は、走行シーンに合わせて3つの走行モードを選択し自動制御できるように設計されています。アクセルの調節だけで簡単に速度調整ができるので、ブレーキペダルを踏む回数が少なくなります。
また、減速時にはモーターの回転を少なくして低燃費に。加速や減速の調整がしやすく、安定した走りを実現します。
もちろん加速にも強く、急加速や登坂時にはバッテリーと発電機の両者から電力を供給し力強い走りを実現。どのようなシーンでもストレスのない走行ができます。
快適なドライブ「静寂モード」を搭載
モーターで駆動するe-POWER(イーパワー)は、電気自動車と変わらない静かな走りを実現します。ノイズを削減したエンジンの性能に加えて、フロントガラスやドアシーリング材なども防音加工が施されています。
ボディのあらゆるところに遮音対策をすることで、より乗り心地がよくなりました。早朝や深夜でも周囲の目を気にすることなく走行することができるのが大きなメリットです。
エコドライブで燃費向上へ。燃費削減をサポートするエコモードを搭載
エコドライブをサポートする「エコモード」と「日産エコメーター」が搭載されている点もポイントです。ECOモードではアクセルを踏みすぎてしまっても加速しすぎず、低燃費が維持できるようになっています。そのため、よりエコなドライブを心がけたい人に向いています。
また、日産エコメーターは、走行のエコ度合いを3段階で評価し表示してくれるところが特徴。エコドライブができているかどうか可視化してもらえるので、ゲーム感覚でエコドライブを取り入れられるようになります。
e-POWER(イーパワー)を搭載している車種
低燃費で快適な運転を実現してくれるe-POWER(イーパワー)。そんなe-POWER(イーパワー)が搭載されている車種をまとめてご紹介します。
「ノートe-パワー」

・全長:4,165mm
・全幅:1,695mm
・総排気量:1,198cc
・乗車定員:5名
・価格:267万円~
ミニバン風デザインのコンパクトカーとして人気の高い「ノート」。e-POWER(イーパワー)が搭載されるようになり、ますます燃費が向上しました。走行モードの自動切り替えにより、どのような道でも快適に走行できる点が特徴。また、100%モーター駆動ならではのスムーズな走行を体感できます。車内も広々としておりファミリーカーから通勤車まで、幅広いシーンで利用できます。
「セレナe-パワー」

・全長:4,810mm
・全幅:1,740mm
・総排気量:1,198cc
・乗車定員:7名
・価格:381万円~
「セレナ」はミディアムクラスミニバンとして、使い勝手のいい内装とシンプルなフォルムが特徴的。7名乗れる広々とした車内は、ファミリーカーとしても人気があります。e-POWER(イーパワー)の標準的な機能に加えて、「踏み間違い衝突防止アシスト」や「標識検知機能」などを搭載。安全な運転をサポートしてくれます。
2020年までには5種にまで増やす予定
2018年9月現在では、e-POWER(イーパワー)を搭載しているのはノートとセレナのみです。しかし、2020年を目処にエクストレイル、ジューク、キューブなど日産車の中でも人気のある車種の後継モデル車にも順次搭載していく予定です。
より運転が快適となり、車を運転する楽しさを感じられるようになるはず。今後の情報にも期待してみてください。
今回は、日産が開発した電動パワートレイン「e-POWER(イーパワー)」の特徴や注目すべき技術、そしてe-POWER(イーパワー)を搭載している車種をまとめてご紹介しました。e-POWER(イーパワー)は100%モーター駆動となっており、乗り心地や走行性能がぐんと向上しました。今後は搭載車種も増える見込み。ぜひ、次世代のエンジンであるe-POWER(イーパワー)に今後も注目してみてください。