車の最新技術
更新日:2019.08.17 / 掲載日:2019.08.17

2019年9月発売開始プロパイロット2.0搭載新型スカイラインデビュー

NISSAN スカイライン●発売予定:2019年9月 ●価格帯:427万4640~632万7720円●販売店:ニッサン全店 ●問い合わせ:0120-315-232

日産自慢のプロパイロットが第二世代に進化。初のビッグチェンジを受けるスカイラインに「プロパイロット2.0」が投入されることになった。自動運転時代を占う技術だけに、その実力は気になる。最新仕様に生まれ変わった新型スカイラインと共に、その内容を確認してみたい。
文:川島茂夫写真:奥隅圭之/編集部

●新型スカイライン グレード&バリエーション

ハイブリッドGT Type SP ●価格:604万8000円 ●主要諸元●全長×全幅×全高(mm):4810×1820×1440●ホイールベース(mm):2850●車両重量(kg):1840●パワーユニット:3498ccV6DOHC+モーター(エンジン:306PS/35.7kg・m モーター:50kW/290N・m)●トランスミッション:7速ハイブリッドトランスミッション●JC08モード燃費:14.4km/L●ブレーキ:ベンチレーテッドディスク(F)/ベンチレーテッドディスク(R)●タイヤ:245/40RF19

目玉のプロパイロット2.0はハイブリッドモデルに標準装備

  • 従来のプロパイロットとの大きな違いは、ナビシステムとの連動による高度な運転支援と、同一車線内走行時にハンズオフが可能になったこと。

  • ハイブリッド車、全グレードに標準装着となる。

  • センチメートルレベルの緻密さでデータ化された3D高精度の地図データと、360度センシングで得た検知情報を組み合わせる。

  • 高度な運転支援を実現。

  • カラーヘッドアップディスプレイには、プロパイロット 2.0が発信する多くのリアルタイムの運転情報がカラー化され投影される。

  • インテリジェントFCW(前方衝突予測警報)とインテリジェントBSI(後側方衝突防止支援システム)もアップデート。

  • 特にFCWは2台前を走る車両の車間&速度まで検知する高機能型だ。

  • 前期型のエンブレムバッジはインフィニティだったが、マイナーチェンジでニッサンに変更されている。

  • フロントマスクはVモーショングリルに変更しデザインイメージを一新。

  • リヤの丸目4灯ランプもLED化で強調するなど、スカイラインらしさが強まった。

ニッサンのバッジでスカイライン復権を宣言

ハイブリッド車のパワートレーンは、3.5L/V6+モーターのハイブリッドシステムを引き続き採用。システム合計で364PSを叩き出す高性能ユニットという一面を持つ。

5年目のビッグマイナーチェンジである。その狙いは先進性と高性能の強化。前者はプロパイロット2.0、後者は3LのV6ツインターボの導入だ。なお、「スカイライン」の復権を狙ってか、インフィニティだったブランドバッジはニッサンに戻されている。

CFなどで伝えられているとおり、プロパイロット2.0は国産車で初めて認可された高速道路同一車線内での手放し走行がセールスポイントである。従来のプロパイロットは車線認識により走行ラインを自動制御するが、基本的には操舵補助機能であり、手放し状態では警告の後に解除される。しかし、2.0はそのまま走行が可能になったのだ。

また、走行ライン制御システムも従来型と異なり、詳細な3D地図データを元にした走行ラインを設定する。巡航状態ではシステム側が自動操舵を行い、分岐や追い越し等の状況では必要に応じてシステムが車線変更などを提示する。ただし、車線変更等の操作はドライバーが手動で行うカタチだ。

ならば同一車線内走行中は運転をしなくていいか?例えば、寝そべるようにシートをリクライニングさせて寛ぐとかは不可だ。顔認識機能により、顔の位置や居眠りなどドライバーが正常に運転できない状況と判断した場合は、警告を発し、改善されない場合には自動停車を行う。人事不省に陥った時の安全策でもあるが、手放しでもドライバーが運転環境を継続するのが作動条件のひとつ。ドライバーは即座に手動運転に復帰できるように、走行状況認識と適切なドラポジを維持する必要がある。

また、トンネルなど電波が遮断される状況では手放し操舵は解除される。東名高速の厚木-御殿場間のように頻繁にトンネルがある状況では非実用的に思えるだろうが、手放し機能が解除されてもプロパイロットの走行ライン制御LKA機能が維持されるので、車線認識が可能状況でもステアリングに手を添えるだけで済む。LKAに手放し機能が上乗せされたくらいに認識すればいいだろう。

  • コクピット感を強めに強調するインパネデザイン。中央のコンソールがフロアまで伸びる、ドライバーを包み込むような機能的なパッケージも踏襲されている。

  • スカイラインの登場に合わせてスタートしたNissanConnectは、より緻密なルート案内を行うドアtoドアナビや車内Wi-Fi機能など、多彩なメニューを用意。プロパイロット2.0との親和性も高い。

  • ステアリングの動きを電子信号でタイヤに伝えるDASは、電子制御サスのIDSと統合制御を行う最新仕様にアップデート。幅広い走行状況で安定した走りを実現する。

  • 前後キャビンは車格相応の広さ。

  • 上級グレードは本革シートが標準となるなど、プレミアム路線も引き続き踏襲される。

  • ハイブリッド車のメーターの中央部には7インチのカラーディスプレイを配置。プロパイロット2.0が発信する車両情報が分かりやすく表示されるのはありがたい。

  • 上下2分割のツインディスプレイ(8インチワイド&7インチワイド)を持つ純正ナビシステムは、NissanConnectサービスと連携することで、自動地図更新やApple CarPlayなどにも対応可能

ターボ車は非搭載だが運転支援は未だ上位クラス

なお、プロパイロット2.0はハイブリッド車への標準採用で、ターボ車には設定されないが、全車速型ACcや半自動操舵型LKAは全車に標準装備される。衝突回避機能の歩行者対応がハイブリッド車に限定されるのは気になるものの、2.0非対応のターボ車でも、安全&運転支援機能はトップレベルと言っていいだろう。

パワートレーンはメルセデス製4気筒が整理され、V6ツインターボの導入で、全車V6ユニット搭載となった。ハイブリッド車は従来型を踏襲。306PSの最高出力を発生する3.5Lと7速ATを組み合わせた1モーター2クラッチのパラレル式を採用し、高性能志向もカバーする。新追加となった3Lツインターボは、標準型が304PS、400Rに限定される高性能型は405PSの最高出力を誇る。パワースペックでは全モデルとも、バリバリのスポーツセダンなのだ。

V6ツインターボ車には、スカイライン史上最強の「400PS超モデル」を設定

400R ●価格:552万3120円

●主要諸元●全長×全幅×全高(mm):4810×1820×1440●ホイールベース(mm):2850●車両重量(kg):1760●パワーユニット:2997ccV6DOHCツインターボ(405PS/48.4kg・m)●トランスミッション:7速オートマチックミッション●WLTCモード総合燃費:10.0km/L●ブレーキ:ベンチレーテッドディスク(F)/ベンチレーテッドディスク(R)●タイヤ:245/40RF19

  • 400Rのキャビンは、レッドステッチが刻まれた本革スポーツシートやパドルシフト付き本革巻きステアリングが標準装備される。

  • 内装の仕立てでも1ランク上を主張する。

  • 標準車にもV6ツインターボは設定されるが、標準車の304PS仕様に対して、400Rはターボの過給性能を極限まで高めた405PS仕様になるなど、スペックの面でも秀出た存在だ。

  • 足回りは19インチの専用ホイールに加えて、ブレーキも専用の対向ピストンブレーキにアップデートされている。

  • 基本意匠は標準車と共通。

400Rは最新デバイスの塊別格のスポーツセダンだ

性能面で頂点に立つ400Rはパワースペックだけでなく、シャシーも専用設計となり、ブレンボ製の4輪アルミキャリパー対向ピストンブレーキや走行状況に応じてストローク速度あるいは減衰力を能動的に制御する電子制御ダンパーを標準装着。また、舵輪と機械的な接続なく電子制御するDAS(ダイレクトアダプティブステアリング)も専用チューンとなっている。なお、電子制御ダンパーはターボ車のタイプSPにもOP設定され、DASは新型から全車標準採用となった。

トランスミッションは標準系ターボ車と同じ7速ATを採用。MTの設定がないのはハードコアなスポーツ派には不満かもしれないが、GT-Rにしても2ペダルであり、時代性や車格からすれば当然である。さらに言えばGT-Rがピュアスポーツカーに発展しスカイラインと別系統なった今、400Rは「スカイラインGT-R」の復活と位置付けてもいいだろう。

今回のマイナーチェンジでは、GT-Rを彷彿させるフロントマスク、新しい車載ITサービス、ニッサン車では初となるHUDの採用など、現代の上級スポーツセダンに必要な要素をもれなく盛り込んだ。機能や性能の向上はもちろんだが、スポーティ&ハイパフォーマンスの標榜が当たり前のプレミアムセダンの中で、伝統と先進の融合を狙った、新生スカイラインと呼ぶにふさわしい内容が与えられたのだ。

新型スカイライン 主要グレード諸元&装備

提供元:月刊自家用車

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グーネットマガジン編集部

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1977年の中古車情報誌GOOの創刊以来、中古車関連記事・最新ニュース・人気車の試乗インプレなど様々な記事を制作している、中古車に関してのプロ集団です。
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