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更新日:2021.09.27 / 掲載日:2021.09.27
ボルボ 新型「C40リチャージ」皮切りにレザーフリー推進

ボルボ・カーズは9月24日、動物福祉の一環として、新型「C40 リチャージ」を皮切りに全ての新型電気自動車においてレザー(本革)を使用しない方針を発表した。
ボルボは今後、電気自動車に特化したシリーズを立ち上げる予定で、2030年までにはラインアップを電気自動車のみにする構想を発表済みで、レザーフリーの方針はその全ラインアップでの実現を目指すとしている。
また、併せて発表したレポートでは、レザーに代わる高品質のサステイナブル素材を採用し、次世代モデルに使用していくことを発表した。
「完全な循環型ビジネス」を目指して
ボルボでは、2040年までに完全な循環型ビジネスになることを目指し、2025年までにボルボの新車に使用される素材の25%をリサイクルおよびバイオベースの材料で構成することを目標に設定、現在自動車業界で広く使用されている多くの素材について、高品質かつ持続可能な調達先を見つけることに積極的に取り組んでいる。
また、気候変動対策の一環として、2025年までに、材料メーカーを含むすべてのサプライヤーが100%再生可能エネルギーを使用することも目標に掲げている。
ボルボはレザーを使用しないインテリアへの移行として、革製のインテリア・オプションの代わりに、バイオベースやリサイクルソースから作られた高品質なサステイナブル素材などの代替品を用意。
同ブランドで開発した新たなインテリア素材「Nordico(ノルディコ)」は、ペットボトルなどのリサイクル素材、スウェーデンやフィンランドの持続可能な森林から採取された生物由来の素材、ワイン産業からリサイクルされたコルクなどを使用したテキスタイルで構成されたもので、プレミアム・インテリア・デザインの新しい基準になりうるものとしており、次世代モデルより採用していくという。
このほか、責任ある調達を行っていると認定されたサプライヤーからのウールブレンドのオプションを提供していく。
先進的な自動車メーカーとしてあらゆるサスティナビリティの分野に取り組む
ボルボでは、プラスチック、ゴム、潤滑剤、接着剤などの材料の一部として、あるいは材料の製造や処理におけるプロセスケミカルとして、一般的に使用されている家畜生産からの副産物の使用を減らすことにも取り組む。
レザーフリーの推進について、ボルボのグローバル・サステイナビリティー・ディレクターであるスチュアート・テンプラー氏は、「先進的な自動車メーカーであることは、CO2排出量だけでなく、サステイナビリティーのすべての分野に取り組む必要があることを意味しています。責任ある調達は、動物福祉への配慮を含め、その重要な部分を占めています。電気自動車にレザーを使用しないことは、この問題に取り組むための次のステップです」とコメント。
さらに「動物福祉をサポートする製品や素材を見つけるのは難しいことですが、だからといってこの重要な問題を避ける理由にはなりません。これは行く価値のある旅です。真に進歩的で持続可能な考え方を持つということは、自分自身に難しい質問を投げかけ、積極的に答えを見つけようとする必要があるということです」と語っている。
また、デザイン部門の責任者であるロビン・ペイジ氏は、「私たちは、将来的にどのような方向に進むべきかというビジョンを持っており、そのための第一歩として、持続可能な天然素材やリサイクル素材を使用しています。次の課題は、これらの素材を使って何をするかということです。それが、永遠に使える自動車部品を作ることであっても、循環型経済に戻ることであっても、あるいは土に還ることであってもです」としている。